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ヘルズキッチン【デッキ紹介】
はじめに
拝啓、お元気ですか。近頃はめっぽう寒くなって帳が落ちるのもやけに早くなってきましたね。雨弓です。
私にとって冬と言えばこの曲です。
冬の夜は色々な音楽が映える独特の雰囲気があってとても好きです。たとえ聖なる夜に独りで出歩いている時でも、その淋しさを肯定も否定もせず歌ってくれる音楽があるだけでいくらか救われた気分になれます。
救われた気分になれます。
とは言えせっかくの聖夜ですから、せめて食事くらいは特別なものを選びたい。そんなあなたにお届けするのが今回のデッキ紹介記事になります。
やりたいこと
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惰弱で蒙昧な人間の番が跋扈する腐りきった間違いだらけの世界をリセットして創り変えたい
創星神sophiaを降臨させたい。
(食事がどうこうの話は一旦忘れてください。神の御前なので)
言わずもがな、《創星神sophia》は遊戯王の中でも数あるロマンカードの内の1枚。儀式・融合・シンクロ・エクシーズと幅広い種類のモンスターを要求する困難な召喚条件を持ち、それを満たして降臨したが最後、有無を言わせずお互いの手札・場・墓地をすべて除外してしまうという、「創星神」の名に相応しい強烈なカードです。言わずもがなとか言って全部説明しました。
とは言うものの現代遊戯王のカードパワーは凄まじく、この世には1ターン目にとんでもない展開力から創星神を降臨させるデッキがそれこそ星の数ほど存在しています。しかし一度の展開ですべてを済ませてしまうデッキだと、飽きっぽい私がはじめて知ったこの永遠を君に誓えなくなってしまうので、今回はこの方のお力を借りることにしました。
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失礼、画像を間違えました。気を取り直して、今回はこのカードの力を借りることにしました。
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その名も「Concours de Cuisine 〜菓冷なる料理対決〜」。カテゴリに含まれてはいないものの、フルコースをモチーフにしているテーマ「ヌーベルズ」のサポートカードです。お待たせしました、食事のお話です。
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もちろん創星神の降臨にも無関係ではありません。sophiaの召喚条件である4種類のモンスターは自分・相手両方のフィールドを参照するため、融合モンスターである《聖菓使クーベル》と儀式サポートである《ポワソニエル・ド・ヌーベルズ》をお互いの場に一瞬で出力できる“料理対決”はとても都合の良い1枚。
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融合と儀式、正規召喚に際して特にカードの消費量が多い2種のモンスターを1枚で即座に準備できるという点で、“料理対決”はまさに創星神の降臨にうってつけのカードと言っても過言。それは過言です。
なにせこのカード、発動後には「ヌーベルズ」及び「聖菓使」モンスターしか(儀式以外の)各種特殊召喚の素材にできないので、撃った後にはロクな展開が見込めません。料理対決で融合と儀式の準備を整えたところで、シンクロも無エ、エクシーズも無エ、と吉幾三さんは東京へ行ってしまいます。
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とは言え“料理対決”が創星神降臨に際して優秀なカードであることに変わりはないので、これと「ヌーベルズ」カテゴリは組み込みたい。
つまり現状の課題としては、
①ヌーベルズでは展開が難しいシンクロ・エクシーズモンスターを用意すること
②あくまでデュエルのやり取りの中で創星神の降臨を狙うこと
が挙げられます。これを元にデッキを考えていきましょう。
考えたものがこちらになります。
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デッキレシピ
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今回ヌーベルズと合わせるのはこちら、「海造賊」になります。
海造賊はカテゴリ内に儀式以外の各種召喚法を取り揃えており、相手が使用しているのと同じ属性のそれらを効果で展開していくのが主な動きとなっています。その内シンクロは昨今強化が熱い炎属性(と地属性)であり、エクシーズはリトルなんちゃらみたいな最強最悪カードを擁する闇属性なので、相手がその属性を使用せずに展開できないことの方が少ないでしょう。もちろん効果に頼らず正規召喚することも可能です。
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加えて、海造賊には手札・モンスターゾーンから墓地へ送られた場合に発動する効果を持つ下級モンスターが存在するため、ヌーベルズ儀式魔法のリリース要員としても優秀です。
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「ヌーベルズ」「海造賊」は共にフィールド魔法でサーチを行えるテーマですが《海造賊—拠点》は墓地からの再セットが可能なので、フィールドゾーンを取り合うデメリットもある程度軽減できます。余った「レシピ」カードを拠点のコストに充てられると美味しい。
