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LeicaユーザーがGRⅢxを購入した理由と使ってみた感想

前から気になっていたGRⅢxをついに購入してしまいました。初めてミラーレスを購入して2年でSONY α7RⅡ→Leica M10-P→GRⅢxと怒涛のペースです。これでもまだカメラ沼には嵌っていないと言い張っていますが、最近は友人にこれを言うと失笑されます。

知人やSNSでフォローしている写真家をみると、LeicaユーザーがGRを併用しているケースは少なくなさそうなので、なぜLeicaユーザーの私がGRを購入したのか?実際に使ってみて感じたメリットデメリットは?というのをまとめてみました。

一番のきっかけはライフスタイルの変化

GRはもともと機動力、と携帯性、そして描写力に魅力を感じていましたが、なぜ今かというと、3月に娘が生まれライフスタイルが変化したのが一番の理由です。
育休により自宅で過ごす時間が圧倒的に増えたこと。娘の面倒を見たり妻の荷物を持つ、ベビーカーを押す、など両手が空かないシーンが増えたこと。今しかない娘の様々な瞬間をシャッターに収めたいと思ったこと。これらを踏まえるとLeicaにはどうしても制約があります。

GRⅢxのマクロモードで。積極的に使ってます。

Leicaに感じていた制約

個人的にカメラに求めている要素は「いかに生活に溶け込みながら」「良い画が撮れるか」です。仰々しい機材はできるだけ避けたいし、スマホカメラのクオリティが上がっていると言えどやはり様々な点で満足できません。その点Leicaは自分の中で一つの正解に辿りついた感がありますが、一方で場面によっては制約もあります。

  • 軽装で出かけたい時にはわりと重い。コンパクトさはLeicaの魅力ですが、とはいえ日常的に持ち歩くのは個人的にはハードルが高い。

  • 両手での操作が必要。これは結構痛手で、ベビーカーを押す/妻の分の荷物を持つ/娘を抱っこする、などと同時にシャッターをきりたい場合、少なくとも今のレンズの組み合わせではほぼ不可能

  • レンジファインダーとメガネの相性が悪い。自宅ではメガネで過ごすことが多く、ファインダーと目の距離が空いてしまいガラス越しに見える世界がかなり狭くなるため特性を生かせない。

万能なカメラはないですし、あくまでカメラは手段なので場面に応じて最適なカメラがあるはず、ということでこれらの制約を解決するカメラを探し始めました。

GRⅢxというもう一つの正解

Leicaに似た思想があるからか、併用ユーザーが多いからか、GRという選択肢にはすぐに辿り着きました。今のライフスタイルに合っていて、スマホカメラでは満足できない私には良さそうだと購入を決意。焦点距離は前から興味があった40mmのGRⅢxにしました(3月初旬に注文して1ヶ月待ちでした・・・)。
数週間使ってみた結論としては、個人的なニーズに見事にハマっていてとても満足しています。具体的には下記のような点で期待通りのカメラでした。

  • 期待通りの携帯性、機動力
    ポケットに入るサイズ感、スマートフォンと変わらない軽量感。そして、これはGRが最強のスナップシューターと呼ばれる所以ですが、起動から撮影まで体感2秒ほどという撮影までのスピード感。

  • 撮影の幅が広がった
    子供を抱っこしながら表情を撮る、自宅の狭い空間でも近寄って撮影できる、ベビーカーを押しながら片手でスナップが撮れる、など自然と撮影の機会や幅も広がりました。

  • 描写力
    APS-Cであることはあまり感じない描写力。レンズの性能や解像感は様々な専門家が考察していますが、実際に撮影してみると適度なコントラストや暗部のねばりなどとても好きな描写でした。ただし被写体や環境によってこれは左右されるなという印象もあります(後述の通り)。

GRⅢxとLeicaを比較した感想

一方で、やはりLeicaをメイン機として使っていた中で感じた点は多々あります。優劣をつけるつもりは全くなく、それぞれに合う撮影場面があるというのが前提ですが、同じようにLeica ユーザーの方でGRを検討している方向けに気になった点もまとめてみました。

  • 高感度耐性(ノイズ量と質)
    これは一番気になった点です。赤ちゃんがいるのもあり夜は部屋を暗めにしているのですが、その中で撮影するにはF2.8だと限界がありISOをそれなりに上げて撮影します。ただし、個人的には大体ISO800~1000くらいからノイズが気になりはじめます。Leicaもノイズは発生しますが、1600や2000では全然気になりません。ノイズ自体が個性になっていたりと理由がありそうですが、GRの場合は結構気になりました(慣れの問題かもしれません)。

  • 色味(発色、色補正)
    これはAWBの問題なのかわかりませんが、やはりLeicaと比べた時に発色やコントラストは好みが分かれそうだなという感想です。特に人肌は環境によっては顔色が少し悪くなる印象です。もちろんRAWをいじれば一定は解決しますが、できるだけ現像の工数を下げたいので悩ましい。参考までに、記事中1枚目の写真も実は少し色味が好みとずれてます。

  • オートフォーカスの精度
    前評判で聞いていましたが、やはり気になりました。画角の1/3くらいを顔が占めるまで近寄っても、全然瞳にフォーカスが合わず、液晶をタッチしてフォーカスポイントを都度調整して撮影しています。逆にレンジファインダーの魅力を再確認する機会にもなりました。

まとめ

東京駅周辺スナップ。暗部の階調が綺麗。

記事の中でも書いた通り、大前提としてGRⅢxにはとても満足しています。カメラはあくまで撮影の手段ですので、環境や目的によって異なるLeicaとGRⅢxの違いということでまとめてみました。
この記事では分かりやすく制約や気になる点と表現しましたが、「そのカメラで撮れるものは撮る、それ以外は撮らない」と決めているので実際はネガティブには感じていません。メイン機はM10-P、クライミングや星空などの撮影ではα7RⅡ、それらの隙間を埋めるGRⅢxと、これでより場面に合わせてストレスなく撮影できるカメラが揃ってきたため、ますますこれからの撮影が楽しみです。

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