中山道5 北本宿→熊谷宿
▽1991年3月
23歳 30年勤めた会社の入社前に、東海道を歩きました。
▽2021年3月
53歳 30年勤めた会社の退職後に、中山道を歩き始めました。
京都まで一気に歩く、"気力"、"体力"、"時の運"、が無いので、行けるとこまで歩く事を繰り返します。
2021.04.20
1.日本の旅のはじまり
諸説ありかもしれませんが、私が好きな説は、江戸時代に庶民が関所を跨ぐ遠出を制限されていた中、二つだけ例外がありました。
「社寺参礼」と「湯治」です。
社寺参礼とはお伊勢参り等の神社や寺の参拝。
湯治とは温泉で体の悪いところを治す療法。
どちらも心身を守る為に必要なことだったからですね。
そんな人々が行き来する道が街道として整備されて現在に至ると思うと、興奮してきます!
社寺周辺で参礼者が宿泊した"宿坊(しゅくぼう)"がやがて旅館に。
街道の道案内をした"先達(せんだつ)"がやがて旅行会社に。
観光業界の走りです、面白いですよね〜。
さてこんな事を書き込んでいる間に、前回一日かけて歩いた距離を高崎線はたったの20分で駆け抜け、本日の出発地点、北本宿に到着しました。籠に乗った大名の気分にはなれませんが便利な時代です。
本日は気温が25度近くになる予定。水分補給をこまめにとりながら、日本一熱い街、熊谷宿を目指します。
2.神話の世界
写真は数年前に仕事で北本に来た時の写真。駐車場に車を停めたら100m位先で、狸と烏が睨み合い、その横で猫がこっちを睨んでいる。なんだなんだ、ここは神話の世界か?そんな事を思い出しました。
3.地層みたいなホーム
北本駅に到着、電車を降りて隣のホームを見ると、見事な地層になっている。これは昔の車両は乗車口の高さが今よりも低かったらしく、時代とともに乗車口の高さに合わせて、嵩上げしたらこうなったらしいです。
4.トマトカレー
北本トマトカレー、食べたことありますけど、なかなか美味しいですよ。家でも作れます!
5.北本宿
北本宿は可哀想な歴史があります。本来は北本宿が中山道の宿場街だったのですが、徳川家の意向(わがまま)で、お隣の鴻巣に移されてしまいました。
なので鴻巣がその後栄えていきます。
とはいえ、そんな北本が愛しですよね。
と言いつつ、北本のトレンド、glicoポッキーミュージアムを存知ですか?
大人気でまだまだ予約とれなさそう…。
6.高崎線と共に
しばらく高崎線とクネクネしながら歩きます。
写真の電車のオレンジとグリーンのカラーリング、なんでこの色かご存知ですか?
それは昔の電車が茶色で味気ないので、色をつけようとして、東海道本線の電車の色をカラフルにしようとして、沿線の果物のミカンとお茶葉っぱの色にしたと、言われてます。
それは湘南色と名付けられましたが、北関東出身の私には、カボチャにしかみえませんでした。
なので私の中では永遠にカボチャ電車です。
7.家の敷地に一里塚
突然一里塚の表札が登場。
一里塚とは、一里=4km毎に置かれた目印。人は1時間に4km歩くので、目安になったんでしょうね。
表札につられて一里塚に登りました。
民家の庭先にあり、この先は私有地なので立入禁止との説明書きに、きっと一里塚も私有地なんだけど、開放してくださっている住民の懐の広さを感じました。
8.鉄の目印
線路の横を歩いていると、いろんな標識が現れます。
1枚目の画像 この先下り坂、8.5パーミルた※
※8.5パーミル=1km進むと8.5m下がる。
2枚目の画像
高崎線起点の大宮から17kmと100m。
3枚目の画像
全くわかりません、誰か教えてください。
9.植物に癒される
北本を過ぎると、自然の美しさに心打たれ始めます。
1枚目の画像 大根花の群生地。
2枚目の画像 無人露店商キャベツ10円。
3枚目の画像 葱坊主ゆ〜らゆら。
言葉は要りませんね。
10.成田菊水ホテル
突然現れたこの看板。平成4年オープンってほぼ30年前。この存在感半端ない、きっと高崎線ユーザーはみんな知ってるんだろうと調べたら、そのと〜りでした…。
11.たんぽぽ満開
途中たんぽぽがのびのびと育っている空き地がありました。我が家のウサギはたんぽぽが大好きで、あげるとこんな顔になります。
12.鴻巣宿
踏切を渡りいよいよ鴻巣宿に。
なんか華やかなイメージがあるのでたのしみです。
立派な石碑が鴻巣市のやる気を感じさせます!
13.人形町
いきなり現れました、人形町!町の表札に地名の変遷が記されているの初めて見ました。
凄い凄い、まだたくさん残ってます!
京都の雛人形職人が中山道を伝って、鴻巣で開業した関東一の雛人形の街、まだまだ残ってました。
雛人形に対して鯉のぼり、街中にあったり、ベビーカーの子どもが持ってたり、素敵でした。
雛人形に癒されて、どこまでも雛人形屋さんがあると思ってたら、人形町を抜けたらパタリとなくなりました。
14.コウノトリ
歩道にコウノトリがいます。あっそうか、鴻巣だからコウノトリなんだ。と感心しながら歩いてたら、立派な神社が現れました。
鴻神社、子宝の神様ということらしいです。
鳥居を潜るとたくさんの人がいて、メッチャ活気があります。
コウノトリが卵を温めている、なるほどね。
卵のお守りに卵の絵馬、沢山のご夫婦が来てます。幸せのオーラがモクモクとそこらじゅうから湧き上がってて、幸せな空間でした。
15.素晴らしい看板
この看板、高崎線ユーザーしかわかりませんが、知っている人はドツボです。帰宅して長男に話したら、知ってました。
ネットにも出てますね。
16.鴻巣もろもろ
群馬県の第一地銀、群銀が登場!少しづつ群馬県に近づいてます。
今日何回目かわからないけど踏切渡ると、徐々に鴻巣の中心地を離れ、吹上に向かいます。
藤の花があちこちで咲いてて、とてもよい香りが、心身共に癒やしてくれます。
個性豊かなお店たち。
お蕎麦屋さんでエネルギーチャージ!
17.中山道愛を感じる道標
丁寧に曲がり角や別れ道に立っているのです。これには助かりました。
手作り看板もあちこちにあって、ほんわかしてて、超癒されました。
18.荒川土手の道
まさかの土手の中山道、サイクリストやウォーキングの人たちと、チラホラすれ違い、ほんわかした時間を共有してました。
冠水橋が平成15年まであったなんて!
これは驚きでした。この後熊谷で会った仲間に聞いたら、狭い橋なので譲り合いの精神が醸成される橋のようです。
19.熊谷宿
童謡に出てきそうな美しい小川がたくさん流れてます。なんで美しいのか、不思議でしたが、なんと驚きの案内看板を発見しました。
ムサシトミヨという、世界で熊谷にしか生息していない魚がいるらしいです。
小さな祠が、昔ながらの家の半数以上の北東の角に置いてあります。
何を祈っているんでしょうね。
熊谷駅に着きました。
ここで、ある男と待ち合わせしてます。
合流して行きつけの中華料理で夕飯を食べて解散しま〜す!
28年間共に同じ会社で働いてきたこの男と、まったり食事をして今日はおわりです。