西国街道6 姫路宿→有年宿
本格的に街道を歩きはじめて3年目、夏は歩く時間がまとまって取れるので、ぐいぐいと街道を進む事が出来ます。1年目は中山道、2年目は北国街道・三国街道、3年目に選んだ道は西国街道。
真夏の京都から下関まで約570km、猛暑との共存も年々コツを得てきましたが、身体と会話しながら西を目指します。
2023.08.07
1.山田峠
街道をあるいていて一番多く目にする石碑が明治天皇巡幸の記念碑です。
びっくりする様な山の中や、水田の中にあったりもします。
巡幸の目的は、日本の君主が将軍から天皇に変わった事を全国に知らせるため。
どの様なスケジュールで巡ったかというと大きく6回に分けられ、六大巡幸と呼ばれています。
1872年 九州・西国
1876年 東北・北海道
1878年 北陸・東海道
1880年 甲州・東山道
1881年 山形・秋田・北海道
1885年 山口・広島・岡山
14年間にわたる壮大な巡幸。ご覧いただくとお分かりになると思いますが、山口・広島・岡山が最後なのです。この付近は兵庫県ですが、最後の最後に岡山県を巡った後に立ち寄ったのでしょうね。
BIGMOTORの事件は衝撃的でした。
企業風土とは、一歩間違えるとどうにでもなり得ると思います。真面目に働いていた社員が気の毒でなりません。
奈良の大仏殿を建立した、行基菩薩が作られた地蔵、凄いですね!
2.太子
太子町は、聖徳太子が推古天皇より土地を与えられた地。史跡が多く残っており、中でも有名な斑鳩寺は、約1,400年前に聖徳太子が建てた寺院です。
斑鳩寺。
只今の時刻06:22、この地点から歩いて5分の距離に国宝の斑鳩寺があるのですが開門は09:00。
あぁ残念無念、また来ます。
ぼうじぃ。
太子町の文化財である牓示石(ぼうじいし)がモチーフとなったキャラクター。シュールで可愛いです。
牓示石とは、聖徳太子が推古天皇より土地を与えられた際に、境界を示すために置かれた石。太子町には5ヵ所置かれています。
大きな石灯籠が庭にある家が、兵庫県西部から散見されます。
街道を歩いていると、庭先から行き交う人を見護っているようにも、怪しい人がいないか睨みを聴かせているようにも、見受けられます。
地蔵尊が広いお堂の奥に鎮座してます。
みんなが集まる事ができるので、とても良い空間ですね。
目の前が林田川で、標札には茶屋垣内地蔵尊と記してありますので、この付近には茶屋があったのでしょう。
たつの市は、童謡赤とんぼの作詞者三木露風の出身地。
まだ赤とんぼの時期ではなく、塩からとんぼしか見つけられませんでした。
たつの市は、「童謡の里」宣言をしてます。
3.淡口醤油と手延べそうめん
たつのは淡口醤油の生産地。
国内の醤油の都道府県別出荷量は、1位が千葉県で4割弱、2位が兵庫県で1割5分。千葉県と兵庫県で国内出荷量の過半数を占めています。
突然豪雨が降り出し、乗願寺の駐車場で雨宿り。
久しぶりに雨宿りをしました。何もする事がないので、五感が研ぎ澄まされます。
顔にふきかかる雨の雫の心地よい冷たさ。
視界を遮るカーテンの様な雨の模様。
周りの音を全て掻き消す雨音。
雨が弱まるとほのかに鼻に入り込んでくる醤油の香り。
15分くらいで小降りになってきましたので再び歩き始めます。
贅沢な15分でした。
今歩いている付近の地名はたつの市揖保町。
揖保乃糸について調べたところ、揖保乃糸という会社は存在せず、兵庫県手延素麺協同組合が製造元となっております。
加盟する400事業者は、組合が共同購入した原材料や包装資材を基に製造した素麺を、協同組合に納品し、品質を維持したうえで流通網にのせてます。
製造の歴史は600年に渡り、時代を経て現在に至っています。
4.正條宿
揖保乃糸の木箱が並んでいます。食べ物などを保存するのにちょうど良さそうですね。この木箱で頂いたらさぞ嬉しい事でしょう。
5.片島宿
正條宿から片島宿までの距離は約2km。
片島宿は東に向かう旅人の宿泊を、正條宿は西に向かう旅人の宿泊を分担して受け入れていました。
残念なことに本陣跡などの標識などが見つけられませんでした。
相生市に入りました。
マンホールに船を漕ぐ男の姿が。
