単身赴任と120年前は無人島・大東島へ15時間の船旅① 【タビマエ編】
沖縄に単身赴任中に行ってみたい島はどこか、未踏の島の中から絞り込むと、与那国島・波照間島・伊平屋島・伊是名島・粟国島・鳩間島・北大東島・南大東島が浮かんできます。そして今回選んだ島は、北大東島・南大東島。驚きの連続の1泊3日の船旅をレポートします!
1.何故大東島か
飛行機が飛んでいるのに、月に4〜5回しか運航しない貨客船があり、沖縄県内離島で最長の15時間航路。かなり揺れる事で有名で、修行僧の様な旅にチャレンジしたく、大東島をチョイスしました。ところが想像を絶する奥深さがある事をタビマエに知らされることになります。
2.プランニング
計画立てるの楽しいよね!俺って旅行会社で働くの天職だなぁと実感する瞬間。先ずは何月に行くか、考え始めたのが今年の夏頃で、台風シーズンは避けて、海が荒れる12月以降も避けたい、となると10~11月に絞られてくる。
3.荒れた海のトラウマ
何故12月以降を避けるかというと、去年の12月に台湾の高雄から那覇まで50,444トンの大型客船飛鳥2に乗ったところ、東シナ海上で低気圧接近に伴う風速30メートルの暴風とウネリで、船員さんが酔うレベルの壮絶な揺れを体験しました。大東島に行く大東丸は690トン、太平洋を東に向かう事を考えると避けたい時期です。上の写真はその時の5階の窓からの眺め、こりゃ尋常ではありませんでした。
4.時刻の変更当たり前
お世話になる大東海運さんホームページに昨年の運航スケジュールが残されてます。よーくみると、んん、なんだこれ、よくわからない、ていうか月に4〜5便しか出ていない…。しかもこの赤文字はなんだ、半分以上日程延期ではないか…。
しかも下段の赤文字を読むと、スケジュール確定は前月の20日、運航予定日は予告なく変更することがあります…。
いいじゃないか、受けて立とうではないか!
5.出航日決定
10/27 17:00
出ました10月の出航日、5回の運航、天候による遅延を想定すると、火曜日発金曜日戻りの航海予定の10/27(火)〜30(金)しか選択の余地なし!
出発が決定し、島や船旅好きの長男大学3年生を誘うもあっさり断られます。ひとりで十分!さぁ期待が膨らみます!
6.大東海運さんからの電話①
10/24 13:07
出航3日前大東海運さんから電話が入りました。おぉっ出発前の添乗員からの電話みたいで、ホスピタリティ抜群じゃないか!と期待してたら先週の船がシケで運航日変更の玉突きで、「出航日が27日→28日に変更になります」と慣れた感じの連絡。
きたな!太平洋の荒波!受けて立とうじゃないか!
何事もなく予定通り戻れる事を想定して、31日の朝那覇港到着後に入れてしまっていた仕事を社内のメンバーSさんにお願いする事に…。
海をなめてはいけないです、本当。
7.大東海運さんからの電話②
10/25 08:50
そして1日後、またもや大東海運さんからの電話。よぉし、受けて立とうじゃないか、そして結果は「もう1日出航送れますので、要は2日遅れとなります」と慣れた感じの電話。えぇ〜と言いたくなるところを、試練試練と心で繰り返し電話を切った後、よぉし、やってやろうじゃないかぁと、訳もなく不敵な笑みを浮かべているのであった。
8.大東海運さんからの電話③
10/27 16:34
またもや電話が、「もともとの航海は北大東島先回りでしたが、南大東島先回りに変更になります」。えぇ〜!
これ結構深刻で、説明すると長くなるので知りたい方は上の画像か大東海運ホームページ見てください。結論は、北・南の両大東島を巡るなら、宿泊先を予定してた南大東島→北大東島に変更する必要あり。かつゆっくり観光したかった南大東島が4〜5時間くらいしか観光出来ない。
ようし、受けてやろうじゃないが、のアントニオ猪木ばりの威勢の良さはなくなり、北大東島の宿を予約するべく、俺の沖縄観光本棚から、北大東島のパンフレットを引っ張り出したのであ〜る。
9.観光の方ごめんなさい
北大東島のパンフレットをみると宿が2軒、これはヤバイ、公共事業の建設工事などが入っていると部屋が無いかも…。1軒目「すみませ〜ん満室で〜す」、
運命の2軒目、電話すると申し訳なさそうに、「すみませ〜ん、お仕事ではないんですよね、実はうちの宿はコロナで観光の方うけてないんです、近くの飲み屋さんも同じなんです、そうしているのですよ」。
オオ〜ソレミォ〜!同じ県内とはいえ、コロナ陽性率で国内ワースト1位ロングラン中の沖縄県首都那覇市の人に1番きて欲しくないし、人口600人の医療体制考えたら、しゃ〜あんめよ(茨城弁だっぺよ)。
ちなみに旅行1週間前から、大東島にコロナ持ってきたくないので、真面目に外食控えてました。16.
