界隈違いのオタクが「ナポリの男たち」に飛び込んだ話
「ナポリの男たち」というチームの名前をご存じだろうか。
元々二次元&Jグループのオタク。普段は主にアイドルや商業漫画、二次創作を中心にオタ活を続けてきた、実況界隈の「じ」の字も無い、そんなしがない大学生が突然出会い、ゴロゴロと沼落ちしたのは、そんな思いっきり界隈違いの4人組実況者グループでした。
実況界隈に足を突っ込んでいたのは、中学生の頃にハマったMSSPだけ。実に7年ぶりの実況界隈に、ひょっこりと帰ってまいりました。
二十歳も超えたいい大人が出会ったこの出会い。
ちょっと記事残しておきたいなと思ったので筆を取った、いわゆる沼落ちブログです。お時間ある方、よければどうぞ。
☆ナポリの男たちとは?
ゲーム実況プレイヤーのジャック・オ・蘭たん、すぎる、hacchi、shu3が結成したコラボ実況グループである。
かねてよりジャック・オ・蘭たんがすぎるとのコラボ実況を希望し、すぎるが仲の良いhacchiと、前から絡みたい相手であったshu3を勧誘して結成したグループ。メンバー各々の活動とは別に、グループ実況動画を投稿し、週に一度のチャンネル放送を行う。
グループの方針としては、「介護疲れに効く動画」を作っていきたいとニコ生にて語っている。(ニコニコ百科事典より引用)
ゲーム実況だけでなく、チャンネルユーザー向けの週1の配信や作詞・作曲・歌唱(?)、展示会(??)、怪人活動(????)など、幅広く活動していらっしゃるグループです。
☆ナポリと私の来たる、2020年8月。
自粛期間の夏休み。就活も終わり、旅行も行けず、追ってた作品の更新は滞る。オタ活をするにもコンディションが整わず、時間を持て余しそうになった時にたまたま妹が見ていたジャック・オ・蘭たんの「ぼくのなつやすみ2」実況を視聴し始めたことがことのはじまりだったりします。
まさかたまたま見始めた実況者が泣く子も黙る実況界のド古参だとは思ってもおらず、ご飯を食べながら流し見するなどという適当なあしらいをしてました。ごめん蘭たん
まず、今さらだよ!という意見なのですが蘭たん、実況者としてのゲームへの溶け込み具合が天才。ゲームを邪魔せず、それでいてただの操作役には成り下がらないその絶妙なプレイに、まんまとハマってしまいました。
蘭たんおもろー!となり、Youtubeの関連動画を無限ループ。
「蘭たん超動画出してんじゃーん!・・・グループ?」
そんなこんなで蘭たんの個人動画をYoutubeで見まわしている間に見つけたのは、ひとつのある動画でした。
あつ森じゃーーん!!!!!!
6月頭にやっとSwitchが当たり、狂ったようにやり込んでいたゲーム、「あつまれどうぶつの森」。大好きなゲームを蘭たんがやっている!ということで、期待しつつ視聴開始。
を郵送して4人で回すアナログなプレイ方法にジワジワきつつ、他メンバーの声をいろいろと聞いてみることに。
そこで、様々なことに気付く。
説明丁寧わかりやす・・・
メンバーカラーがある?!アイドルでもないのに?!
え、4人のバランス、良。
誰も傷つけ合わない。メチャクチャ高いレベルの「ゲーム」してる。
そしてそれを本人たちが気負ってない。
えっ?この人たち、ビジネス的な意味合いで繋がった…?
待ってこの人たち、全員ビッグタイトルすぎん?
実況不慣れオタク、いろんなことに大慌て。
まずはメンバー4人を覚えなきゃな...声の違いわかるかな...と思いながら動画を見ていると、妙にうるさい、ひとりの男の存在に気付く。
西の天才実況者、すぎる。
ナポリのナの字も知らなかった二か月前。蘭たんの次に認知したのが、このウルセエ男でありました。
誰もが思う事だと思うのですがまず初見の印象でメッチャクチャにうるさかった。これも周知の事実だけれども、どの距離で録音したらそんなに音割れするん?と思うほど、マジでウルセーのである。
きっくん(MSSPで一番好きなメンバー)よりうるせー実況者居るん!?と思いつつも、あまりにも音割れがデカすぎて正直第一印象はそんなに良くなく、そもそもこの声デカい人いて実況見続けられんのか?という「グループの中でずば抜けてうるせー人」認定。
この後紆余曲折を経て彼が最推しになるとは、この時はまだ気づいていない。
☆
「ナポリの男たち」を認知して数日。Youtubeに上がっている動画や生放送のまとめ動画を拝見し、「ナポリの男たち」のメンバーがどんな人たちなのかが分かってきた。下に初見と現在の印象の変化をまとめてみました。
蘭たん:絶妙なゲームへの溶け込み具合、プロそう
→実況者としての圧倒的なオーラとセンス 実況界のドン
hacci:キャラデザが大好き 苦労人
→一番狂いやすい人、暗い、振れ幅でかい。常識人の皮被ってる爆弾
すぎる:うるっさ!!!
