キングオブコント2023
キングオブコント終わりましたね。今年も面白かった〜
とても楽しみなので前々からしっかり当日の予定を空けてありました。
KOCはたぶん2011年あたりからリアタイしているけど張り付いて見るようになったのは2019年頃からだと思う。
頻繁には劇場に行けないフルタイムワーキングマザーなので(とはいえけっこう行くけど)、その年の傑作のネタをぎゅっと見れる賞レースという存在はそこからまた来年までの指標にもなるものだったりもするし、新しく好きなコント師に出会える機会でもあったりする。推しの男性ブランコを知れたのもKOCがきっかけだったし。
というわけで今年はファイナリスト10組だけじゃなく惜しくも準決勝で敗れる組までそんな出会いを広げたいなと思い、準決勝の配信も2日間分購入しました。(会場チケットも申し込んだけどはずれた)
4500円×2日間=9000円。
決して安くはなかったけど、去年のM-1も準決勝の配信を買ったら私は当日までのワクワクが2倍増して費用対効果が感じられたのでKOCも準決勝から見てみようと思いました。
前述の新たな出会い以外にも、決勝3組に残らなかったファイナリストたちの2本目が見れないのもいつももどかしくて。
去年最高の人間の2本目がすごいと言われていたのに結局観れなかったのとか。
そんなわけで今年はネタは全組すでに一度見た状態で見た放送でしたが、結果とても楽しめました。
全組面白くてみんな違ってみんないいので、あとは本番でどう評価されるのかな、自分の好みはこれかな、っていうのを見るお祭りです。
感想です!
・オープニング
2年連続の梅田サイファー + 三浦大知。
BPM速くてテクノっぽいトラックに心拍数もどんどん上がっていく感じ。始まったぞ〜!という気持ちになりました。他の方の解説も読ませていただきましたが1組4verseに詰めた情報量とその深さがファイナリスト紹介にもなってるしリリックの秀逸さにあらためて感心しきり。
2021のコーヒーアンドシガレッツならぬコーヒーアンドネタ帳なオープニングも今見返すとおそらく自前のネタ帳でノート派、スマホ派、PC派っていうのがわかったりして面白かった。
今後もオープニングから楽しみですね。
では本編。
・1st ステージ
①カゲヤマ
今回のKOCはカゲヤマ or NOTカゲヤマになるんじゃないかなと思っていた。そんな指標になるようなカゲヤマがトップバッターとはかなり今回のムードを左右したのでは。カゲヤマはM-1 2022の準決勝ではじめてネタを見たけどコントはその後も見たことなかった。二人とも体大きくてクセ強いルックスなのにゴールデンでお尻出しても不快感のない堂々とした演技力と声の通りが良いのもいい。というかお尻がきれいだから清潔感があるのか。塩サウナであんなツルツルになるんだ。
②ニッポンの社長
尻の次にケツ。準決勝でネタを見たのでニッ社が決勝に上がった時は攻めてるな〜テレビ的に大丈夫なのかな?と正直思ってしまっていた。
でもそんな心配は無用で逆にテレビだと不死身のケツさんのスター感がアホらしくて面白かった。辻さんに武器でやられまくっているのに途中で「卑怯な手でも使ってこいよ!」と煽るところが好き。
③や団
タウマゼインってほんとにある言葉だったのか〜。(主に哲学の領域で「知的探求の始まりにある驚異」を表す言葉として使用される、だそうです)
知らなかった言葉だけどなんとなく「演出家の伊藤さん」がパワハラじゃなく指導にパッションがある人だというキャラがすっと入った理由がわかったような。そのためか灰皿が周り終わるまで眺める時間が優雅にすら思えて、や団のいぶし銀を感じたネタ。
中嶋さん=ホリケン、伊藤さん=原田さん、本間さん=名倉さんでネプチューンみたいな雰囲気もあってや団好きだなー。もう1本のネタもすごく強かったと思うのでファイナル残らなくて残念だった。
④蛙亭
日常の会話劇のこんな上質コント書けるなんてやっぱりイワクラちゃんてすごいんだな〜と思った。セリフもひとつひとつ印象に残るきめ細やかさがあって。そこに中野くんのあの声と体型の才能。でも反省会でイワクラちゃんが中野くんにボロクソ言ってたのも面白かった。
今大会の中だと仕上がりほのぼの系なのでシンプルに見えるけどリアリティで言えばもっと点が高くても良かったはず。
⑤ジグザグジギー
今大会に確実に華を添えたネタだと思う!着眼点がニッチだったのかもしれないけどお笑い好きには楽しすぎた。表現力がないとできないネタだしかなりニコニコして見てしまった。
もう1本のネタは準決勝で見た約70本の中でベスト3に入るぐらい好きだったのでまた決勝で見れたらいいなー。
⑥ゼンモンキー
