【CD紹介】Mirand Sex Garden 「Madra」
女声三人ユニットによるイングリッシュ・マドリガルのユニット。グループは他にも作品をリリースしていますが、この形態のものはおそらくこの1枚だけなのでご注意ください。
元になったイタリアのマドリガーレをよく知らないのでこの作品をベースにしかお話できないのですが、ルネッサンス期にイギリスで流行した歌曲だそうです。全25曲入りなのですが、タイトルの後ろに(1598)などとついているのは制作年なのでしょう。日本で言えば関ヶ原の戦いとかそのへんの曲ということですね。信長の「人間50年〜」の譜面が残ってたというような感覚なのかしら。
女声三人によるアカペラで構成されているのですが、単旋律を装飾するだけでなく、異なる3本の旋律がついたり離れたりしながら絡み合い、ハーモニーを作りながら最終的には合流したりと、自由なアンサンブルで構成されています。対位法が技法として成立する以前の楽曲だから当たり前と言えば当たり前?歌唱自体もときどき変なダミ声になったりと、自由で心地よい。
ルネッサンス期はスケールの使い方も後世と異なっていて特徴的ですし、そこにより自由な音楽が加わって他では聞くことのできない響を楽しめます。ごちゃごちゃしそうなくらい自由なところを、三人の声だけで構成しているので胃もたれもなし。
Spotifyでは聴けないようなのですが、Amazonで中古盤を入手できるようです。