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古代翡翠文化の謎を探る 小林達雄編
新潟県糸魚川市で行われたシンポジウムの内容を元にまとめた本。編者の小林達雄さんをはじめ、錚々たるメンツが参加されています。
翡翠についてはあちこちで出土はするものの、祭祀とか身分を示すものとして使われてたんじゃないかくらいの話になりがちなところを、様々な分野や立場の研究者たちが、技術的な分析や、南太平洋での交易にまつわる文化人類学的な考察などを交え、多角的に検証しています。
糸魚川という土地は、翡翠の他にもヌナカワヒメというとても綺麗な名前の神様がいて、ヌナカワヒメを祀った2つの神社には、大阪四天王寺から伝わったとされる11の舞楽が残っていたりと、縄文時代から現代までに続く空気を感じられる清浄な土地です。まあ舞楽が伝わったのは室町時代な上、私は能生の方しか見てないんですが、原型とどめてないんですけど。原型とどめてないのが、土地によりそってる感じがしていいですね。
そしてこれだけ流行った翡翠が、ぱったりと姿を消してしまい、昭和まで1000年以上の長きに渡り忘れられていたというのが驚きです。糸魚川というのもなかなか行くのが大変な場所ではあるので(特におそらく信仰のコア地域である能生は不便です)、網羅的に触れることのできる本書は良いのではないでしょうか。