“クトゥルフ神話TRPG”って何?!(オススメ関連書籍編)
こんにちえ。ほぼ元探索者の星野チエです。
これまで“クトゥルフ神話TRPG”を知らない人に向けて、「こんな遊びだよ!」というのをできる限り簡単に解説してきた本マガジン、キーパーの解説までしてしまったのでいよいよ「こんな遊びだよ!」という部分から、さらに先へと踏み込んだ話題、個人的な考察などの記事も書いていこうとおもいます・・・!!!
さて、そんな踏み込みの一歩目となる今回の記事では“クトゥルフ神話TRPG”をより楽しめてしまうオススメの本を紹介していきます!!!
“クトゥルフ神話TRPG”はルールブックがあれば十分に遊べますが、サプリメントという追加ルールを提案する本を参考にすることでさらに楽しみが広がりますし、なによりこうした本は単純に読み物としてとても面白いので、“クトゥルフ神話TRPG”興味があるという人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
1. 『クトゥルフ2010 』
ルールブックでのデータは基本的に20世記のアメリカを舞台にしたもので、現代日本を舞台にしたシナリオで遊ぶ場合であっても問題なく適用することができますが、さらにクトゥルフ神話の世界を現代の日本へと落とし込みたい・・・!とおもってる人にオススメなのがこの1冊です。
現代日本における職業や技能の定義、新しい技能、武器のデータ、妖怪のデータ、警察をはじめとした組織に関する解説、そして現代日本を舞台にした3本のシナリオなどが収録されています。
まず、職業の定義がありがたいコンテンツです。やはり探索者あっての“クトゥルフ神話TRPG”ですし、職業は探索者のキャラクター付けをするうえで大きな要素になる部分なので、現代日本におけるこのあたりの扱いを解説してくれるのは嬉しいですね。
また、新しい技能には私が探索者時代にぶいぶい言わせてた要因のひとつでもある<武道>の追加とその解説があります。銃刀法が厳しい現代日本においてもっとも有力な武器は自分の肉体であり、その肉体をより効果的に扱うための術である<武道>こそが最強にして最高の技能と言えるでしょう(個人的な感想)。
そして追加ルールではありませんが、このサプリメントに収録されている「もっと食べたい」、「腕に刻まれた死」、「奇妙な共闘」という3本のシナリオはどれも完成度が高く、人気のあるシナリオです。これを目当てに読んでみるのもおおいにアリとすら言えます。
2.『クトゥルフ2015』
前章の『クトゥルフ2010』からさらに現代へと適応させたのが、この『クトゥルフ2015』です。新しい職業や新しい技能、探索者に特徴を与える提案、狂信者や半人半妖などの奇妙な探索者の解説、ダイスを振るだけでシナリオの骨組みができるシナリオグラム、日本古来のアーティファクトのデータ、探索者をサポートする団体の解説、そして現代日本を舞台とした4本シナリオと、なかなかにボリューミーです。
1番の特徴はなんといっても新しい職業の多さです。消防士やアイドルなどの馴染み深くもいままで存在してなかったものから、動画配信者など最近になって認知されはじめてきたものまで、数多く職業が追加されて探索者の創造の幅が広がります。
「2010よりも新しいしデータも多いから2015あれば2010いらないのでは?」とおもわれてしまいそうですし、たしかに2010がないから2015のデータが機能しないということはまったくありませんが、<武道>に関する解説など2010にあって2015にないデータもたくさんあったり、2010に収録されているシナリオが非常に魅力的だったりということもあって、2010の価値は依然として高いので、両方購入してしまえばよりよい現代日本クトゥルフ神話を楽しめるでしょう。
3.『キーパーコンパニオン』
魔導書やアーティファクト、人間や文明をもった神話生物が生み出した道具、新しい呪文や神話生物のさまざまなデータ、神話生物の生態に関する解説など、とにかく「シナリオを作ってみたい!」という人にヒントや創作意欲を与えてくれるのがこの『キーパーコンパニオン』です。