→ナポリの繋ぎ役。この人の人間性が良すぎる 人への人情と優しさが最 高に好き
shu3 :静かそう、真面目そう、声低い?
→ネコチャン 笑い声が癒し コントローラーを離さない男、花畑
こう見ると、やっぱりすぎるさんの第一印象からの変わりっぷりはすごいな、と。
実況界隈にそんなに詳しくないからめちゃ主観的意見になりますが、「ナポリの男たち」の大好きな部分を、代表して二つ書いておこうと思います。
☆ナポリの好きなところ
ひとつは、
「誰かを貶すことで笑いを取らないところ」。
それは、動画を作る上でも生きていく上でも死ぬほど大事でめちゃくちゃ難しいこと。そんなことを、あまりにも優しく4人でやってのけてくれるのです。
もう一つは
「どの動画から見ても初見の視聴者を置いてけぼりにしていかないところ」。
いい意味で発言に視聴者を感じさせないから我々が一番見たい”4人のゲーム”を一番いい形で見せてくれる。
だけど、どの動画から見てもどんなゲームを、どんな形でプレイするかをちゃんと伝えてくれる。
視聴者の誰もが穏やかな気持ちで動画を見続けられるチャンネル。そういう作り方は、さすが古参プロジェクトとしかいえません。
ナポリの男たちの、いろんな立場の気持ちを汲み取って作られた、穏やかな優しさ。そこが、私がナポリを見続ける理由のひとつでもあります。
「ジャック・オ・蘭たんの12年間を全然知らんがええのか...」「ナポリ結成までのヒストリーちゃんと追えるのか....」と、未知の界隈に足を突っ込むことに若干ビビりつつも、なんだかどうしようもないところまで突っ込んでしまっている、そんな次第です。
☆
そして、今もなぜここに転げ落ちたのか分からない、すぎるさん。
動画を見ていくうちに正直、この人のことマジで推せると
☆すぎるさんの人となり
そして、今もなぜここに転げ落ちたのか分からない、すぎるさん。
個人実況なども見て思うのですが、すぎるさんはまず誰かを傷つけるような一言を絶対に発さない。
それは意図しているわけでなくきっと自然に行われるもので、その部分をシンプルに尊敬したい。
イジられ役は、誰もがやれる立ち回りではない。そんなポジションをいとも簡単にやってのけるのはさすが西の天才実況者と言わざるを得ません。
「ドキドキ文芸部!」などを見ていて思うのですがすぎるさんのリアルな「男ってこうなんや」という像が本当に「マジ」すぎて、そういう日常の深淵をやさしくのぞかせてくれるところがマジで良いです。
あと個人実況におけるすぎるさんの余所行き具合というか、実際に現実世界で息をしている一人の一般男性なんだと気づかされるところも含めて、あ、マジの三次元の男性を推してんだな、と感じさせられます。
すぎるさんの根底にある、アホ実況の裏の理性と品性。実況というものは、特に言葉に感情が乗るのでその人の人となりというのはすぐに見えてきます。ナポリの4人は特に暴力的な発言がほぼ無くて、まずその空気感が好きなのですがすぎるさんは本当にその立役者なのだなと。
すぎるさんの汚れて傷ついて、それでもなおキラキラした透明な部分が胸の奥で光っているような。そういう風に、声と実況だけで感じ取れてしまうその優しさが本当に好きです。
すぎるさんの話す言葉の端々から感じられる、奥底の優しさというか、品性。この人は本当にいろんな経験も飲み込んで、「表に出すべき言葉」を選んで話せる、そういう人なんだなと感じたのです。マジでそのへんが大好きです。
音割れがないと落ち着かない。婚期逃したらすぎるさんのせいにしよ~っと!!メンカラ黄色を推すの初めてだな~~!!(ジャニオタ脳)
☆
☆ありがとう、ナポリの男たち
「顔を出さない実況者」としてあまりにも完璧すぎるこちらへの絶妙な情報量・グループメンバーの良すぎるバランス・才能の渋滞。
ゼロから築き上げていく関係おっさんたちのヒューマンドラマ。
