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第10回 社長vs社員のリアルな攻防戦。やっぱりM&Aが最適解だと思う理由〜社長を続けたかった俺が、M&Aの道を選ぶ理由〜

まずは「内部環境」を考えよう

M&Aを考えるとき、最初にぶち当たるのが「内部環境」と「外部環境」という2つの大きな変数だ。これは、どちらも会社の未来を決める上で欠かせない要素だ。

たとえば、「内部環境」は会社の中の話。つまり、「社長(俺)」と「社員」が中心になる。会社が抱える課題や強み、社内の雰囲気なんかがここに含まれる。一方で、「外部環境」は、市場の状況や競合他社、経済全体の流れといった外の世界の話だ。

じゃあ、なんでこの2つを考える必要があるのか?

それは、M&Aっていうのは「結婚」と似たところがあるからだ。
まずは自分自身の中身(内部環境)をきちんと知っておかないと、うまくいくはずがない。

今の経営者では(自分では)今の環境を変えられない、うまくいかないと感じた理由もここにあるからだ。

だって、自分が何者かもわからずにお見合い行ったら、「あれ、この人なんか怪しい…」って断られるに決まってるだろ?明確に自分がうまくいかなかった理由を伝えることが誠意だと思う。

だからまずは、自分たちの足元を見つめ直すことが大切だ。特に零細企業では、「内部環境」にメスを入れることが、M&Aの成功を左右する鍵になる。なぜなら、会社が小さいほど、社長や社員の影響力が全体に及ぶ割合が大きいからだ。

というわけで、今回はまず「内部環境」に焦点を当ててみる。
これがまたね、社長(俺)と社員、どっちもクセが強くて一筋縄じゃいかないんだわ。


【社長サイドのリアル】

1. 若い才能に舵を託したい気持ち

正直に言おう。
「俺、もう若くない!」

これ、なかなか認めたくない事実なんだけど、年々実感してる。昔は「時代の先を読む天才だ!」なんて勘違いしてたけど、最近はその先読みがズレてることが増えた。なんなら、時代どころか今日の天気すら読めない。

例えば、昔は「これが流行る!」と自信満々で推した企画があったんだけど、今振り返れば誰も覚えてないレベル。流行るどころか、消え方がマジで早かった。
例えるなら、「カセットテープを令和に復活させるぞ!」って勢いで突っ走った感じだ。いや、それはもう無理だろって話。

だからこそ思う。「若い才能やアイディアを持った経営者に舵を託すべき」だと。自分が会社の足枷になる前に、未来を託したい。俺のポケベル時代のアイデアなんて、もう化石だもんな。


2. 体力の衰えはもう否定できない

次に来るのが、「体力の問題」。いや、これ本当にリアルなんだよ。

昔は朝から晩まで働いても平気だった。むしろ「今日は徹夜だぜ!」ってテンション上がってたくらい。でも今は、夜遅くまで働いた翌日は肩ガチガチ、腰バキバキ。次の日はもうゾンビみたいになってる。

1日でも徹夜をすると、1週間くらい調子が悪かったりパフォーマンスが落ちてしまうのも否定できない。

零細企業の社長は、人が少ないからどうしても自分が動かないといけない場面が多い。インフルエンザが流行した時なんて、社員全員がダウンして、最後に残ったのは俺一人。

コロナにかかっていても、在宅でずっと働いてた時は自然と涙が溢れていた。あの時はもう、電話対応から現場作業、請求書の作成まで全部やったよ。まさに「一人ブラック企業」状態だった。

でもね、こんな無理はいつまでも続けられるわけじゃない。体力の限界は確実に来る。これ以上、無理を続けるわけにはいかない。


3. 社内に後継者がいない問題

「じゃあ、社員に社長を引き継いでもらえばいいんじゃない?」って思う人もいるだろう。

…いや、無理。「社長やりたいです!」って言う社員がゼロ。
むしろみんな、「社長なんて絶対やりたくないっす」ってスタンスなんだよ。

そりゃそうだ。社長って責任もプレッシャーも重いからね。社員たちの本音は、「プレッシャーのかかる仕事はしたくない」なんだ。

これ、例えるなら、「クラス全員が運動会のリレーやりたくない」って言ってる状況に近い。誰もリレーを走りたくない。全員が「自分のペースで、そこそこやりたい」って感じ。


