正しく見えた未来~資源確保~02
光を集めるために必要な板があるんだが・・・
あれがまたヤバイもんでなぁ。
種類によってはまぁまぁな有害物質を含んでいるわけよ。
その有害物質ってのが「カドミウム」なんだわ。
カドミウムっつーのは、大昔に日本で公害を起こしたものだ。
学校の教科書でも紹介されてるくらいに有名な有害物質なんだ。
単にカドミウムを使った製品ってだけならそこまで大事(読み:おおごと)にはならんのだが・・・
問題は設置場所なんだわ。
実験段階で設置している場所ってのが、山肌なわけよ。
山肌にどうやって設置するかって?
そんなの簡単だろ。
木を切ってっ裸にして、そこに置いていくわけよ。
木の無い山がちょうど良いんだわ、これが。
んでなぁ・・・
木が無いってことはよぉ、降った雨水がそのまま河川に流れていくわけだ。
そりゃぁ多少は土に吸収されるだろうが、吸い上げるものも無いんだぜ?
まぁまぁの高濃度で里や海まで到達する。
木が無いことで土砂災害が増えるっていう話もあって、そもそもダメな感じだが・・・
一番ヤバいのは板が壊れた時だ。
板の中からカドミウムが漏出して、河川に流れ込んでしまう。
そうすっと、さっきの手順で里や海まで到達するわけだ。
どうなると思う?
富山で起きたイタイイタイ病が復活するわけよ。
あれは国が認めたくらいのヤバイ公害だったんだ。
それを再発させないよう対策したはずなんだが、その再発防止策を国自らの手で無くすという計画だったってことさ。
先端技術のためには公害が発生しても仕方ないってのがこの国の政府の考えってことなんだわ。
たとえ過去の人災をもとに公害を予測できたとしても、な。
困ったもんさ。
幸い、今はまだそういった事故は発生していないから、周辺地域の反対もそこまでデカくはない。
じゃぁ何も問題ないじゃんってか?
長期的にはそういった問題があるって話さ。
もちろん、短~中期的な問題もある。
それがアレだ・・・
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