SHADOWTIMES 2013/05/16 Vol.26
《shadowtimes》 Post.13
「鎧戸から洩れ入る光」港千尋
うら寒い黄金週間をあけたと思ったら、いっきに陽射しが強くなり今日など真夏の気温である。窓を開けるとどこかで風にそよぐ木々の音が気持ちいい。ブラインドをすこし降ろして、読みかけた文庫本を開く。
上下に分かれた二巻の上巻は表紙がシダの生い茂る森の写真。ちょうど今時分の雑木林の光景だろう。下巻は同じような森の冬景色。ヘンリー・デイヴィッド・ソローの代表作『森の生活』、岩波文庫で1995年に出た飯田実訳である。
この新版を取り出したのは、先日G/P Galleryで開かれたイベントで、少しこの本について言及したからだ。
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