【社員サイドのリアル】

1. 社内ルールの徹底が甘かった結果

社員たちは3人。家族みたいな規模感でやってるけど、これがまたクセモノだった。

例えば、考課(評価)の話になると、例外が当たり前になってしまう。成果が悪くても、「まあ、この人は頑張ってるから」なんて甘い評価をしてきた結果、それが常態化してしまった。

さらに、社内ルールの甘さから、社員がこんな主張をするようになった。
「成果が悪くても昇給は当たり前っしょ!」
いやいや、どの世界線の話だよ!ってツッコミたくなる。

これ、例えるなら、「宿題やってなくても100点ください!」って先生にお願いしてる小学生みたいなもんだ。そんなの許したら学校崩壊するだろ?


2. 経営者と社員の感覚のズレ

起業当初は、みんなモチベーションが高かった。「やったるぜ!」みたいな勢いがあった。でも、年月が経つと、そのモチベーションが明らかに下がっていった。

今では、「社長がなんとかしてくれるっしょ」みたいな雰囲気が漂っている。なんなら、俺が遅くまで働いてる横で、「じゃあお先に失礼しまーす!」なんて言いながら帰っていく姿を見ると、涙が出そうになる。

ここは俺の会社だから倒産させるわけにはいかない。だからこそ必死に24時間365日働く。ただ社員にこの気持ちを持てというのは不可能に近い。

社員は嫌なことがあれば究極は転職することができる。ただし社長はそうもいかない。経営視点で考えて欲しいと思っていたが、この感覚を理解してもらうのは不可能だと理解した上で、業務や制度をルール化すればよかったと思う。


3. 社内の馴れ合いがもたらすマンネリ

社員3人の零細企業。毎日顔を合わせてると、どうしても「馴れ合い」が生まれる。もちろん、いい雰囲気で仕事ができるのは素晴らしいことだ。でも、それが逆に問題になることもある。

例えば、「あの人がこう言ってるからそれでいいや」みたいな感じで、深く考えずに仕事を進めることが増える。チャレンジ精神が薄れて、仕事がマンネリ化していく。

これ、例えるなら、**「家族で毎晩同じメニューを食べてる」**ようなものだ。最初は楽しいけど、次第に飽きてくる。そして飽きた頃には、新しいアイデアを生み出す元気もなくなってる。


4.キャリア形成がストップする現実

さらに、社員が3人しかいない会社だと、「キャリア形成」というものがなかなか難しい。
昇進のポジションなんてそもそも存在しないし、新しいスキルを学ぶ機会も限られている。

ずっと同じ仕事を続けるだけだと、モチベーションが下がるのは当然だ。そして社員のモチベーションが下がれば、会社全体の成長も鈍化する。

これ、例えるなら、「グループワークで毎回同じ役割を担当させられる学生*みたいなものだ。新しいことに挑戦したいのに、「また俺がプレゼン資料作りかよ!」って愚痴が出る。


採用で解決しようって?いや、それがまた難しいんだわ。

「新しい人を採用すればいいんじゃないの?」って声が聞こえてきそうだね。理屈ではその通り、でも現実はそんな甘くない。

まず、うちみたいな零細企業が採用をかけるとどうなるか。求人を出しても、応募が来ない来ない!「え、このページ本当に公開されてる?もしかして非公開設定にしてる?」って疑うレベルなんだよね。

たまに応募が来たと思ったら、履歴書の趣味欄に「昼寝」って書いてある人が登場。「いやいや、うちで昼寝するために採用されるつもりかよ!」って、思わずツッコミたくなるわけ。

さらに、採用って無料じゃないからね。求人広告にかかる費用、面接にかける時間、新人トレーニングの手間…全部合わせると、零細企業にはなかなかの痛手。「採用って、もはや新事業を始めるくらいの覚悟が必要じゃないか?」って思うこともある。

で、さらに問題なのは、そもそも「うちって採用するほど人必要じゃなくない?」ってこと。今の人数でもやりくりはできてる。でも新しい人を入れると、ただのコスト増になる可能性大。ああ、採用の壁、厚すぎる…。


ルールを厳しくする?いや、むしろ逆効果だろ!

