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秋の金峯山寺訪問記。
初回note記事「シェアハウスを作ろうと思ったきっかけ」でも書いたように、私はこれまであまり奈良中南部の名所へ足を運んでおりませんでした。
なのでシェアハウス開業をきっかけに奈良をもっと知りたいと思い、7月から定期的に訪れていないところへ行っております。
今回は、その中から私なりの感想を交えてご紹介させていただきます。シリーズ化を目指そうかとも思っています。(笑)
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皆さんにまずもってお伝えしたいのが、先週に行った「金峯山寺」です。
10月の半ばならば一目千本の桜の紅葉が観られると思い、
さらに世界遺産・国宝の「金峯山寺本堂・蔵王堂」の秘仏ご本尊金剛蔵王大権現3体の特別ご開帳が10月12日から12月1日まで行われると聞きつけ、1泊2日にはなりますが、思い立って吉野に向かうこととしました。
行きは、近鉄特急「青の交響曲(シンフォニー)」に乗車することができました。
さすが吉野・桜井は製材所も多く、地元の特産を生かした内装で、とてもゆったりしていて感激しました。
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橿原神宮前駅から乗ること約40分弱。
吉野駅は、1928年開業当時の社殿風の造りで、近畿の駅100選にも選ばれております。
地域の方々とともに大切にされているのを感じました。
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話が逸れてしまいましたが、今回は金峯山寺に絞ってのお話です。
金峯山とは吉野山から山上ヶ岳に至る一帯を呼び、古くは飛鳥時代から聖地とされていました。
634年元旦生まれの修験道を始めた役行者はここで修行され、人々を悟りの世界へ導くため、金剛蔵王権現を祈り出され、それを山桜の木に彫りだされ、おまつりしたのが始まりです。
ここから、金峯山寺は自然を敬い、神も仏も大切にする日本の心の原点としてその精神文化が息づいているといえます。
そして通常は秘仏として拝見できない金剛蔵王大権現の3体、
釈迦如来、千手観音、弥勒菩薩はそれぞれ、過去・現在・未来の三世にわたって、私たちを救済するご本尊であります。
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他の寺では穏やかなお顔で語りかけるような、または私たちを救ってくださるようなお姿の仏様なのですが、金峯山寺のそれは、役行者が穏やかなお姿では到底この悪い世の中を救済できないということで、さらに修行されて現れたのがこの憤怒のお姿なのだそうです。
そのような3体を初めて拝見できるということですが、今回は1泊しましたので、到着後まずは寺内や周辺を散策し、翌朝6時半には朝のお勤めに参加しました。
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吉野の早朝に鳴り響く太鼓の音、鐘の音。
心に響くというものよりも、さらにびんびんと五臓六腑に響き渡り、身心ともに浄化されるような心持ちとなりました。
その上に他のお寺にはないほら貝の音。これはお堂内のみならず外へも響く音色で、修験道の聖地ならではの光景でありました。
また秘仏の特別公開の時期ならではなのでしょう、お勤めの途中にパッと蔵王権現がライトアップされました!
そんな演出を知らなかったので、うわっと心の中で声をあげてしまうほど、その迫力に圧倒され、この世界への一喝されるご様子に、ただただひれ伏す気持ちがわいてきました。
参加は外国の方を含めて8人ほどでしたが、教本も拝見しつつ、文字をたどりながら唱和し、厳かに一体感を感じられました。
さらに、午前8時半からの特別拝観ではお勤めをした場所よりもさらに前に行くことができ、「発露の間」という障子で仕切られた、2人は入れるくらいのスペースがあって、眼の前で蔵王権現3体を拝見することができました。
今までの来し方について、じっくり心の中で悔い改め、これからのことを祈願することができ、自分を見つめなおす時間となりました。
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蔵王権現のお姿は、
強い風が吹く中、怒髪天をつくかの如く髪を逆立て、紅蓮の炎を背負い、おみ足もぐんと悪を踏みつけるべく振り上げ、足の親指まで反り上がっておりました。
その様子は、この世界の悪業を振り払うべくものでした。
そしてその青いお姿は、奈良、吉野の自然の色、青垣の色で、大慈悲を表していると伺い、すべてを包み込んでくださっているのだと思いました。
この発露の間でお参りできるのは、貴重な体験かと思います。
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そして後になりましたが、朝のお勤めの最後に僧侶の方から、
「仏が見えない時にも、自分の信じる神様にでも、森羅万象においても祈りの時は続くこと。また自分自身のことばかりでなく、世界平和、疫病退散、など今起こっている現実も見据えてお祈りしてください。」とのお言葉があり、私にとっては心に響くものとなりました。
今回、通常の朝夕のお勤め時にはない秘仏もその時に拝見でき、さらに特別拝観時にも、再度3体の蔵王権現を間近で見ることができて、私にとって自分を見つめなおす有意義な時間となりました。
ただ、混み合う時間帯や時期ですと、発露の間に行くために長い行列ができるようです。
今回は、12月1日までですので、よろしければ混雑が予想される日をずらして行ってみられては、いかがでしょうか。
ちなみに、桜の紅葉は暑さのせいか、まだでした。地元の方曰く、ひょっとして紅葉せずに落葉してしまうかも、とのことでした。(どうなりますでしょうか。)
最後までお読みくださり、ありがとうございました。