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テルミン熱、再燃(自分が)

こんな記事を覗きに来るようなダメ紳士淑女の皆さまには説明不要かと存じますが、シンセサイザーの祖にあたるロシア生まれの「テルミン」という電子楽器があります。

存在そのものは、ザ・ビーチボーイズ最大のヒットソング"Good Vibrations"や、古今東西のSF映画などでマニアには知られてましたが、日本で一般層に知られるようになったきっかけは、2001年公開のこの映画だと思います。

当時我が愛知県に在住していた竹内正実さんを筆頭に、「テルミニスト」なる演奏家にスポットが当たり、テレビ番組でもテルミン特集が組まれ、触れずに豊かな演奏ができる楽器という認知が広まりました。

都市部のカルチャーセンターにもテルミン講座が生まれたり、「俺は昔から知ってるぞ、吉田テルミン!ガッハッハ」なんてオヤジギャグが飛び交ったのもこの頃でした。

伝説の「イシバシテルミン」を持っていたワタクシ、当然のごとく件の映画も観に行き、さらにこんな小型テルミンを購入し、ささやかながらブームに貢献したクチです。


http://www.xecoo.co.jp/News/XMT2.htm

テルミンは通常ピッチとボリューム、2本のアンテナを両手でコントロールして演奏する楽器です。

しかし前述のxecoo製テルミンは音量制御に光センサーを採用しており、屋内ではうまく作動しないこともありました。

2001年当時、本格的に演奏できる市販品は、モーグのEtherwave以上の高価なものばかりでした。
(2019年現在、Etherwave Standardは5万円程度で買えますが)

そんなプチブームが一段落した2007年、学研が『大人の科学』としてテルミンminiを突如発売し、22万部超という記録的な大ヒットとなります。

ボリュームアンテナがスイッチ式という、ちょっと変わった仕様でしたが、僕も友人の分も含めて3台組み立てました。

そして翌2008年、学研がウハウハの勢いで世に送り出したのが「テルミンpremium」です。

2基のアンテナ搭載の本格派で1万円を切る安さ爆発ぶり。当然速攻で購入しました。

どことなく家電感の高いパッケージ。
若い女性への訴求なのか、『ウゴウゴルーガ』(フジテレビ)でおなじみの小出由華さんの姿が。

箱から出してアンテナを取り付けたところ。白い筐体がなんともポップ。

本体だけ見ると、家電感がさらに高まります。
「ひとり暮らしの女性にも優しいインターホン」みたいな。

ほぼ10年ぶりに弾いてみましたが、アース用のゴムバンドが劣化していた程度(娘のヘアバンドを代用)で、しっかり音も鳴りました。音色はややノコギリ波に近い感じです。

ただ当時も同様ですが、低域のレンジが極端に狭く、演奏の難易度はそこそこ高いというのが実感。
ボリュームへの干渉を考えると、アンテナからの有効距離は15センチ程度なので、まともに使えるのは高域の2オクターブほどとなります。

とは言え電池駆動でスピーカー内蔵、外部出力端子もついて驚きの価格。
コストパフォーマンス的には2019年現在でも充分素晴らしいと思います。

10年前にはなかったmini Kaoss Padを接続し、エフェクトをかけてみた図。
これがまたベストマッチングで、とんだ時間泥棒になりました。リバーブやディレイもいいんですが、フィルターも多彩なので音色を丸めてサイン波に変えてしまうこともできます。

ところで、どうして今さらこのテルミンを引っ張り出してきたのかというと、ある家庭の事情で僕がテルミンを弾ける、なんて話が出て、近日中に人前で披露するハメになってしまったからであります。

その機会がボーナス日を跨ぐようなら、いっそのことこっちを買ってもいいかなと思ってます。
VA音源ですけどね。

テルミン博士の姪っ子であらせられるリディア・カヴィナ女史が、表情豊かにノリノリで演奏してます。
これ見てたら原理主義も一掃されること請け合い。

そういやテルミン、今年から来年にかけて開発100周年じゃなかったかな。

僕も50代に突入したんで、老後に備えて打チコミスト兼テルミニストの道へ歩み出そうと画策してます。

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みくばんP
ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。