じゃあさ、次の案。「ルールを厳しくして社内を引き締める!」どうだろう?いや、それもね、実際に試してみたけど、逆効果だったのよ。

今の社員たち、割と権利主張型なのよ。「働きやすさ」だとか「ワークライフバランス」とか、耳にタコができるくらい聞いてきたフレーズを掲げてる人たちなの。そこにルールを厳密に導入したらどうなるか?答えは簡単、「やる気ダウン!」だよね。

たとえば、カロリー計算された食事しか食べられないボクサーを想像してみてよ。健康的な食生活を強要されてるけど、本人はもうストレスでパンチ力ゼロみたいな感じ。それと同じよ。厳しいルールって、心の筋力を削っちゃうんだよね。


「解雇すればいい」?いや、それができないんだよ…俺、HSPだから。

「そんな社員、もう解雇しちゃえよ!」って、どこからか声が聞こえてきそうだ。いや、その意見、めちゃくちゃわかる。わかるけど、できないんだよ。俺、HSPだから。

ほら、HSPって、相手の気持ちがわかりすぎちゃうじゃん?だから、「この人、今すごく不安なんだろうな…」とか、「頑張りたいけどできてない自分に自己嫌悪してるだろうな…」っていうのが、透けて見えちゃうのよ。そうなるとね、「切る」なんて冷酷な判断、俺にはできないの。

しかも、起業時の大変な時期を一緒に乗り越えた社員たちだよ?「あの時、一緒に頑張ったよな…」って思い出が頭をよぎる。例えるなら、ボロボロになった大学時代のランニングシューズみたいな感じだよね。もう履くことはないけど、「あの時一緒に頑張ったな」って思い出が捨てられない理由になるやつ。


それにHSPだから、全部バレてる…

あと、これも痛いんだけどさ、俺、HSPだから「ちゃんと働いてない」ことがバレちゃうんだよね。入社してから2年くらい経ったあたりで気づいたの。「あれ、この人、働いてなくない?」って。

コロナ禍で在宅勤務になった時なんて、本当にひどかったよね。「飲みながら働いてる」って噂も聞いたけど、まさにそんな感じ。メールを送っても返信が遅いし、リモート会議に出ても、声が酔っ払ってるんじゃないかっていうテンションの時もあった。

さらに、子どもが生まれてからは、ますます仕事をしなくなった。いや、それ自体は責められないよ?子育てって大変だから。でもさ、それを仕事の言い訳にしちゃうのはどうなのよ…って思う自分もいるわけ。


つまり、最善手は俺がいないこと…って結論になった。

ここまでの話を整理すると、結論はこうだ。おそらく読み手の皆さんも感じただろう。

「お前が悪いやん!」
そうつまり「俺がいない方が会社のためになる。」

いや、これ、冗談じゃなくて真剣な話。俺が社長として居座り続けることで、逆に会社の可能性を狭めてる気がするんだよ。だから、M&Aという選択肢が出てきた。


社員に新しい風を入れることの可能性

M&Aで新しい経営者や仲間が入れば、今の社員たちもいい刺激を受けるはずだ。仲間が増えれば、自然とモチベーションも上がるし、切磋琢磨するようになる。

例えば、「今まで俺たちだけで何とかしてたけど、新しい人が入ってきたし、負けてられないな!」みたいな雰囲気になるかもしれない。これは、例えるなら「部活にめちゃくちゃ優秀な新入生が入ってきた瞬間」や「強豪校の通名コーチが就任した」みたいなもんだ。みんなが急にやる気を出すやつ。

なかにはついていけなくなる人もいると思うが、このまま俺がマンネリで続けるよりかは良いと思っている。


だからM&Aが最適解だと思った。

こうした「社長サイド」と「社員サイド」の問題を考えると、やっぱり「M&A」が最適だと思う。

  • 若い才能に舵を託し、時代に合った経営を実現する。

  • 社内のルールをリフレッシュし、社員の成長を促す。

  • 零細企業の脆さを補い、持続可能な会社を作る。

これが、俺がM&Aを選んだ理由だ。結局、自分一人で頑張るだけでは限界がある。会社をもっと良くするためには、「自分が退く」という選択肢も必要だと気づいたんだ。

さて大手のM&A仲介会社は苦い思いでばかりだったらか、改めてM&A仲介会社を調べないとね。俺は10年来の友人社長にまずは相談することにした。

俺の旅は終わらない。

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M&Aで社長辞めた郎
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