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日光例幣使道・日光壬生道1 倉賀野宿→木崎宿

日光例幣使道とは1647年から221年間、朝廷の勅使が京から日光まで、徳川家康の法要の為に通った道。
中山道・倉賀野宿から日光道中・今市宿まで、日光壬生道を経由し三十一里十丁118.2km、勅使の気持ちになって歩いてみます。

2022.03.26

1.スタート地点まで

中山道、江戸方面の眺め。

最寄り駅はさいたま市にある、京浜東北線与野駅ですが、電車遅延の為乗り換える高崎線が停車する、さいたま新都心駅まで自転車で移動。
この道は大好きな中山道です。


美しい屋根のコンコース。
奥右手はさいたまスーパーアリーナ。
閑散とした改札口。

これから高崎線始発の各駅停車に、小1時間揺られます。

自立式駅名表示。

倉賀野駅に到着。
この駅名看板、懐かしく感じます。
何故かと考えたら、ホームのはずれに屋根が無く、屋根から看板を吊るせないからですね。
ホームの高さは国鉄時代のままで低く、降車時に感覚的に10~20cm程度の落差を感じます。


改札口前の地図、
中央右に”日光例幣使街道”の表記。
白ポスト!


駅から歩くと、地を這うような小さな道を跨ぎます。
灌漑用水であった五貫堀川の暗渠、歩いてみたくなりましたが次のお楽しみに。


五貫堀川に架かる太鼓橋の説明。
皇女和宮も通りました。


中山道を江戸方面に歩きます。
この道を歩くのは2021年5月1日以来、その時は独りで京を目指したましたが、本日は家内と二人旅、詳しくは↓。


2階の両端にある壁迫り出した壁を、
"うだつ"と呼び、防火目的でしたが、
後に建物の装飾に使われます。
趣のあるまちなみ。

Yの字の交差点表記が登場。
スタート地点の追分がみえてきました!


2.倉賀野宿

倉賀野追分。

ここから始まります。
昨年中山道を歩いた時、この追分から日光方面を眺めましたが、五街道を完歩し、脇往還まで歩く事になるとは、考えてもいませんでした。


往時の道標。
現代の道標。

道標今昔物語、ここまでわかりやすく対比できる追分は珍しいですね。


奥の建物は閻魔堂。
ちょっとした広場になっています。
倉賀野宿は、江戸日本橋から、
中山道十二番目の宿場。



日光方面の眺め。
ふり返り眺める追分の景色。

日光例幣使道に入りました。
街道を歩き始め、スタート地点を振り返ると、よし歩くぞ!と覚悟が決まります。


”例幣使街道”の看板。

”例幣使道”と”例幣使街道”どちらが正しいのでしょうか。
元々は例幣使道と呼ばれており、家康没前は朝廷があった京から、天照大神を祀り、皇室の祖廟である伊勢神宮に向かう道のことでした。

1616年4月17日に生涯を終えた家康の遺言に、
「遺体は駿河の久能山に葬り、一周忌後に下野の日光山に勧請」
と残されており、”東照大権現”の神号を受け日光東照宮が創設され、
1646年から、朝廷は例幣使の派遣を、伊勢神宮と東照宮、両方に派遣することになります。


食道えんま、スタート地点の追分横に、焔魔堂があったからでしょうね。


八高線の車輛。
八王子と高崎を結んでいます。
踏切には玉村街道、
次の宿場玉村の名前を冠してます。
高崎線東京方面。


骨董会館全景。

骨董会館、こんなに大きな骨董品店みたことありません。
前の歩道には、石碑・石仏が仕込まれています。

歩道の仕込み。


道標、嬉しいですね!
左の石仏は、
どこかにあった実物と思われます。



国道17号、新潟方面。
国道17号、東京方面。


雪柳と紅梅。

この時期は、冬と春の花々が競演するので、沿道の景色が華やぎます。


3.古墳のあるまち

白銀橋。
桜並木の様ですが、咲く気配なし。

粕川を渡り、徐々に高崎市の市街地から離れていきます。


観音とだるまほほえむ高崎市。
市のスローガンですね。
だるま眼科。

高崎は日本一のだるまの生産地、この眼科の名前はトンチ効き過ぎ・・・。


突き当りのT字路。

街道は、写真突き当りの量子科学技術開発機構の敷地に遮られます。
重粒子線がん治療の研究所、この敷地の場違いな大きさは、重粒子線の実験に必要な装置があるのかもしれませんね。