友人とLINEしながら見ていて、何気にゼンモンキーのあと一番盛り上がった気がする。テンポの良さもワードもポップだし、滑舌が良いのか全セリフ聞き取りやすくてすっきりしてた。
平場の彼らを見たことなかったので、悪そな見た目をいじられたヤザキさんの対応とか、反省会の真面目そうな様子とか、とても爽やかな若者たちで未来ある人たちなんだなぁと思った。
⑦隣人
隣人は2021年のytv漫才新人賞で見て以来センスが大好きで、おすすめの芸人は?と聞かれた時に自分だけの隠し球的に持ってたけど、ついに全国区の知名度に。
今回のネタも笑えるし素敵すぎた。絵本みたいな世界観、古典的な笑いとおしゃれで新しい感覚の融合。1本の落語仕立てにしてるストーリーテリング感が、ティムバートンの映画を観てるような気持ちにもなるなぁと思った。もう1本のネタとセットでの完成度が最高だったのでファイナル残らず残念だけど初出場なんだしまだまだこれからなのでしょう。
KOC前日に中村さんはチンパンジーかぶるので顔出ないからビスブラ原田さんと明け方まで飲んでて、橋本さんはホテルで加湿しまくってよく寝たという対照的な過ごし方もいいな。
⑧ファイヤーサンダー
OPのファイヤ〜サンダ〜適当な名前〜がずっとぐるぐる。ファイヤーサンダーはきつねファン時代によく大津さんのインスタにこてつさんが出てきていたのをきっかけに存じていました。
リアリティの点ではかなり優れていたのでは。ほんとにそういうものまねタレントに見えてきたもんなぁ。大きく括れば芸人が芸人をネタにしてるわけで、あるあるなのかな。
さらば森田さんの「ブクロの親戚のファイヤーサンダー…優勝できなかった…(ぐすんぐすん)」「バズれぇ〜〜」って嘘泣き動画の悪意が最高だった。
⑨サルゴリラ
正直言うと準決勝見た時このネタはあまりピンと来てなかったんだけど、決勝で見たらお二人の演技力とニンに完全にもってかれた。午前中に何しに区役所行くんだろう、なんで家庭に居場所がないんだろう(わかる気がするけど)、コントの外にあるルールさんの日常の考察が捗ってしまう。悪気はないのに人を怒らせちゃうし気づかないんだろうな。靴下にんじんをイカ箱に入れてペンチピーチ全力でやり切って、おわったー ふー って手で顔を煽いでるのがかわいい。
また会いたくなる人が出てくるコントって強い。
⑩ラブレターズ
準決勝で自分で点つけながら見ていたときに(評価というより好み)、私の中で合計点1位はラブレターズでした。キャラ憑依力と緻密なストーリー計算とダイナミズムがカオスをもたらしていて素晴らしかった!ちょっとあの彼女のお母さん、狂いっぷりにキャシィ塚本を思い出してしまった。
もう1本もクレイジーで最高だったし演技力も素晴らしくてあのネタで優勝する絵が見えてたんだけどな。やっぱり舞台でこそ映える人たちなのかしら。というわけで決勝前に発売になってた12月の単独ライブのチケット買ってます。楽しみ。
・ファイナル
・ニッポンの社長
このネタが始まる前のまだ準備できてない!という生放送ならではの緊張感、焦っただろうな、、
結果的にネタには影響なさそうで飄々とやっていてほっとしました。
ケツさんの雑な手術と辻さんの脱力ツッコミ、漫画みたいな臓器。B級映画みたいなサブカル感で、8mmフィルムで見ているような世界だった。ニッ社っていつも我が道を行ってる。夏に浅草で見たとき彼らがやってたギター漫才も新しいような懐かしいような、独特なものだったな。
今回KOCでもニッ社が2本ともニッ社らしいネタで迎合してなくて、あらためて惚れ惚れしました。その自然体の奇才で来年こそはアレしてほしい。
・カゲヤマ
1本目でバカバカしく派手に爆発して、2本目で変人路線をさらにヤバい方向に展開させた上にこの演技力とシリアスな脚本。ほんとに優勝するのでは…?と思った。流れ最高でした。私はこの2本目のほうが好き。
上司のデスクに置かれた💩をきっかけに、犯人である部下の畳み掛ける告白で逆に部長が追い詰められていくサイコサスペンス。しかもこの犯人が、1本目で部下に代わりお尻謝罪してた上司と同一人物だという指摘をXで見てゾクゾクした。天然のヤバい人ってこと。「……僕は…どうなるんですか…」って本気で思ってるんだろうな。
・サルゴリラ
準決勝でこのネタ見た時もお腹痛くなるぐらい笑ったけど、決勝のステージでは二人の人間味とスタジオとの一体感、そのライブ性でコントが怪物になっていた。圧勝してた。
ひとつのボケを言い方や表現の違いで無限に繰り返しながらどんどん笑いの渦が大きくなり増幅されていく。監督はめちゃピュアなんだろうな。「ご家族のお魚」ってちゃんと敬って使い分けられるのに、魚って言うのをやめない。
優勝おめでとうございました!
以上KOCふりかえりでした!
今週はいろんな方の感想やYouTubeチェックします。