付録でついてくる「キーパースクリーン」という厚紙の小さな衝立には、「狂気表をいますぐ参照したい!」などセッション中によく使うルールが簡単にまとめられており、「ルールを調べたいけどあの分厚いルールブックをいちいちパラパラ開くのは面倒・・・」というキーパーのわがままな悩みをスピード解決してくれます。本編に収録されているデータよりも、この便利な厚紙を目当てに『キーパーコンパニオン』を購入する・・・というのもよくある話らしいです。
4.『クトゥルフカルト・ナウ』
探索者たちの悩みの種は神話生物だけではなく、それらを崇拝したり、ときには利用したりする人間もまたその一因となる場合も少なくありません。クトゥルフ神話の世界では数多くのカルトが社会に紛れ込み、悲願を果たすべくおぞましい活動をおこなっているのです。そんな冒涜的なカルトに関する解説や、カルトが関わるシナリオが4本収録されているのがこの『クトゥルフカルト・ナウ』です。
これもシナリオを作るうえで非常に有用で、単純な各カルトに関する解説はもちろん、探索者と対面したときのカルト側の対応の例なども非常に興味深いです。
もちろん、私にとって複雑な感じのあのカルトに関する解説もあったりします・・・。
5. 『マレウス・モンストロルム』
ルールブックにも数多くの神話生物のデータが記載されていますが、クトゥルフ神話の世界にはさらに多くの神話生物が存在しており、それらのデータをことごとく収録した、いわば神話生物辞典がこの『マレウス・モンストロルム』です。
シナリオを作る際に、やはり神話生物が事件の中心となりやすいのですが、ルールブックに載っているメジャーな神話生物を使うのはなんだか悔しい、ひとひねり欲しい・・・という場合にこの本が絶対に役立つと言い切れます。
また、図鑑や百科事典などが好きな人ならば、シナリオを作らなくてもそれらを読むようなテンションで楽しめてしまいそうですね。
6.『るるいえびぎなーず』
最後は、サプリメントやデータ集ではありませんが、この初心者指南をしてくれる『るるいえびぎなーず』をオススメしておこうとおもいます。
内容としては本マガジンのような遊び方の解説、それから1本のシナリオを収録し、そしてのそのシナリオを実際に用いたセッションのリプレイ文なのですが、どれひとつとってもわかりやすく素晴らしいです。
まず解説の部分については、元も子もない話ではありますが「私の記事を読むよりもこの本を読む読んでくれ〜〜〜!!!」と言いたくなってしまうくらい親切かつ丁寧な内容で、収録されているシナリオも簡素ながら味わい深い、初心者が遊ぶのに適したシナリオと、とにかくTHEビギナー向けな内容となっております。
単純な遊び方だけではなく、遊ぶうえでの心構えについても、とても素晴らしいことが書かれているので、私もときどき読み返しては姿勢を正したりしています。
ちなみに著者の内山靖二郎さんは『クトゥルフ2010』に収録されている「もっと食べたい」や「腕に刻まれた死」という名作シナリオの作者であり、ほかのサプリメントなどにもシナリオを書いている、日本の“クトゥルフ神話TRPG”シーンに深く関わっている方だったりします。
6.最後に
以上が私が個人的にオススメする“クトゥルフ神話TRPG”に関連した本たちでした。
再度にはなってしまいますが、これらの本がなかったとしても“クトゥルフ神話TRPG”は十分に楽しめます。ただ、こうした本を読むことでクトゥルフ神話の世界の見え方がより広く、より彩り豊かになり、そのインスピレーションが仲間とのセッションをより楽しくさせてくれるのは間違いありません。
そして、今回紹介した本は出版されているものの一部でしかなく、まだまだ多くの“クトゥルフ神話TRPG”に関連した本があり、それらもまたデータとしても読み物としても優秀なので、「クトゥルフ神話TRPG サプリメント」で検索してみることをオススメします。ひょっとしたろ本記事では紹介してないけど、あなたの琴線に触れるような1冊があるかもしれません。
さて、今回はこの辺で締めさせていただきます。また次回の記事もぜひによろしくおねがいします!!!
ちなみに私のお気に入りは『マレウス・モンストロルム』です。シナリオを作るうえで最強の相棒であり、図鑑的な楽しさもありますし、なにより、またあの日々のような事件に出くわしたとき、なにかのヒントになるかもしれませんからね。