陸前浜街道5 広野宿→富岡宿
2023年に福島浜通りを訪れた際に聞いた衝撃の一言。
「昨年、11年ぶりにに歩行者が道を歩けるようになった」
11年間も人が歩けなかった道があったなんて、深く考えさせられ決めました。
「よし、年明けは浜通りを歩き、歩く事で街道に人流を復活させよう!」
ということで、2年前に江戸から水戸まで歩いていたので、その続き"陸前浜街道"を宮城県岩沼宿まで歩く事にしました。
2024.02.27
1.広野宿
街道歩きにはありがたい、朝食開始時刻04:30。
冬は日の出が遅いのでその時間には食べませんが、夏などは本当に助かります。
朝食開始が早いのは、発電所関連の作業関係者が多いため、ホテルの前には送迎バスが停まってました。
このポスターの景色、昨日撮影したアングルと同じです。
プロカメラマンと同じアングルで撮影していたとは、凄く嬉しくもあり、自信がつきました。
昨日撮影した画像はこちら↓
発電所関連の作業関係者送迎バスが、すれ違って行きます。
昨年末に、仕事で福島県浜通りに何度か来た際に、地元の方から震災後は送迎バスと宿泊の需要が増えたと、耳にした事実を実感しました。
韓国の古都慶州ご出身の方が、オーナーなのかもしれませんね。
料理が美味しそう。
地蔵目線で街道をふり返ってみました。
お地蔵さんは、いつもこの目線でこの風景を見て、雨の日も風の日も、通り過ぎる人々を温かく見護っていたのでしょうね。
2.発電所がみえる風景
私が見た中で、一番長い街路生垣です。
お手入れが大変そう…
火力発電所はこれからどうなって行くのでしょう。
発電という、インフラビジネスの周りには、脱炭素という言葉だけでは済まされない、底無し沼のような人々の思惑が渦巻いてます。
日本原子力研究開発機構楢葉遠隔技術開発センター。
福島第一原子力発電所の廃炉推進のために必要な技術が遠隔操作、そのために震災後にセンターが作られました。
何らかの形で、福島以外でも役に立つ事があると思います。
3.Jビレッジ
江戸時代に弘法大師が崖に飛びつき、一夜にして掘り上げたそうです。
Jビレッジ。
1997年開設、日本サッカー界初のナショナルトレーニングセンター。
東京電力が原子力発電所立地地域の地域振興事業の一つとして福島県に寄付した施設です。
画像の他にもいくつかの天然芝のグランドがあり、お見事としか言いようがありません。
工事現場で、ユンボで地面に敷いた鉄板を片付けています。
この作業が神技で、アームの先端で泥に埋まった畳三枚くらいの広さの鉄板を、一発で器用につま見上げて、移動させた後に、アームの平らな部分で、人の手で払う感じで、泥を丁寧に落としてます。
暫く感動して見惚れてました。
竹林が右に左にうねってます。
暴風警報が出ており、時々身の危険を感じます。小さな台風並みの瞬間風速だったのでしょう。
4.木戸宿
木戸川鮭やな場。
震災前には、10万匹の鮭が遡上していた時期もあったが、震災後は稚魚の放流が途絶えていたため遡上数が激減。
2015年秋、サケ漁が復活し、秋の遡上時期に漁協でサケやイクラを販売しているそうです。
サンペンディング。
自販機設置事業者で、数えていませんが、福島県内に入ると、とにかくよく目にします。
コカコーラと同じくらい置いてあるかもしれません。
街道松。
一本あるだけで、風景を一変される街道松。松の木には不思議な力がありますね。
木戸宿の中心部と思われる場所を歩いてますが.何だかいい雰囲気です。
陸前浜街道では街道らしさを感じられる街並みが少ないので、噛み締めるように歩きます。
玉屋。
創業1935年、震災後に休業し2020年3月に営業再開。
町民に交流の場として提供している、とても良い雰囲気の和菓子店です。
今日歩いている付近の神社の建物は、ほとんどが新しく建て直されています。
陸前浜街道は国道6号を歩く事が多く、遺構が少ないので、歩く際の定線観測テーマの一つに、居抜き物件を入れてみました。
上の画像は、物流センターをバス会社が居抜ている、この地域特有の居抜きのパターンです。
画像では伝わりませんが、かなり強い風が吹いてます。
歩道がない区間なので、自分自身が風に煽られる事がありますし、自動車が風に煽られる事もあるので、気をつけながら歩きます。
かなり高いクレーンが立ってます。
この強風の中。普通に作業してますので、バランスに相当の自信があるのでしょうね。
5.富岡宿
上の画像のトイレ、暖房が効いてました。暴風で身体が冷え切ってしまったので、人が来るまで怪しく暖をとる事に。
MOCAF。
期間限定のミュージアムの様です。
上の画像、金融機関の建物の居抜きの様に見受けられます。
東京電力廃炉資料館。
元々は原発のPR施設でしたが、用途をきりかえてます。
少人数でやり繰りしており、提供に時間がかかりますと、事前説明があるので、20分くらい提供まで時間がかかりましたが、とても美味しいラーメンでした。
今日は埼玉の自宅に帰るので、この後は街道から逸れて、歩いてみたかった桜並木を通って、常磐線夜ノ森駅に向かいます。
6.夜ノ森
こんなに太い街路樹の桜の幹って、あるのですね。
満開の時にまた来たくなります。
駅のモニターに、時刻表や運行状況が映し出されてます。
これ一枚で、遅延情報やお知らせの通知、ダイヤ改正の時刻表変更にも、すぐ対応できる、これは便利ですね。
7.帰路
奇跡の乗車券。
実は上の画像の乗車券の区間、夜ノ森→与野、奇跡の乗車券を思わぬ形で購入する事になりました。
普段、最寄駅の与野駅の券売機できっぷ購入する際に、出発駅を選ぶ際に、"ヨノ"と入力すると、必ず下の画像の三駅が出てきます。
与野と与野本町はわかるのですが、夜ノ森とはどこなんだろう?
いつも思っていましたが、調べるまでには至らず、その駅に今日辿り着くなんて。奇跡としか言いようがない巡り合わせでした。
あっという間に上野に到着。
鉄の馬=鉄道は早いですね。
雪に始まり暴風警報に終わる、天候に恵まれた4日間でした。
次は3/11に夜ノ森から歩き始めます。