原子科学技術開発機構正門。
研究所のフェンス。
小高い丘。

研究所敷地に沿って進むと、左手に突然小高い丘が。


不動産古墳。
綿貫古墳群。

この付近には、4つの古墳があり綿貫古墳群と呼ばれています。


古墳の解説。
石棺

頂上には大きな石棺がドスンといった感じで置いてあります。
こんなに大きいのですね。


埴輪。

古墳と言えば埴輪ですね。


頂上から望む赤城山(中央後方)。
頂上から望む街道。

文化庁発表の埋蔵文化財包蔵地数(古墳・横穴)、都道府県別で群馬県11位。
1位兵庫県、2位鳥取県、3位京都府です。


キャベツ畑。

このキャベツが、やわらかい春キャベツになるのでしょうか?
見た目は普通の固いキャベツの様です。


観音山古墳の看板。
街道沿いは古墳がたくさんあります。
井野川。
ダイコンバナとナノハナと街道。
こぶしの木。

色とりどりの花々、春ですね〜♪


関越自動車道。

関越自動車道をくぐります。


4.玉村宿

玉村町に入りました。
小麦畑と街道。
小麦畑と赤城山。

曇り空ですが、小麦畑がまぶしいです。


道の景色、今市方面。
道の景色、倉賀野方面。

道は見事な一直線。


外壁のオブジェとしての鬼瓦。
庭のオブジェとしての鬼瓦。

瓦を大切に保存する家々。
このような保存方法があるのですね。


玉村宿の案内看板。

高崎市は”日光例幣使街道”、玉村町は、”日光例幣使道”と表現してます。
案内にあるとおり遺構があまり残っていませんが、目に入った歴史的な建物を、次の画像からいくつか紹介します。


赤い壁の建物。
木の壁の建物。
蔵を改装した建物。
現役の商店と思われる建物。
赤いレンガの建物。


稲荷神社鳥居。

稲荷神社。
2月の大祭では獅子舞が出ます。

微笑む石像。
天然痘から免れる事を祈った石碑、
コロナも絶滅しますように。
バスを待つ風の石造。



つくしと空地。
つくしと街道。

つくしの時期です、絵になりますね。


宿場に必ずあるのが酒屋さん。
和泉屋。
泉谷屋は井田家の屋号。
酒蔵と煙突。

井田家住宅は、玉村宿を代表する旧家。
酒蔵や絹取引などを営んできました。



例幣使道玉村宿の信号表示。
町田酒造店。
代表銘柄は太平山。



本陣跡の句碑。
本陣建物は大火で消失。
立派な屋台蔵、
祭りが楽しみですね。


5.玉村八幡宮

雛人形の卸問屋の様な看板が表れます。

玉村八幡宮。
頼朝が鎌倉鶴岡八幡宮から分霊。

一の鳥居。
隋神門。
御神木。
きらびやかな拝殿、
奥の本殿は国指定重要文化財。

年末年始は相当賑やかになりそうです。


生まれた月の花ことば。
十二支性格早見表。
家内が安産祈願⁈ 焦って聴いたら、
娘たちの将来の安産を祈願してました。
人形感謝・供養の絵馬。
交通安全・無事カエルの絵馬。
様々な絵馬を奉納する社殿。

参拝者が様々なお願いが出来る様に、様々な取り組みに挑戦しています。



6.五料宿

朝食の時間、
九州を中心とするファミレスのJoyfull。
500円でドリンクバー付、お安いです。
たぬきが客引きをする飲食店。
大切に残されている石祠。
数少ない白壁の蔵。
貫禄十分の常夜灯。
常夜灯は、
村の境界に建っていたそうです。
工業団地の中を進みます。
川井城跡の看板、
現在は八千矛神社の社殿があります。
梨の木山古墳の看板、古墳多いですね。
日露・日清線の慰霊碑、
二度と繰り返しません様に。
大通りから離れ水路と共に進みます。
シロツメクサ・ナノハナ・ハナダイコン
の競演。
綺麗ですね。
早咲きの桜。
五料の街並み。

