辞書切り抜き精読(ought to, used to)
ought [ ɔːt ]
(!語中の - gh - は発音しない;文の中で強勢を受けることが多い)
〚「owe(負う)の過去形」 >「(助動詞として)・・・すべきである」〛
◎コーパスの窓 oughtの用法
(1)発音と形
助動詞であるが通例
ought to
の形で用いられ、
主に子音の前で/ɔːtə/,
母音の前で /ɔːtu/
と発音される
(主に米)では発音をまねて
oughta,
(まれ)
oughta
とつづられることがある。
(2)文の種類
(a)否定形(かたく)
ought not to do,
(くだけて)
oughtn't to do
(米・くだけて)
oughtn't do
(英・非標準)
didn't ought to do
shouldn't ought to do
などがあるが、
実際にこれらの否定形が用いられるのはまれ。
代わりに
I don't think ought to go.
や
You shouldn't go.
などの表現が好まれるが、この傾向は特に(米)で著しい
(b)疑問形
(主に英)で主語とought の語順を転倒させた
Ought I to go?
が用いられることがあるが、(かたく)響き
実際にこれらの疑問形が用いられるのは(まれ)
英米ともに代わりに
Do you think I ought to go?
や
Should I go?
などのように表現されることが多い
(c)否定疑問形
Oughtn't you to go?
かたく
Ought you not to go?
となるが
Shouldn't you go?
の方が普通
(d)付加疑問
I ought to go, oughtn't I?
より
I ought to go, shouldn't I?
が好まれる
助動詞
【忠告・義務】
1.〚ought to do 〛(道徳的判断・社会的習慣・期待として)
・・・すべきである ・・・しなくてはならない;
(忠告・勧め・提案として)・・・した方がいい
(!単に意見を述べるだけで had better のように従わない場合の重大な結果は暗示しない; ↓類義)
You really ought to be more careful about computer viruses.
あなたは本当にもっとコンピュータウィルスには注意すべきだ。
(!副詞をはさむ
…ought really to …
のような語順は(かたく)響き(まれ)
)
What we ought to do now is (to) try to learn from this loss.
私たちが今しなくてはならないのは今回の敗北から学ぶことだ。
Your term paper is not as good as it ought to be.
君のレポートはあるべき水準に達していない。
(↓語法(2))
My wife said that I ought to stop smoking.
妻は私が禁煙した方がいいと言った。
(!過去の従属節中ではought のままでよい)
◎語法 コーパス 語調と動詞の省略
(1)語調
(話)では語調を和らげるために
I think
I believe
I suppose
(主に米・くだけて)
I guess
maybe
perhaps
probably
などがしばしば添えられる
I think you ought to stop smoking.
禁煙した方がいいですよ。
(2)動詞の省略
文脈から明らかな場合
ought (to)
に続く動詞が省略されることがある。
このような省略は
be 動詞よりも
一般動詞の続く場合の方が好まれる
I have not worked as hard as I ought to.
私たちはするべき努力をしていない
I have not worked as hard as I ought.(かたく)
◎類義 should と ought to
ought to は
should と
ほぼ同様に用いられるが、
should が
話者の主観による道徳的判断や権威など
内的要因による判断に用いられるのに対し、
ought to は
社会的習慣・規則など外的要因による判断を表し
should
より若干強意的。
続いて
had better
be to do
need to
have got to
must
の順で強制力は強くなる。
2.〚ought to have done〛・・・すべきだった(のにしなかった)
You ought to have been here thirty minutes ago, but you weren't
君は30分前にここにきているべきだった。だが来ていなかった。
【推量・可能性】
3.〚ought to do〛・・・のはずである
おそらく・・・だろう
まず・・・だろう
(!
(1)コーパス
do は
状態動詞特に beが多い
(2)will や must ほどではないが
話者の可能性に対する確信度はかなり高い;
→may 助動詞 冒頭の 語法(1)
)
You ought to be able to do it.
あなたはそれができるはずだ。
The magic show ought to be fun.
そのマジックショーはきっと面白いだろう。
Alex ought to know your e-mail address
アレックスは君のメールアドレスを知っているはずだ。
4.〚ought to have done〛
a〚過去の推量〛(当時は)・・・した「であった」はずだ
Her parents' divorce ought to have been hard for Rose.
両親の離婚はローズにとってつらかったはずだ。
He ought to have done that yesterday.
(彼はそれを昨日すべきだった。)
彼はそれを昨日やったはずだ。
(!または「彼はそれを昨日やるべきだった。」の意にもとれる 2)
b〚過去の未実現〛(当時は)
・・・するはずだった ・・・であるはずだった(のに)・・・しなかった
"We ought to have passed a bridge by now."
"Then we must have taken a wrong turn."
