直感で円安時空を超越しろ “SPAWN series 8 Gatekeeper”
円安、キツ過ぎないか〜い?
物価上昇『デラックスクラス4000円』
国際送料『あと2個買える額じゃん』
為替相場『29.99ドルは約5000円』
俺『円安三銃士!?ぐわぁぁぁあー!』
…という具合に毎日ドルと格闘しているであろうオモチャオタクのみなさん、ごきげんよう(よくない)。
まぁどれだけ懐が寒くなろうと購買意欲を下げられないのが我々のサガなワケで。
しかし私は、様々な商品の価格が暴騰している現在でも、比較的安価に楽しめるアメトイシリーズがあるとの情報をキャッチした!!!そのシリーズの名は!!!
SPAWNである!!!!!!
『SPAWN』とはトッド・マクファーレン原作の大人気アメコミ作品。ストーリーやら何やらはこんな記事読んでる人はぼんやりと知ってるでしょうから割愛します(気になる人は自分で調べてみてね)。
スポーンの理想的なグッズを売り出すべく、自分の会社に玩具部門を設立したマクファーレン氏は、細部までこだわり抜いたオモチャを次々と発売。世界中のマニアが熱狂!
20世紀末には日本でも大ヒットし、激ヤバ即ゲットフィーバーを巻き起こします。ブームの名残である激安スポーン・ウルトラアクションフィギュアを、近所の中古屋で見ることは現在でも珍しくないですよね。
つまり、円安であらゆるものが高い今ですら、旧作スポーンは投げ売りされていることが多いのです。なんというおもちゃライフハック。
「でも安いってことは何か問題があるのでは?」と思ったそこのアナタ!鋭い!概ね正解です!!!
「ウルトラアクション」とありますが可動部位は精々5〜15程度で、関節部の癒着は当たり前のように発生します。金プラやクリアパーツが砕け散るのは勿論のこと、ギミック用液体の腐敗による異臭の発生など、何も知らずに買ってしまったアメトイ初級者には無理難題が降り注ぐこともあるでしょう。
しかし、これらを乗り越えた先に見えるのは、当時のマクファーレン・トイズが誇った圧倒的な造形力と、これでもかと注ぎ込まれた商品開発への熱意です。
というわけで今回は、私とマクファーレン氏のイチオシ(ガチ)フィギュア、ゲートキーパーをご紹介。地獄の門番である彼と共にスポーンフィギュアコレクションの扉を開いていきましょう!
好き過ぎて未開封も持ってるので、まずはパッケージ。デカいSPAWNの5文字が目を引きます。稲妻がフィギュアに向けて走っているのがブリスターの向こう側の世界を感じさせてマジで最高なんですよね。台紙を活かせるブリスターパックの強みを最大限に引き出していると言えます。裏面のワクワク感も素晴らしい。
こちらは1997年6月発売の商品で、シリーズ8の商品。比較的初期のラインナップです。駿河屋で1500円程で購入。安い。
印象的なグリーンのボディに鎖帷子の頭巾と布製マント、クローアームと化した右腕や武装の数々が、デスティニーガンダムもびっくりの絶妙バランスで成立しています。
マクファーレン・トイズ(旧トッド・トイズ)の設立が1994年なので、設立からわずか3年でこれを生産してます。なんだこのバケモノ会社。
メルボージャ(マレボルギアとも。俺が800円で買ったデカい野菜みたいなフィギュア)は地獄の首領で、天界との戦争の為に優秀な人材を地獄に呼んで無理矢理部下にするとんでもねぇ野郎です。
この手順で部下になると胸にMのような紋章が刻まれて地獄の戦士ヘルスポーンとなるのですが、ゲートキーパーにはないので元々地獄の住人なのでしょうか。
各部の傷痕や縫い目が彼の壮絶な闘いの歴史を想起させます。
このゲートキーパーというキャラクター、なんとSPAWNのコミックには一切登場しません。
この頃フィギュアとして立体化されるのは半数以上が玩具オリジナルキャラクターとなっており、これは単に原作キャラが足りないだけでなく、「コミックを読んでない人でもフィギュアを楽しめるように」というマクファーレン氏の意向によるものです。
そんな事を知らない愚かな私はゲートキーパーを初めて目にした時、原作ではどんなキャラクターなのかをまず調べまくりました。だってこんなカッコいいキャラクターが原作未登場とは思わないじゃないですか。
