琉球宿道1 中頭方東海道 西原→中城
琉球王朝時代に築かれた街道を、宿道(すくみち)と言います。
今回歩く道は中頭方東海道(なかがみほうとうかいどう)。
中頭とは宿道の起点である首里からみた終点の地域名、沖縄本島は北部が国頭(くにがみ)、中部が中頭(なかがみ)、南部が島尻(しまじり)に分けられ、東海岸の宿道を東海道、西海岸の宿道が西海道、宿道名の場合は終点の地域名の次に行先を表す方(ほう)を付けて呼びます。
沖縄に単身赴任で住んでいた時は、国道58号を5日間に分けて歩きましたが、今回は宿道にこだわって歩きます。
2022.02.12
1.スタート地点まで
那覇市内中心部からバスで約30分、97番のバスが出発地点最寄りまで行くところを、間違えて98番に乗ってしまい、バス停から20~30分歩く羽目に。
内地(沖縄県からみた沖縄県以外の日本のこと)ではみた事がない、通園路の道路標識をみながら、出発地点に隣接する、サンエー(沖縄県内ナンバーワンの小売業)ながぐすく店に到着。
東太陽橋(あがいてぃだばし)よりスタート。
崖の事をハンタと呼び、丘陵の崖の上を通る事から、この付近ではハンタ道と呼ばれています。
2.太平洋を眼下に
太平洋と中城村の田園風景。
歩行者専用道なので快適、パイナップルの様な実がなる木は、アダンといい、まずくて食べられません。ちなみにパイナップルは地面から生え、5~8月頃に収穫されます。
随所に案内表示があり迷うことはほぼありません。ユクヤーとは休息場所を意味します。
途中にレストランがあり、近所のご婦人方で賑わっていました。
軍属風のアメリカ人が歩いています。
クワズイモの葉、背丈ほどありまるで傘の様、イモですが名前の通り食べられなくて樹液に触ると手が荒れます。
起伏が激しく、足腰にじわじわと負荷がかかる道。
毛とは野原や広場を意味します。豆知識、毛遊び(もーあしびー)というと、昔20歳前後の若者の男女が、夜に毛に集まり遊んだ事を示すそうです!
左手に東シナ海が望めます。
初めて一般道に出ます。歩道にはハンタ道を示す石畳が、街道歩きをする人にはとても有難い事で、迷う事無く歩けます。
前方からハンタ道をウォーキングする5名のグループが、平日でも人気の道なのですね。
3.戦績
161.8高地、この数値は標高になります。
嶽(たけ)は拝所のことで、御を付けて御嶽(うたき)と呼ぶ事が多いです。
こちらは監視用の哨と壕の跡。
太平洋を望む161.8高地を後に、山を下ります。
この白い石は琉球石灰岩、今歩いてる付近から南側に琉球石灰岩が分布しています。
4.琉球の植物
バナナの畑がみえてきました。
下に垂れ下がっている濃い紫色の不気味な形をしたものが花です。
橋と石畳のある川。
アゲハ蝶の仲間でしょうか、美しいですね。
石畳跡。今は殆ど残っておらず、石橋も再現されたものです。
マンゴーの木、収穫期は5~7月頃、沖縄の最高級の贈答用果物。ひとつ2千円以上はしますが、傷物などは千円以下で流通してます。
ブーゲンビリアの生垣が綺麗!
1~2月に開花する寒緋桜(かんひざくら)が、まだ僅かに残っています。
5.石敢當
こちらは石敢當(いしがんとう)、魔除けになり、T字路の突き当りで良く見かけます。
米軍さんが借りるのですかね?
美しい街並み、歩いていて感心するのが、チリ(ごみ)がひとつも落ちていない事、掃除をしているのでしょうね。
猫はあちこちにいます。
”ビラ”とは坂の事を言います、確かにこの辺は坂ばかりで、地名にもビラがついてますね。
かつてこの辺りには松が植えられていたそうです。街道には松が欠かせませんね。
お昼は軽めにポークタマゴ。この日は温かく半袖で過ごせました。
山道を歩きます。
新垣集落跡の広場。
拝所のような建物、どの様に使っているのか、実際にみてみたいですね。
広場から望む太平洋、長閑な時間が流れています。
6.琉球石灰岩
琉球石灰岩の間の山道を歩きます。
神秘的で幻想的な雰囲気、自然の音しか聴こえてきません。
新垣集落の跡地、クロード・モネの絵の世界の様でした。
木々の合間から望む太平洋。
給水タンク。水資源に恵まれない沖縄には、あちこちに給水タンクがあります。今はダムが多く建設され断水はほぼありません。
ペリーが旗を立てた岩、写真中央の森のあたりです。
街道跡が現在はゴルフ場、フェンスに沿って歩きます。
7.沖縄のコーヒー園
沖縄で仕事をしていた頃のビジネスパートナー、東村の又吉コーヒー園さんが、偶然にも近くの道沿いにキッチンカーを出しコーヒーを販売していると聞いていたので、寄り道をして訪問。お客様が3名並んでいます。
1杯1杯、ハンドドリップで淹れているので、少し待ちますが味は最高!コンビニで100円でコーヒーが買える時代に、500円以上するコーヒーを車で買いに来る人々が多くいる事に、驚きと喜びを感じました。
又吉ブレンド900円をいただきました。
キッチンカー前からの風景。奥の山の右の頂が、ペリーの旗立岩です。
8.中城城址
再びゴルフ場前に戻り、終点の中城城跡を目指します。
大きなクワズイモの葉。
あちこちにある拝所。
神の島、久高島。神様アマミキヨが久高島に降り立ち、琉球をつくったと言われている為、首里城や斎場御嶽など、沖縄本島中南部の神聖な場所などには、久高島遥拝所が設けられています。
みえてきました、中城城跡。
大紅合歓(おおべにごうかん)
この先は、となりのうるま市にある勝連城まで続いていますが、ハンタ道は以上で終了。
高速バスで戻ります。