調べてみると、”相生ペーロン祭”という5月に播州地方に初夏を告げる祭りで行われる小舟の競漕をデザインしたものでした。
ペーロンの起源は、紀元前3世紀に白龍(パイロン)という小舟で競漕したのが始まり。1922年に長崎県出身の播磨造船所従業員によって伝えられ100年の歴史があります。
子守荒神。
なかなかのパワースポットでした。
境内にいると目の高さを新幹線が行き来しますので、鉄分が濃い方にもお勧めのスポットです。
6.那波野
とても温かみがあるお店で朝食。
セルフで水を頂けるのですが、レモン・オレンジ・キウイ、それぞれのフルーツが浮かんでいるタンクが3つ並んでおり、自由に飲めます。
4時間半、大汗かいて歩いて来たので、五臓六腑に栄養がしみわたりました。
路上のタイルには海上花火大会が貼られています。
先ほど説明しました相生ペーロン祭の際には、相生湾の空に約6,000発が打ち上げられます。
赤穂線は瀬戸内海の沿岸を走り、山陽本線は山側を走ります。
西国街道はどちらを進むかというと山側。どうしてかと地図を眺めると、海側といっても山あり谷ありなので、山側の方が歩きやすかったのかもしれません。
金刀比羅神社の拝殿、待合室の様になっています。
ここに人々が座って語らう風景、とても良いと感じました。祭事や年末年始にどの様な光景になるのか見て見たいものです。
太陽光発電の発電所がとても多いなと感じていたら、自己資金0円で出来る旨の広告横断幕が貼られていました。
都市部の土地活用は駐車場や集合住宅ですが、山間部ですと太陽光発電になるのですね。商売商売!
7.若狭野
国道2号の静かで長閑な脇道を、蝉の鳴き声をBGMにしばらく歩いていました。
国道2号に合流する際に防音壁の内側に入った瞬間、セミの鳴き声が消え、代わりに自動車の轟音が鳴り響き始めました。
防音壁の効果は大きいです。
若狭野天満神社。
あまりにも長い参道に、行くか悩んでいいたら通りがかりのご婦人から、
「参拝していかなきゃダメじゃないですか」と背中をおされ、参道を進む事に。
参拝して本当に良かったです。
兵庫県の神社は大きな絵馬がたくさん奉納され、拝殿の前のお堂に飾られています。若狭野天満神社の説明看板では、拝殿前の絵馬が飾られている建物を”絵馬堂”と記してありました。神社の地域性を発見できる事も街道歩きの醍醐味のひとつです。
500mほど片側1車線の国道2号を歩きます。
トラックが多く、運転手さんも怖いと思いますが、歩きながら生きた心地がしませんでした。こんな路はもう歩きたくありません。
本日はここまで。
宿泊施設がありませんので、隣の上郡駅まで鉄馬車で移動し、普通の観光を楽しみます。
8.寄り道 上郡
落ちない城 白旗城。
縁起の良さそうな城ですが、山の上まで歩きたくない・・・・。
看板の隣にローカル鉄道智頭急行の駅があるので、500円のきっぷで行けるところまで乗ってみる事に。
佐用駅下車。
何があるのか楽しみです。
ホルモン焼うどんマップを発見!
只今の時刻14:46、まだ昼食を食べておりませんでしたので、この時間に空いている目的の店に向かいます。
謎の駐車禁止の規制看板、奇数日と偶数日に駐車禁止とは????
駐車禁止の規制で、商店街の利用促進と利便性を、高めようとしているのですね!官民の見事な連携です。
感動したところで目的の店に付くと”準備中”・・・・。Googleマップを信用しすぎました。0.4kmの無駄歩き。
気持ちを切り換えて、もう1軒に向けて歯を食いしばり向かいましたが、臨時休業の様です・・・・。
1.2kmの無駄歩き。
二度ある事は三度ある。
0.6kmの無駄歩き。
さまようこと1時間、ようやくお昼にありつけました。
猪肉ラーメン 美味しかったです!
こういった寄り道も楽しいですね。
もっと時間に余裕がある度をしたいものです。
9.上郡
宿泊先は花月旅館。
8代続く超老舗旅館で、70代の女将さんが一人で切り盛りしていますが、体調が悪いのでそろそろ閉めるそうです。
気前が良く、風呂上がりにビール二本も頂きました!
夕食は小さなカウンターが5席ある鮮魚店で、店で販売している魚を持ち込んで、美味しくいただきました。
なにもかもが美味しかった。
ぐっすり眠れそうです。