フィギュアの売り方は、コミックの販促も兼ねて、原作キャラ中心で展開するのが現在でも一般的です。原作に登場しないキャラって大体売れ残るし…
しかしマクファーレン・トイズは凄まじい造形力により、オリジナルキャラにも原作登場キャラ並みの説得力を持たせることに成功しているのです。
当時のマクファーレントイズは塗装に使う色の数を制限しないようにしていた(異常)らしく、造形美を際立たせる渋くもカラフルな塗装を実現しています。
全身に施されたウォッシングの陰影によりリアリティ溢れる仕上がりに。マクファーレン・トイズのスタッフ達のこだわりが感じられます。
マクファーレン・トイズはテカテカの光沢がある安っぽいオモチャではなく、多少高くなっても、大人にもウケるリアルな質感のアクションフィギュアを作ろうとしており、最初からコストは度外視だったんだとか。
ちなみにゲートキーパーの当時の販売価格は2200円。ほぼ同時期に発売されたビーストウォーズのコンボイが2980円なのを考えるとそこまで低価格な部類ではなさそう。
しかし、昔のおもちゃの希望小売価格を調べるとあまりに安過ぎて悲しくなってしまいますねぇ…マイ伝ユニクロン7980円て…
義手のクローはスプリングで射出できます。アメトイらしいシンプルなギミック。童心が騒ぎます。
改めてマントと頭巾をセット。一層ボスキャラ感が増しますね。
可動範囲ですが、今の目で見ると正直微妙です。特に脚部は動かすとほぼ自立しないのでオマケみたいなものですね。
しかし上半身は動かし慣れるとカッコいいポーズが決まるようなります。ボールジョイントやリボルバージョイントもない時代と考えると、ポージングの幅は広い方かと。
では近接武装紹介。まずは刀剣。日本刀のような形状をしています。取り回しが良さそうですね。
余談ですが実はこのゲートキーパー、原作には未登場ですが「Spawn in the demon's hand」というCAPCOM製対戦ゲームのボスキャラとして参戦しており、一定条件下ではプレイアブルキャラとして使用することも可能です。
但しボスとしてデザインされたキャラクターをそのままプレイアブルにしただけなので規格外の超ぶっ壊れ性能を誇ります。
他のキャラだと弾数制限があるのに無限に撃てるロケット砲、遠距離から一気に詰めて敵の体力をゴッソリ持っていけるダッシュ&スラッシュ、極め付けはエリア内の全ての敵の真下から火柱を放って焼き殺す必殺技のファイアピラー。これ連
打してりゃ大体勝てます。あまりの強さにより使用禁止にするゲームセンターもあったとかなかったとか…
刀剣は背中にマウント可能。武装マウントも童心に響く良い要素ですよね。
続いて大剣。命を刈り取る形状をしています。刃と逆に持っているように見えますが、デザイン画もこの向きなのでこれが正しいようです。逆刃刀的武器だとしたら、斬れ味なんて関係ない程の怪力や剣術を持っているのでしょうか。イマジネーションが広がります。
最後に棍棒。各所に棘があり魔界らしい雰囲気。棍棒はあらゆる武器の中で最も基本的で原始的な物です。武具の達人であるゲートキーパーらしいチョイスと言えるでしょう。
様々なスポーンと比較。6インチなのでマーベルレジェンドやフィギュアーツと同じサイズ感です。つーか2022年のフィギュアと並べてもそこまで見劣りしないのが驚き。発売に25年の差があるとは到底思えません…
同シリーズのカース・オブ・ザ・スポーンと対決!
正直こんなにカッコいい写真撮りまくれるとは思わんかった。なんか普通にブンドド出来ちゃってめちゃくちゃビビってます。ウルトラアクションの名は伊達じゃないってことですね…
というわけでゲートキーパーでした。マクファーレン・トイズの激ヤバ加減を少しでも感じて頂ければ幸いですが如何だったでしょうか。
フィギュアの楽しみ方は様々ですが、自分がその造形をカッコいいと思って手に取ったなら、別に設定とか最低限で構わないと教えてくれる傑作フィギュアでした。おもちゃの価値を最終判断するのは自分ですからね。自分の直感を信じることを忘れずに、より良い玩具ライフを築いて行きましょう!さぁ、中古屋へ、もしくはフリマサイトへ、走れ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
そして貴方は知ることになる…全てが安いとは限らない…それがSPAWN沼だと…!