程よい田舎

私の実家は夏は暑くて冬は激寒い。　　　

電車は1時間に2本だし、近所のおばさんはご近所さんの噂話に一生懸命で、何かと目を光らせている。　　　　　　　　　　　そんなところだけど、最近は新しい家がたくさん建って、昔からの風習みたいなものを言うこっちが悪い。みたいな雰囲気がある。家の前の通りはすれ違いに苦労するから、あまりスピードは出さず、いつカーブから車が出て来てもいいように徐行運転するのが暗黙のルールだったけど、新しく引っ越して来た人達は平気でスピードを出してカーブだろうがなんだろうが突っ込んでくる、そして譲らない。

そんな面倒はあるものの、私は実家で見る星空が何より好きだった。ちょうど山の麓に家があるので、毎日山が見れるのも好きだった。

今はベランダに出ても山は見えないし、木も生えてない。星なんてオリオン座がギリギリ見えるくらい。　　　　　　　　　　真っ白な息を吐きながらみた、オリオン座の内側にある小さな星が懐かしい。

便利さを取るか、便利を捨てて大自然を取るか、なかなか難しい問題だが、子供を育てるなら、星がたくさん見える場所で育てたい。　　　　　　　　　　　　　　　　キャンプが流行るのもわかる気がするな。