東海道 復路5 水口宿→土山宿
31年前、卒業旅行で東海道を江戸日本橋から京三条大橋まで歩いたので、今回は江戸に向けて歩きます。
調べたところ、大坂高麗橋が起点の様なので少し長めの、東海道"五十七次"の独り珍道中を始めます。
2022.12.04前編
1.水口宿
昨夜真っ暗な中を歩いた地点まで戻り、本日の最初のクライマックス、三筋の町を楽しみます。
昨夜と今朝は江戸に向かって左、南側の筋を往復しましたので、中央の筋・旧東海道と、右の北側の筋を行ったり来たりして進みます。
玄関に飾られている粽(ちまき)の形をした飾り、祇園祭の時の縁起物だと思われます。中に本当にお餅が入っているのか、開けてみたくなりますね。
三筋の町、距離にすると約1kmですが、距離を感じさせない充実した長い1kmでした。居酒屋さんがあったのですね…悔やまれます。
2.古城山
昨夜宿泊した宿が、古城山の麓に佇むホテル古城。
古城山の標高は282m、かつては水口岡山城がありました。
3.野洲川
石部宿の付近から、東海道は野洲川と並走。気温が低いため、川面から湯気が立ちこめてます。
街道と並走する川。
街道を歩くと様々な川と並びながら歩き、時々交わったときに眺める川の景色に癒されます。昔も今も、旅人も住民も、この情景に心癒され続け来たのですね。
4.今宿と"路傍の燈"
茶畑が目立ち始めました。
東海道の茶畑といえば、静岡県の印象が強いのですが、滋賀県にもあります。冬なのに綺麗な色で、まるで緑の絨毯の様。
"路傍の燈"が気になってしまい、この付近には今宿城跡があった事に気が付きませんでした。
この"路傍の燈"は夜に活躍するのかとても気になります。相当数の"路傍の燈"が家々の前に突き刺してあり、夜道の道標になっている事でしょう。
5.間の宿大野
飛び出し坊やが、なんと一升瓶を片手に、今にも道路に転げてきそう。危険ですね〜手に負えません。
新手の飛び出し坊や。
道路に飛び出しそうも無く、自ら"あぶない"と手に書いてある大きなグローブを差し出し止まれのポーズをしてます。飛び出し坊や0系のライバルかもしれません!
かつては野洲川の支流の氾濫に悩まされた地域だからか、庭先に舟が置いてあります。
信楽焼の狸が全国区になったのは、昭和26年の昭和天皇信楽町行幸。沿道の信楽狸に日の丸を持たせた光景に、感銘を受けた天皇が読んだ御製が報道されたのがきっかけ。
をさなき日 あつめしからに なつかしも 信楽焼の 狸をみれば
6.茶畑
御代参道は、中山道愛知川宿に抜ける道。
京からお伊勢参りをした帰りに、愛知川宿近くの多賀神社にお参りするための道、昨年私が中山道を歩いた時の記録を探すと出てきました。こういう気付きはとても嬉しくて、いつかこの道を歩いてみたくなります。
昨年中山道を歩いた時の写真、懐かしいです。
7.土山宿
土山宿に入りました。
鉄道が通っていない宿場は、往時の雰囲気が色濃く残っています。土山宿がまさにその場所で、歩いているだけで楽しい街。路面は茶色に舗装されており、景観を楽しみながら迷わず歩けました。
8.伝馬館
土山宿伝馬館。
街道を歩く仲間から、ここだけは行かないと後悔する位の勢いで薦められた場所。まずは問屋場の蝋人形コーナー。往時の雰囲気を感じる事が出来ました。
大名行列のミニチュア。
行列の全体感がわかりやすく飾られています。人形の表情をみると、威張っているというより、明るく振る舞って居る感じですね。
大正生まれ、土山在住の方が定年退職後に独学で描いた、東海道全宿場の切絵。東海道名物コーナーの食べ物に花を添えています。
東海道五十三次全宿場の浮世絵の盆景が飾られています。
制作したのは和菓子職人さん、ずらりと並んだ盆景を見た瞬間、思わず息を飲み込みました。
こんな立派な街道の博物館、みたことがありません。
ありがとうございました。
土山、いい宿場町でした。
昔の街並みが色濃く自然に残り、人々が普通に暮らしている町の姿が、いつまでも心に残りそうです。
本日の続きは次回レポートで。