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普通逆だけど
狙って揃えることはあまりなく、また揃えるメリットもそこまでありませんが、ちょっとおしゃれなギミックとして《ポワソニエル・ド・ヌーベルズ》と《海造賊—荘重のヨルズ号》でスケール1〜8を確保することも可能です。ここを活かしたデッキにするのも面白そう。
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肝心のsophiaのサーチは、手の空いた時に《悪王アフリマ》に任せることにしました。アフリマと一緒に《魔竜将ディアボリカ》などの悪魔族サポートも投入し、「ヌーベルズ」と「海造賊」間の連携を強化しつつ両テーマに足りないモンスター効果以外での除去を補完します。《悪魔の技》は発動条件として場に悪魔族が必要ですが、全員が悪魔族である海造賊はもちろん、《Recette de Personnel 〜賄いのレシピ〜》で生み出す「ヌーベルズトークン」も悪魔族なのでどちらのテーマで展開していても撃ちやすいのが優秀。
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ゲーム展開に余裕が出てきたら《エニグマスター・パックビット》や《No.60 刻不知のデュガレス》も利用しつつ、足りない種類のモンスターを用意して創星神降臨の準備を整えます。ヌーベルズと海造賊で押し切れるデュエルはそれでもいいですが、このデッキのライフカット速度は早くないので速攻で決まることは多くない……はずです。
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そして見事創星神sophiaが降臨なされた暁には、
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ちなみにデッキのモンスター部分がハイランダー仕様になっている理由は特に無いです。ヌーベルズ関連の魔法や《悪魔の技》の墓地送りなどでデッキのカードに触りやすい分、モンスターはどれも1枚あれば十分仕事ができます。サモプリは初動札というよりは中盤以降にレシピ儀式魔法が余ったタイミングで海造賊やアフリマに触れるよう1枚あると便利、くらいの感覚で入れました。レシピ上のこだわりも無く、回していて海造賊があと1~2枚欲しい場面もあったので、そのうち変わるやもしれません。
おわりに
今回は読む方の時間をかけないよう、比較的軽めにまとめたつもりです。もしかするとこれをお読みの方は聖夜に予定が入っている類の人間かもしれませんからね。
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さて、sophiaを目標にしたデッキと言いつつも、確実に出すルートを整えるのではなく、雰囲気で出せる時に出す形になったのですが。
ここに行き着くまで、鉄獣の抗戦にチェーンして料理対決を撃つことでビースト族の各種モンスターを場に残す、料理対決組を対象にラルバウールを撃ってsophiaをサーチする、など色々考えましたが、自分の飽き性と相談した結果、今回くらいゆるく「行けたら行く」くらいの方が手に馴染むという結論に達しました。
ただ正直な話、このデッキはsophiaを抜くことで完成するデッキでもあると思っています。ヌーベルズと海造賊、悪魔族がそれぞれ噛み合って動いているデッキの中でsophiaがノイズになっていることは否めません。
それでもsophiaを抜かなかったのは、ひとえにその方が面白いと思ったからです。料理のレシピにおいて度々「適量」と記される調味料のように、デッキレシピにおいて面白さは「適量」入れるもの。好みは人それぞれながら、過多過少は好まれず、けれども結局は自分が決めて自分の味を出すのです。その「適量」のものさしをはっきり持つためには、実際に回してみてデッキの味見をするのが重要ですね。このデッキもまだそこが足りていないので、来年はもう少し積極的にデュエルの機会を作っていきたい…
デッキ名についてですが、私の好きなマンガ『ヘルズキッチン』からそのまま拝借しました。料理で海賊なら「バラティエ」じゃねえのかとは自分でも思いましたが、メジャーな作品への逆張り精神もとい「適量」の面白さとオリジナリティを求める心が働いて無しになりました。
実際ヘルズキッチンと呼ばれる地区がニューヨーク州に実在しており(漫画との関連性は調べた限り不明)、かつてギャング活動が盛んだったとのことで名前の通り悪魔族のイメージとも合ってるし良いのではないかと。
ほぼ無料で読めますので気が向いたらどうぞ。ファンタジー成分が入ったグルメ漫画が好きな方にはおすすめです。私は土のソースで食べるフライドポテトの回が好きです。
というわけで、2023年もお付き合いいただきありがとうございました……と言えるほどnoteでは活動していませんね。今年書いた記事の本数、たったの2。ちょうど今年のMonikaのツイート数と同じです。字数では圧倒的に勝ってるのでよしとします。
2024年も変わらずマイペースで記事を投稿するつもりなので、よろしければまたお会いしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
質問やアドバイスがございましたら、コメントやTwitter(@sh_rainbow4810)の固定ツイートにある質問箱などへお気軽にお声掛けください。
最終更新:2023/12/24