早咲きの桜の木の横を抜け、利根川の手前まで来ると、国道354号の向こう側に、突然時が止まったかのような、五料宿の街並みがみえてきました。
この先の関所跡付近は、行き止まりに近い状態で、独特の雰囲気があります。


常楽寺山門。

国道を渡る手前に静かに佇む、常楽寺。
門前には多くの石碑・石仏が整列。


門前の石碑・石仏群。
風格ある庚申塔。


関所までの街並み。

国道を渡ります。
突き当たりの利根川の土手まで、200~300m位。

土手側から眺めた街並み。

なんと郵便局がありました。
街道を歩き残っているある三大業種は、郵便局・酒屋・床屋です。


関所の碑、詫び”錆び”の極みです。
手書きの案内看板。

例幣道唯一の関所。

土手の上からの対岸柴宿の眺め。
五料橋。

利根川を渡り、柴宿があった伊勢崎市に向かいます。

大規模自転車道のルート上にあり
20人位のサイクリストに
ビュンビュン抜かれました。
下流の眺め、広いですね〜。
上流の眺め、水量多いですね〜。
伊勢崎市に入りました。
さようなら利根川。
ありがとう五料橋。


7.柴宿

柴宿の街並み。

利根川を渡ると、すぐに柴宿中心地。
玉村宿と同じで一直線。
例幣使道と共に開発され、戦国時代につくられた街とは異なるからでしょうか?

往時の面影があまり残っていません。
伊勢崎市の案内看板、
地域別に作られています。
道を塞ぎそうな松の木。
本陣跡の松でした。
柴宿本陣跡。
今は住宅として活躍しています。


雷電神社の杜。
雷電神社鳥居。

雷電神社。
雷が多い地域、群馬県・栃木県・茨城県に多く存在します。

雷様がいそうな岩山。
岩山から眺める社殿。
岩山から眺める桜と松。


雷電神社の前で、
例幣使道では珍しい直角のカーブ。


奥のドーム型霜除けが気になります。
商店跡。
焼きまんじゅうの店。
なまこ壁の蔵。
一直線の道が続きます。
おっきりこみを出すお蕎麦屋さん。

おっきりこみとは、埼玉県北部・群馬県南部地域の郷土料理。
幅広の生麺を、旬の野菜やきのこなどと一緒に煮込んで食べます。


東京福祉大学、
素敵なキャンパスでした。


8.三ツ橋

群馬県の川は、
県の形をしたデザインで統一。
灌漑用の川みたいですね。
ときどき現れる日光例幣使道の看板、
右折と勘違いしがちです。
信号工事中。
大きいですね。
豊武本舗・酒まんじゅうの店。
暖簾に誘われて入ります
素朴な味でした。


豊武神社鳥居。
松本宏洞講翁の碑。
江戸で、書・画・詩を学び、
明治以降は地元の文教に尽力。
竹の箱庭。
道標と思われます。


遺跡 三ツ橋。
三ツ橋伝説。

麻疹にかかった子どもに、禅師が経文を唱えると、熱が下がったという伝説。子どもが麻疹になったとき、三ツ橋の下をくぐると早く治るという俗信の発祥の地。

三ツ橋、くぐるのは大変そう。
小さな看板が出ています。


小麦粉の産地なので製麺工場がありますね。
飯玉神社。
火の見櫓。
ふり返ってみると結構な高さです。
街道の風景、曲線がある方が風情がありますね。
文房具とつり具、道具を売る店。



9.右赤城

庚申塔。
伊勢崎市の案内看板、二つ目。わかりやすくていいです。。
子供のもり公園。
この遊具は魅力的!
庚申塔。
焼きまんじゅうの看板が。
忠治茶屋、中で5人以上の授業員が忙しそうに作っています、売れるのでしょうね!
Googleストリートビューではありません、地面に書いてあります。
右赤城。

常に進行方向左側にみてた赤城山が、この付近だけは右側にみえる地点。
東海道を京に向かう際の、左富士と同じですね。


丁寧に栽培されているネギ畑。
これは助かります、
絶対に迷いません。
ずっとこんな風景がいいなぁ・・・・。
蔵と大銀杏のある家。
道標、これより県道に戻ります。
レンギョウ。
”島村渡船”の表記が?

