[PR] 小説が12月5日に発売されるので、宣伝の為に外伝を書いたよ。
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急激に伸びる動画を発見する、ってのは毎日見ているモノの特権。だったりはしないのだろうか? 昨日の数を知り、今の状態との差違で『おおっ』て感じたり、見ている最中にカウントが『すっ』と上がるのを見ながら凄いって思ったり。
そんな些細なことに喜びを見いだすようになって、どれくらい経つだろう。
まぁ、どれくらい。なんて言ってもたかだか二年がやっと。お母さんから自由に見て良いって言われるようになってから、まだ二年しか経ってないんだから、そりゃそうなる。
ランドセルを背負っていた頃には、一日一時間までしか見せて貰えなかった動画も、中学校に上がるようになり、成績が安定したころからいつしか『成績が下がらない限り』自由に見て良いということになった。大半はお父さんの取りなしだったけれど。
これで、好きな動画を山ほど見られる。
そうは、思ったんだけど、いつしか好きな動画は『前に見たことのある、好きだった動画』になり、そして、その動画はいつのまにか『前は好きだったんだけど、もう見なくなった動画』となっていく。
そんな動画だらけになったのは、自由に見られるようになってから三ヶ月持たなかった。二ヶ月行くか行かないか。その間奇跡的に成績は落ちずに。まぁ、落ちずにとはいえ、中間の中間の中間。完全に平均点を並行移動、というやつで。
そうなってくると、新しい『好きな動画』を探すのが難しくなってくる。
毎日、何万何十万何百万と世界中から動画が上がってくる。その中でも好きになれそうな動画を一つ。二つ。三つ。あるか、無いか。
その動画をゆっくりと、最初から通してみて戻ってからまた見て。途中のサムネイルから見て、音を頼りにと舐めるように見る。家で観て、通学中の電車の中で観て、学校の休み時間に一人で観て、みんなで観て。帰り時間にサムネイルをざっと流してリストを見て。
そうこうしていると、その新しい『好きな動画』もいつしか『もう見なくなった動画』になる。
動画、と一言で言っても、多種多様。動画を創った人がそのまま出て解説だけしているようなものや、うんちく政治系は全然面白いって思えない。言葉よりは音楽。ダンスも良い物に当たればじっくり見ちゃうけども、何かちょっと引っかかりが出るとすぐ見なくなる。なので、ダンスよりは音楽。下手な歌がついているオリジナルよりは、上手い方が好き。聞いててびっくりしない方が嬉しい。途中まで上手いかな?って思っていても裏声でびっくりしちゃうと聞いてられなくなる。ごめんなさい、だ。
なので、歌。それも上手いのが好き。歌詞にも気をつける。歌ってるのはよく楽器とか言われるのを知っている。声は楽器とかいう人の言葉もよく見たし、よく聞いた。そうともおもうけどそうじゃないとも思う。上手い人の声で『判る言葉』の歌が好きなので、楽器というよりその人が歌っている。というのが大事なんだと思った。
その人、って何だろう?歌い手さん、歌手の人、シンガー。いろんな呼び方はあるけど、私に取ってはその人。という存在だと思う。好きな動画に出てくるその人。そして、その人の動画は一度気に入るとずっと追いかける。追いかけたいので、チャンネルとか持ってくれていると嬉しく思う。
そして、最近ずっと追いかけている人が居る。
『ANN』
最近、すでにある曲に自分の歌詞をつけて、歌っている女の人だった。少し大人びているけれど、多分私よりも、ちょっとしか上じゃなさそう。動きが綺麗だし声がかっこいい。王子様って最初に聞いた時は思ったけど、よく聞くとかっこいい女性だった。まず、そこがステキなところだ。そして、歌詞。前のコトは知らないし、チャンネルも持っていなくて検索しないと出てこないのが辛い。でも、今までの2曲はどれも好き。出てからしばらく経っているみたいだけど、まだずっと私の『好きな動画』の一つに居座っている。2曲共に。
いつしか、彼女の動画の再生数をカウントしていることに気がついた。
気に入った動画のカウントが急激に上がるのを見るのも、それがこんなにも嬉しいというのも、誇らしいというのも彼女の動画から知った。
決めた。
高校に行ったら、彼女のライブに行こう。
決めたんだ。
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はい。これは、2019年12月5日(木)に発売(本屋さんでも、Kindleでも)される。自作の宣伝です。
LINEノベルでも8月の開始時点から、載っていましてようやく本になりました。
動画サイトで、この子が気になって好きになった
『ANN』
のお話です。
ダイレクトマーケティングでした。
どうぞ。よろしく。