「今頃はもう橋を渡っているはずなのに」
「そうしたらどこか違う道を曲がってしまったに違いない」
c〚完了の予想〛(・・・までには)・・・してしまったいるはずだ
Lisa ought to have been fast asleep by now.
リサは今ごろはぐっすり眠っていることだろう。
oughta [ ɔːtə ] (主に米・非標準)= ought to (!発音つづり)
oughtn't [ ˈɔːtnt ] (くだけて)ought not の短縮形 (ought コーパスの窓 (2)(a))
used to
/子音の前ではjuːst-tə
語末もしくは母音の前では juːst-tu/
〚use 自動詞の過去分詞より〛
助動詞 〚used to do〛
(!時の対比に用いられる; →now 読解のポイント)
挿 now ◎読解のポイント 時の対比
論説文では、
複数の時点や期間の対比が
しばしば使われる。
一般的な対比と同様、
後半要素に力点がある場合と
対照的な要素を単に列挙する場合がある。
注意すべき時の表現としては
today [ təˈdeɪ ] 今日では 現代では 最近では
recently [ ˈriːsᵊntli ] 最近 この間 先ごろ さっき
former [ ˈfɔːmə ] 前の 先の 元の かつての 昔の
formerly [ ˈfɔːməli ] かつては 以前は 昔は もとは
nowadays [ ˈnaʊədeɪz ] このごろでは 近頃では 最近では
in the past [ ɪn ðə pɑːst ] 過去に
in the future [ ɪn ðə ˈfjuːʧə ] 今後は 将来は
等がある
(!対比と詳細は →on the other Hand)
また、時の表現を用いず
動詞の時制の相違だけで対比を表す場合もある
Today the word "doctor" means "a person who is trained in medicine",
but originally it meant "a person of great learning".
今日「doctor」という言葉は「医学の訓練を受けた人」を意味するが、
元々は「学識ある人」の意味であった。
(!過去と現在を対比)
Today one out of four Americans die from cancer.
In the future, cancer may become the leading cause of death in industrialized nations.
今日ではアメリカ人の4人に1人が癌によって死亡する。
近い将来、癌は先進国における死因のトップになるかも知れない。
(!現在と近い将来を対比)
We used to buy things at local stores where we know the owners;
today we mostly trade with strangers at vast commercial centers.
私たちはかつては店主の顔が分かる地元の商店で物を買ったものだ。
一方今日では、大きなショッピングセンターで見ず知らずの人から買うことが多い
Long-distance garbage transporting has been common, but some cities are refusing to accept garbage from other places.
廃棄物の長距離輸送はこれまで一般的であったが、一部の都市は他の場所からの廃棄物の受け入れを拒否している。
(!現在完了形と現在進行形によって、「これまで」と「現在」を対比している)
助動詞 〚used to do 〛
1.(今と違って)以前はよく・・・した かつては・・・するのが常であった(!do は動作動詞)
He often used to have tea with us.
彼は以前はよく私たちと一緒にお茶を飲んだ。
Did you use to come here when you were young?
幼いころよくここに来ましたか
Did you used to come here when you were young?
(↓語法(1))
2.(今と違って)以前は・・・だった(!do はbeや状態動詞)
In the northern part of the city there used to be painting school.
昔市の北部に美術学校があった。
◎ 語法 used to の疑問文・否定文、would、共起できない副詞句など
(1)疑問文と否定文
used to の
疑問文は Did … used to do?
否定文は didn't used to do
が普通。
used を助動詞とみなして
Used … to do?
と文頭に持って来たり
used not to do
と後ろにnotを置くのは
(英・かたく)で一般的ではない。
(くだけて)では-dを省いて
Did … use to doとしたり
didn't use to do とすることもある
短縮形 usen't to
usedn't to
は(かたく・やや古)
(2)used to と would
wouldには通例過去の状態を表す
2.の用法はないが
特定の過去時が明示されるときは可能(→would 3)
My father used to have a Roll-Royce.
私の父はかつてロールスロイスを持っていた。
My father would have a Rolls-Royce.
When I was child, I would have a bedtime.
子供の頃は就寝時間というものがあった。
(3)共起できない副詞句
used toは
過去の漠然とした期間の習慣を表すので
My father used to play golf 10 times last year.
My father used to play golf 10 times for 10 years.
のように
特定の期間・回数を表す副詞句とは共に用いない。
(4)語順
always など通例文中に来る
頻度副詞は
used toの前に置くのが普通。
used toの後に置くのは(まれ)
I always used to take my kids to the zoo.
以前は子供たちをしょっちゅう動物園に連れて行った。
(5)省略
文脈から明らかな場合は動詞が省略されることがある。
"Do you smoke?"
"I used to."
「たばこは吸われますか?」
「以前は吸っていました」
(!would3にこの用法はない)
to
used to