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答えのない問題

自分が死んだら、どうなるのか考えたことはあるだろうか。
大概の人は物心付けばそういうことを考える時もあるだろう、多分。
そして、またその大概の人はすぐに別のことを考え始めるだろう。

答えが出ない。
そう、いくら考えても答えなど出ないのだ。
正解など、ない。
自分の死の先にあるものなど、見えない。
自分を自分だと認識する脳、音を聞き取るための耳、ものを見るための目、匂いを感じとるための鼻、そして、物事を伝えたり栄養を得るための口。
人を人とするための身体。
これらは1つしかない。
その1つが無くなってしまうのだから、死の先にあるものなど誰もわからない。

でも、思う。
死の先に、もし、自分の人生の中で、自分が知覚していなかったあらゆる事柄を正確に知れたりしたら。
くだらなくてもいい。
「死ぬまでに食べた食パンの枚数」とか、「死ぬまでに移動した距離」とか。
そんな、想像をしてみる夜は、静かで。
ただ、繰り返すが、正解などない。
答えが誰にも分からない問題に執着する必要はあるか。
そんな事を意味無く考えて、時間は刻々と経っていく。

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