佐原 銚子街道3 笹川→銚子〔完〕
一昨年夏に成田街道を歩き終え、その先にどんな道があるか調べたところ、水の都 佐原まで続く佐原街道、更にその先には太平洋まで続く銚子街道があります。秋になり歩きやすくなったので、久々の夫婦での行軍、太平洋を目指して進みます。
2024.11.24
1.笹川
圡善旅館(どぜんりょかん)。
土に点が付いている文字は初めて見ました。土と同じ読み方らしいです。
半世紀以上生きていますが、読んだ事がない漢字はまだまだあるのでしょうね。
東庄町はいちごの産地。
昨日から道沿い地は多くのいちご園のハウスがありました。
2.家紋付屋根の家
黒い瓦の寄棟屋根の家々が続きます。
やがて苗字入りの鬼瓦がある家が増えてきました。
しばらく寄棟屋根に苗字入鬼瓦がある家が続きます。街道を歩いていると、建築物のちょっとした変化に気付きます。
そのちょっとした発見の蓄積が、じわじわと大きな喜びとなり、満足度が高まります。
甲州道中を西に進み、長野県茅野市に入ると多くの蔵の妻の部分に、苗字や家紋が描かれていました。
甲州道中、長野県茅野市を歩いた時の記録はこちら↓
北陸道を新潟県から滋賀県まで歩いた時は瓦の色が黒→赤→墨と変化しました。
西国街道を歩いた時は、広島県の山間部に入ると、殆どの家が赤い石州瓦の集落が現れました。
中山道を西に進むにつれ、紅殻色の壁の家が増え始めました。
街道歩きは、飽きる事がありませんね。
3.新宿
拝殿が木塀に覆われて、賽銭も受け入れない雰囲気があります。
道が退屈なので、脇道に逸れて成田線の横を歩きました。自動車を気にせずに歩けるって、本当にいいですね。
4.豊里
波崎ウインドファーム。
利根川対岸の茨城県神栖市の太平洋鹿島灘沿いに、12基の風車が一直線に並んでおり、ロケ地等にも利用されております。
2024年3月に稼働停止し、新たな風車を建て替える予定の様です。
イヌマキの生垣。
イヌマキとは、関東地方以西に分布する、庭木・生垣・防風林に利用される常緑針葉樹。
銚子に近づくにつれて、イヌマキの生垣が増えてきました。
風力発電所風があったり、利根川にテトラポッドがあるくらいなので、この地域は風が強いのでしょうね。
イヌマキを見ると、東海道の脇往還 姫街道を思い出します。
姫街道は浜名湖の北側を通る道、東海道で浜名湖を船で渡る荒井渡を通りたく無い場合の脇往還でもありました。
冬場に日本海側からアルプスを超えてやって来る遠州の空っ風対策で、沿道では多くのイヌマキの生垣を目にしました。
上の画像、イヌマキの生垣から斜めに伸びている太い幹はイヌマキのもので、手入れをしないとどんどん伸びて10~20m位の高さまで成長していきます。
姫街道を歩いた時の記録はこちら↓
御産宮(ごさんのみや)。
その名の通り子宝祈願の神様。とても雰囲気が良く、ご利益がありそうです。
街道歩きで駅で休憩する時は、運賃表を撮影します。概ね一日歩く距離30kmを鉄道で計算すると30分500円です。
他の公共交通機関と比べると、鉄道は安いなぁとつくづく感じますが、こんな事は歩かないと気が付かないでしょうね。
5.利根川
上の画像、街道から利根川に向かう道を眺めると水面が見えています。まるで海辺の風景の様です。
川の水面は、通常は堤防の上に登らないと眺める事が出来ませんが、利根川は川幅が広いからか、この様な眺めを楽しむ事が出来ます。
この付近は川が近いので、畑の土が白っぽいです。
牛舎がありました。
立ち止まって眺めていると、たくさん寄ってきました。人懐っこいのか餌がもらえると思っているのか、いずれにせよ可愛いですね。
利根川がこんなに広くなってます。
太平洋とこの旅の終わりが近づいて来ました。
7.余山貝塚
佐原を出てから蔵が全くなかったので新鮮でした。
昼食会場は揚げ物専門店。漬物やサラダバイキングが付いており、ビールのお供に最高でした。
余山貝塚。
人生の中で貝塚を真剣に見たのは初めてでした。素通りしようとしたら、家内が折角なので寄っていこうと、足を踏み入れたら貝がザックザック、音がするくらい落ちてます。
貝塚って本当に残っているのが、ここが珍しいのか、次に街道で貝塚に出会ったときに、じっくり観察しようと思います。
大神が付く神社がとても多いです。他の地域では殆ど目にしませんので、利根川下流の水郷地域の特徴かもしれません。
8.銚子
港が近いので街道から左に逸れて、曲がっていくと、バイクの爆音が聞こえて来ました。何だと思っていると、目の前に驚きの光景が。
なんと、暴走族。
日曜日の午後に走るのかと、不思議に思っていたら、台数が半端なく50台は走っていたと思います。
ヘルメットはかぶっているし、爆音以外は交通ルールを遵守しています。違和感を感じ運転している人の顔をジロジロ見てたら、若くありません。どう見ても40代以上のオッサンもいました。
懐かしの暴走族ごっこ見たいな集まりかもしれませんね。
銚子市は地図を見るとわかるのですが、口が尖った魚のように、太平洋に向かって伸びた半島の先端に位置しています。
北・西・南が海で、暖流と寒流がぶつかる地点で、利根川から有機物を含んだ水が流れプランクトンが発生する、沖合に大陸棚がある、などの条件が重なり漁港として発展して来ました。
舟運が盛んな頃は、利根川を遡り江戸川経由で江戸まで物資を運んでいた時代もありました。
漁港があり大豆の産地が近く江戸までの舟運ルート上に位置する、そのような条件が整い、銚子と野田には日本の醤油メーカーのシェアベスト5のうち3社の創業地で、現在も営業を続けています。
明治に入ると、銚子は千葉県内で一番人口が多かったそうです。
本日は黒潮よさこい祭り、市役所の方面から、よさこいの爆音が聞こえて来ます。
帰りの特急のチケットが取れなかったのは、お祭りがあったからですね。
今回の行軍のゴールがはっきりしていなかったので、駅にしておきます。
銚子は何度か来ており、犬吠埼や地球の丸く見える展望台は行った事があるので、ポートタワーに行くことに。
時間がないので、駕籠(タクシー)を呼んで向かいます。
地上113m、太平洋と利根川を同時に上から眺めてみたかったので、登る事が出来て良かったです。
銚子名物ぬれ煎餅と、千葉県酒々井町飯沼本家のチーバくんカップで乾杯!
夫婦で次はどこを歩こうか悩みます。