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やりたいこととできること。

おそらく夢というものは誰にでもあると思います。
金が欲しい、家が欲しい、1年の半分休みにしたい、メイドが欲しい、透明人間になりたい、チラシの裏に描いた漫画がミリオンセラー、死ぬほど餃子が食べたい、脱サラで野球殿堂入りしたい、自分の半生をアニメ化してネトフリで全世界配信、ヒット曲ひとつで印税生活、石油王になりたい、初当選で総理大臣、どれも結構でしょう。

でもそういうことは、たいてい決起力と運と実力が見合わないから実現しないのです。だから夢で終わるわけです。

そもそも、自分の人生を振り返ってみた時「なりたいと思っていたものになれた」という結論となることは滅多にありません。
それでも時間をおけば「面白い人生だった」と思えることはあるでしょう。

ずっと昔から望んでいたことではなく、不意に訪れた事態に反応してみたら、他人に巻き込まれていたり、他人を巻き込んでいたということが人生の面白さなんじゃないかと、最近気づくようになりました。

そのきっかけは自分の思いつきだったり、誰かの発言だったりします。登場人物のひとりでも「ノー」と言っていたら、こんなことにはならなかった、ということも多いです。

大河ドラマに出てくる戦国武将のように、ロードマップに沿った策略を立て、様々なアクシデントを想定してクリアしながら成功に導く方がレアケースです。反面それはたぶん面白味のない人生でしょうし、実在した武将もドラマと違って、成り行きで生きてこられただけじゃなかろうかと。

だって人間はそんなに賢くないし、他人は自分に従順じゃないし。
だから社会は、決して思い通りになんかならないのです。

でも自分の想像を超える面白さに出会して、それまでの人生がリセットされるほど激変することもあります。
友だちが誘ってくれたイベントや映画に行ってみたらハマってしまった経験のある方は多いでしょう。

こうした経験から得られるものは夢なんかではありません。現実の中で見つけられた強運なんでしょう。
もし巡り巡ってこどもの頃になりたかったものになれたとしたら、MP200の豪運の持ち主なんでしょう。

僕自身、最近そんな強運にあるな、と感じることが多々あるわけです。
もちろん以前からやりたいと願っていたことじゃありません。現実に転がり込んできた細かいことが伏線になって、気持ちを委ねて動いてみた結果、初めて自分にこんなことができるのかと思い知らされるわけです。

なりたかったものじゃないけど、できることの積み重ねにより、なんだかいい湯加減になってしまって、そのこと自体がすっかり面白くなってる。
50歳を超えて、ようやく「夢は夢に過ぎない」と確信した次第です。

なんだか安っぽい自己啓発セミナーの書き起こしみたいになっちゃいましたが、他人に巻き込まれるという受動的な事態も、時と場合によってはポジティブになり得るし、夢より現実が面白くなることはあるんだなと。

思い通りに行かないけど、腐らずに生き続けるって大事だよね、と最後に書いておきます。

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みくばんP
ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。