島村渡船とは、群馬県・埼玉県境を流れる江戸時代中期から続いている利根川の渡し。
下の地図をみるとわかるのですが、利根川の向こうに群馬県伊勢崎市の飛び地があり、そこに向かう市道の一部として継続されてきましたが、2019年台風19号の影響で運休中。
市のHPに市民アンケートがあり、観光用として残せばよいとの意見が過半数を占めていました。
ちなみに船で渡った対岸には渋沢栄一記念館があります。


養蚕農家、特徴のある屋根が目印です。
境宿まであと少し。
シーサー距離が近い、仲良すぎ!
菅原神社。


広瀬川、部活の遠征帰りの中学生が、にぎやかに渡っていきます。
伊勢崎市の案内看板。
竹石の渡し、
例幣使道に2つあった渡しのひとつ。
人道橋。
境宿に入ります。
広瀬川上流の眺め、
下流は利根川に合流。



10.境町宿

橋を渡り左奥の旧道に入ります。
この細い道です。
庚申塔。
良いですね~この雰囲気。


乳母の懐。

駕籠で居眠りをしていた勅使が、乳母の懐に抱かれている様だった。
との言い伝えがこの地域に残っています。


ガチャポン!現役?
入っています!
いくら入れればよいかわからず。
大きな松が、何があるか期待!
横道の風景。

一本松稲荷大明神。

一里塚があったともいわれる場所。

八海山とも呼ばれ、
高札場もありました。
鳥居には御嶽山の文字が。
様々な要素が詰まった場所ですね。
ふり返ると、箱庭のような感じです。


歩きやすい道。
薄いピンクのコブシ。
再び大きな道に合流。
再び小さな道に入ります。
境宿と記された貴重な看板。
中心部の風景。
本陣跡。
珍しい赤レンガの蔵、
利根川の対岸は赤レンガの産地。
住居風の蔵。
うなぎの寝床。
和菓子屋さん。
薬屋さん。
元商家風の建物。

建物や街並みに統一性は感じられませんが、なんとなく普通に残ってます。


お腹がすきました、
お蕎麦屋さんで休憩。
14時頃でしたが満席でお客様途切れず、
また来たくなる名店でした。
平日営業の古民家カフェ。
このあたりで町の中心部は終わり。


稲荷神社。
踏切と石仏。
東武伊勢崎線。
道に迷って立ち寄った三ツ木神社。
開放的な社殿。


11.木崎宿

早川。
三ツ木橋。
太田市に入ります。
国道17号バイパスは高速道路みたい。
白い蔵。


この辺りは道が残っていないので、小麦畑の中を適当に進みます。
ガマの帆を分解。

街道を歩いていると、忠実に旧道に沿って進もうとしますが、時々このように、適当に歩くとなぜかリラックスできます。
行商人や大名行列の後ろの方は、そうだったのかもしれませんね。


石田川。
菜の花が綺麗。
中江田遺跡、
旧石器時代の遺跡の様です。
まっすぐな道が続きます。
矢枝神社。
えぇ~鳥居に反射板が!
喫茶&軽食 山茶花、土休日は定休。
自宅で平日限定営業の店って、
当たりが多いですよね。
三本辻地蔵堂。
利根川の渡しに行く道への辻でした。
お地蔵様。
医王院、日本の銀杏が目立ちます。
2~300年の銀杏、
地域の名木に指定されています。
しかし名木以上に目立ったのが、
一隅を照らす巨大蝋燭。
火は灯らずして、四隅を照らす。
赤レンガの壁が立派な、山崎酒造。
代表銘柄は、日本誉・太平記の里。
店に活気がありました。
上問屋跡。
木崎宿中心部。
西・京都の表記が良いですね。
本日はここまで。
最寄り駅まで少し歩きます。


焼きまんじゅう屋さん、
本当に多いですね、本日3軒目。


東武伊勢崎線・木崎駅。
徳川氏発祥の地!

家康が
「わが遠祖は、上野国新田の一族徳川氏である」
と言っていた事が由来で、徳川氏発祥の地と謳っています。
太田市内には徳川町があり、なんと、徳川東照宮が!


ねぷたまつりがあるんですね。


来週は桜が見ごろでしょうね!
太田・足利、元気があれば佐野まで歩みを進めます。

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