【英国滞在備忘録】#65 カウントダウンとNew Year
30th December (Friday)
今日は今年最後のアルバイトだ。
家族は今日もロンドン市内を観光するという。
アルバイトを終えて、夕方に合流。
セントポール大聖堂へ行ってきたそうで、ささやきの回廊が本当に声が伝わることに驚いていた。
ちなみに俺はセントポール大聖堂には行ったことがない。
ホテル近くのKings Cross駅と言えば、ハリーポッターの9と3/4プラットフォーム。
ストーリーさながらカートが半分壁に埋まっている演出があり、記念写真を撮ることができた。
31st December (Saturday)
大晦日。
渡英前のリクエストで、オックスフォードに行きたいということだったので朝からオックスフォードへ向かう。
またもハリポタで有名なクライストチャーチ(写真は以下の備忘録)なども見学し、聖堂にも昇る。
昼食は、地元でも人気のEagle & Childで食べる。
有名な作家も通ったというパブだ。ここでナルニア国物語や指輪物語などが構想されたのだろうか。
昼時のパブは混雑していて、4人で席をとることはできなそうに見えたが、親切な学生と思しきグループが席を融通してくれた。異国での親切な体験に母はとても感激していた。
日帰りでのOxfordへの旅であったが、十分に楽しんだ。
高速バスを降り、地下鉄でホテルへ向かう。
しかし、地下鉄を降りようとするとドアが開かないまま通り過ぎてしまった。
ストライキを決行するという可能性がメディアで報道されてはいたが、他の駅や列車は運行していたので、この現象を理解できなかった。
親は「もしかしてテロ!?」なんて言い出す。
でも、やはりストだった。
部分的に駅を閉鎖しているとのこと。
キングスクロスを通り過ぎ次の駅でバスへホテルに向かうことにする。
この日、23:45から元旦の4:30までロンドンの交通機関はタダになる。その割りに、スト決行かよ!と思うのは当然だが、メディアの報道によれば、そのタダにするロンドン市長の企画を労組は阻みたい様子。
大晦日の無料企画自体もストの理由のうちの一つのようだ。
駅周辺には混乱気味の観光客や利用者が多くいた。
バスドライバーもストの一環なのか、どうやら私服で運転しているようだ。
ドライバーに罵る乗客。
逆に、"Cheer"なんて言っている客(これはサーカズムなのかも知れないが)
片言の英語で行き先をしきりに確かめる観光客。
"触らぬ神に…"とばかりに殺気立ている人から離れる日本人たち(俺)
殺伐とした空気がバス内に流れる。
にしても、明日から地下鉄値上げなのに。
利用者としてはたまったものではない。
なんと労組の強いことか。
ホテルで休憩した後、新年のカウントダウンに向けて一家で出かける。
寒さに凍えつつも、テムズの河畔でロンドンアイとビッグベン周辺で炸裂する花火を観ながら迎えることができた。
考えてみると人生初の俺の田舎以外での年越し。
当たり前なんだろうけど、日本と違いあまり正月気分はない。
酔っ払いが恐ろしい。
元日は家族が日本へ帰る日。
日本の常識は世界の非常識とはよく言ったもので、日本では元旦にこそ臨時増発する電車も、この国ではストのせいで不便この上ない。
夕方のフライトだったが大事をとって早々に空港を目指す。
だが、出鼻をくじかれる。
地下鉄の案内係のお兄さんの話では、タクシーでしか空港には行けない、とのこと。親切に対応してくれたが、こちらは落胆。
とりあえず、バスで行けるところまで行こうと移動する。
ラッキーにも開いていた駅からはヒースロー行の地下鉄に乗ることができた。お兄さん、情報違うよ!?
時間もあったため空港のカフェテリアでゆっくりと食事をして、両親と妹を見送る。
来た道を戻り一人でフラットに帰ってきた。
2006年の幕が開けた。
誕生日を迎えたときと同様に、今年の年越しは特に実感がない。
2005年を振り返る。
時間の区切りは場所に関係なくやってくるから。
去年の正月には「途を決め、備える」なんて絵馬に書いた。
就職先を決めて、留学しようという内心に秘めた願望があった。
身の振り方を考えるという意味で去年は重要な年だった。
2006年は、働き始める年。
俺は、できる限り早く働ける(経済的に自立できる)ようになりたかった。親に頼ってばかりいたくなかった。
今年、それが現実になる。
今年、働き始めること自体、良いか悪いか。今となっては分からない。
ともあれ、現実となる。
そういう意味で今年も重要な年。
俺はいつでも「今」が一番楽しいと思っていたいし、そうなるように生きて行きたい。
でも、「あの頃はよかった」と言いたい。
ただ、それは単なる懐かしみで、今、眼前にある現実からの逃避ではありたくはない。
お世話になった方々への感謝を忘れず、2006年も精進。
今年は、「貪欲に学び、ものにする」
予断をせずに、まっさらなところから始めたい。
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