【英国滞在備忘録】#76 Londonでの中国春節(旧正月)
28th January (Saturday)
今日は、TOEIC試験の本番。
イギリス滞在の最後の受験である。
今まで勉強したことは出せたと思う。
試験後は、土曜日恒例のMolly’s Clubへ。
主催者含めて、いつもの面々と最後の会合を楽しむ。
会の後も二次会を企画してくれて、すっかり遅くなり、日付変更線を越えていた。
1月29日(注:2006年)は春節(旧正月)。
英語ではチャイニーズニューイヤーと言うらしい。
昨年のこの時期に、李小牧(リーシャム)氏のコラムを呼んだ気がする。
日本では祝う雰囲気が全然無いが、旧正月には"新年好"と言葉をかけ合いたい、みたいな内容だった。
事実、俺も去年までは、その年の何日が旧正月なのか知らなかった。
ロンドンにはチャイナタウンもあり、盛大に祝いが行われているようだ。
28日に、うちの大家に旧正月について聞いたら、もう新年になったと。中国標準時が基本らしい。
昨夜バスに乗っていると、酔っ払いが大きな中国風のボンボリをもっていた。旧正月の祝いの品なんだろうということは、容易に想像できたが、彼らはアジア系ではなかった。
単に興味本位で買ったのかな、と思っていたら、俺を見つけた彼らは嬉しそうに話しかけてきた。
"俺は日本人なんだよね"
日本ではあまり旧正月は祝われていないことを説明する。
"俺はアルジェリア出身で、国では祝うんだ"
へぇ~知らなかった。
彼は、連れの男たちに色々説明している。大きなボンボリにご満悦の様子。
そうこうしているうちにバスが右折をミスってどこかをこすった。
乗客が一斉に、からかいともブーイングともとれる声をあげる。それに続いて何人かが罵る。
俺に話しかけた自称アルジェリア人は"スチューピッドマン!"と罵る。
結構ひどい。
それを他の乗客が咎めた。
"そんなこと言うもんじゃない。ドライバーのお陰で俺らは深夜2時に家に帰れるんだろ"
正論をずばっと言う。
"へたくそだからだ"と例のアルジェリア人は言い返す。
もう一人の乗客はひたすら正論を唱える。
だが、アルジェリア人、実はバスの運転手。
"俺が運転したらこんなことなんて絶対おきないぜ"と息巻く。
一触即発の雰囲気。やば……。
どうやら連れの証言では本当に運転手らしい。
ルートまで明言した。
さっき注意した正論の彼はちょっとひるむ。
"そういうことを言っていいのは、君の運転のレベルが云々……"
連れの男たちが彼は酔ってるから、ということのせいにして事態は収拾された。
アルジェリア人は、アラビア語を話すかと正論の男に聞いた。
"俺はフランス人だ"と答える。
つまり、話さないと言いたかったのだろうが、アルジェリアはフランスの旧植民地ということは周知の通り。
このアルジェリア人は"その答えは無いだろ"とからかう。彼には初めから敵意は無い。
かくして、最後には二人は握手して、色々話していた。
異国の地で実感した異国の文化。
日本での旧正月はどんなでしょうか。
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スギヤマが学生時代にイギリスで語学学校やインターン、ストリートで多文化と戯れた記録です。 22歳の青臭い感覚を読み物としてお楽しみいただけ…
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