なんでもない日常に寄り添ってくれるオッサンたちのゆるい日常の供給に、ただただのめり込んでいく。
ああ、毎日の日々の中で、同じ世界でただ生きてくれていることに、こんなにも救われるのか。
思えば、オタクといえば古参マウントだのグッズ量だの売上だの、その人たちを「好き」以上に大変なことが降りかかる世界だった。
人間、オタク以外にも学生生活やバイト、オタク以外との人間関係など日常の中で乗り越え蹴ればならない障害がいくらでもある。
「ナポリの男たち」のある生活は、そんな息の詰まりそうな毎日に、癒しと希望を与えてくれる、あまりにも穏やかな対象でした。
久々の界隈過ぎて、ニコニコ動画のコメント欄からYoutubeのコメント欄に時代が変わり、みんなのコメントの雰囲気も変わっていて時代やな...と本気で思った。37歳独身男性のゲーム実況に日常を救われるなんて誰が思った?
物心ついたときからオタクとして生き始めて、10年。もう新規開拓をしている場合でもないなとオタクとしての寿命が見えてきた頃の、人生の疲れに効くナポリの男たち。
人生の救いって、こちら側にアプローチしてくれることじゃない。ただそこで生きていてくれることだけなのだ、と改めて強く感じました。だって三十路のオッサンたちが仲良くご飯作ってゲームしてっていう””生活””を見せてくれる配信、フツーに「劇薬」よな?
最初は仲がいいわけではなかった三十路のオッサンたちが、いつのまにか「ナポリの男たち」という概念にしがみついていくその歩みの中で、彼らはどれだけの想いを重ねていたのだろう。
アイドルとも、アニメキャラとも違う。
この人たちはこの世界で生きているれっきとした人間。
ただ、その深淵を覗かせてくれる。
ナポリの男たちはそういう、
人生のグレーな部分にそっと、灯りをともしてくれる存在だったのです。
ただそれだけ、だけどそれだけで、良い。
この男たちと共に人生を歩むには少し出会うのが遅れたけど、いま、このタイミングで出会えて良かったと思った。
彼らが彼らとして、ナポリとして居てくれることを心から喜んでくれる。
それに勝る喜びは無いのだと、心底理解しているからだと思います。
なんでもない日常を色づけてくれること。
明日も生きよう、と明日を勇気づけてくれること。
ただそこで、現在進行形で笑っていてくれること。
簡単にみえて一番むずかしいそんなことを、やってのけてくれる。
そういう、どうしようもなく疲れてしまった時にもただそこに生きていてくれる、光なのと思った。
しかしやっぱりオタクとは寿命のある生き物で、やっぱりアーカイブを一気に追うことは少しだけ難しい。だけどこの男たちの「日常」を、知りたい。なのでゆっくりですが、アーカイブも追っていこうかなと思います。
オタクとしての寿命が見えてきた頃の人生疲れに効くナポリの男たちに出会えた、2020年。それだけでいい一年だったなぁ、と本気で思えるほどです。
ジャニーズ、二次創作、二次元アイドル、色んな作品に肩まで浸かってきた。自分の人生も忙しく、目のまわりそうな、だけどどこか居場所を探しているような。そんな藻掻く”なんでもない”日常の日々に差し込んでくれた、光。
これだけつらつらと書きましたが、まずは何よりも、自分が「なんでもない日常をナポリの男たちと共に生きていく人生」に、想像以上にあこがれてしまっている、という、そんなことが言いたかったのです。
そんな感じで、「ナポリの男たち」に出会って1か月。
疲れた時にあぁ~、ナポリ見よ、と思うのは、オタクには優しすぎる、日常の支えです。他にも好きなもの普通に沢山あるけどナポリのアカウントを作ったのは、”ナポリと一緒に生きながら自分の人生も頑張る”のが想像以上に幸せだったからだったりします。
きっとオタクとしての足取りは明日にでも止められる。だけどその前にあともう少しだけ、自分で自分のケツを叩こうと思います。ありがとう、ナポリ!