▽結論
南大東島に宿泊して、今回は南大東島満喫の旅に切り替え、北大東島は楽しみに残しておきます!
10.事前学習
2日遅れのお陰で、大東島の歴史を学ぼうと、県立図書館で貸出厳禁の報告書を読む事が出来、旅が10倍楽しくなってきました。
その他写真集2冊島の歴史本1冊は貸りる事が出来たので、ジュンク堂で購入した北大東島の本と共に行きの船で読むことにします。
11.大東島ってどこ?
沖縄本島那覇から東に約400キロの孤島群。正式には、北大東島(人口約1,300人)・南大東島(人口約600人)・沖大東島(人口0人)の3島を大東諸島と呼びます。最近ですと大型台風10号で風速80メートルとニュースで騒がれてました。
島の方にお聴きしたら、大きな被害はなかったようで、本当に良かったです。
12.不思議な地形
島の周囲は北大東島13.5キロ・南大東島20.8キロ・沖大東島4.5キロ、とても小さな島ですが周辺は4,000メートル級の深海なので、海底からドラム缶を立てた様な感じでそびえ立っているのかと、勝手に想像してしまいます。
実際に行ってみると海上にクレーターが浮かんでいる感じで、島の中心部は盆地になっており海は全くみえず、一面サトウキビ畑で、まるで北海道の富良野にいるようです。
毎年5センチ沖縄本島を目指して移動しているそうで、いつか陸続きになるのでしょうね。
13.アクセス方法 空の便
琉球エアーコミューターさんが、約50人乗りのプロペラ機で、那覇空港↔︎南大東島が毎日、那覇空港→北大東島空港→南大東島空港→那覇空港の三角フライトが周4日位飛んでます。北大東島と南大東島の区間は飛行時間15分の日本一短い区間です。
琉球エアコミューターさんのキャッチコピー、「島々を結ぶ信頼の翼」カッコイイ良すぎます!
14.アクセス方法 海の便
大東海運さん、説明はしてますので省略しますが、もし行かれる方のために豆知識を紹介します。
予約は全て電話で、それぞれ乗る港の大東海運さん事務所に電話して予約をとります。運航前日または当日午前中に乗る港で出向いて乗船券を購入するルール。購入に来ないと取消されちゃいます。余程の自由人でないと船には乗れないのかと思っちゃいます。ホームページには定員55名とありますが、全員が二段ベッドの寝台を利用するのですが寝台番号が36番迄と5人用個室が2部屋あったので、残りは船員さん用かもしれません。
15.黒革の手帳情報
沖縄の黒革の手帳こと、県民手帳より沖縄県内離島船便の一覧を、紹介します。我らが大東海運さんダントツの運航時間、これ凄いでしょ!
私若かりし頃25年くらい前に小笠原島に船で行った時は26時間位かかった記憶があります。いい歳して若い頃と同じ行動取るあたりに成長が感じられないと、揺れる船内でほくそ笑んだのでした。
16.シュガーアイランド
1885年に無人島であった大東諸島を日本の領土にして、1900年にはじめて人が住み始めたのです!120年前までは無人島だったなんて驚きです。
ちなみに沖縄は150年前は日本ではなく琉球王国でした。
開拓したのは八丈島のベンチャー玉置半右衛門さんが、360度断崖絶壁で船が着岸できない島に上陸し開拓、サトウキビを栽培し製糖工場を建てて営業。代々オーナーが変わりつつ、今でもシュガービジネスが、島の中心産業となってます。
この煙突のメッセージ、カッコ良すぎます!
17.戦前まで無政府状態
なんと戦前まで島の自治はシュガービジネスオーナーが仕切っており、学校・自警団、土地管理、船の運航、郵便物の管理などなど、まるで独立国家だったようです、なんか怖いです。
ちなみに終戦後米軍統治を機に、写真のおじさん、米軍統治時の沖縄の最高責任者であるキャラウェイ高等弁務官さん。オーナーと島民と議論の場を設け、島民に土地が分け与えられ、島民は大喜び、島のヒーローです。
これにて独立国家は終わったそうです。
ちなみにキャラウェイさんは沖縄本島では不評で、沖縄を舞台にした直木賞受賞作「宝島」では事実かわかりませんがキャラウェイさん暗殺未遂事件も起こってました。
銅像がある事にかなりかなり私はビックリしました。
ようやく出航の時がやって参りました。
2日延期になったので、タビマエの出来事が多すぎて、
文章作るのくたびれましたのでこの続きは、
タビアト編でお付き合いください。