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【英国滞在備忘録】#62 LondonでのChristmas!!

【本編無料】このシリーズは学生時代にイギリス滞在した当時の記録をそのままに、現在のスギヤマが振り返る備忘のためのコンテンツです。有料エリアでは今振り返ってのコメントや人物が鮮明な写真などが表示されます。

24th December (Saturday)

イギリスのクリスマス、12月25日はお店も交通機関もお休みだという。
アジアやアラブ系のお店やタクシーは休みではないようだが、公共交通機関が一切動いていないらしく、家で一日、読書とテレビしかないかと思っていた。

昨夜のエクアドル出身の友人、Sから入電によりクリスマスイブの午後、彼と会うことになった。

そして本日、24日。定刻に彼は現れた。

「とりあえず、俺んちに行こう」

午前で仕事を終えた彼は、そう提案する。
てっきりどこかで飯でも食うのかと思ってた俺は、やや困惑。

彼と会ったのは全部で3回。内心、警戒を怠るべからず、と意識する。
行ったことのないとこに住んでる3回しか会ったことのない外国人(まぁ俺もだけど)の家にあなたは行きますか?

俺は行っちゃいました。

彼の家に到着。
うむ。悪くない。わりと、きれいだし。
家には彼の姪と同居人のO、それから友人のPがいた。
"4対1では戦っても、勝てないな"とかそんなことは思わなかったけれど、警戒は解けない。Sには悪いが、解いてはいけないと思った。

家にいた3人のうちPだけには以前1度だけ会ったことがある。
Pはほとんど英語は話せない。一方でSはスペイン語、ポルトガル語、イタリア語(全部似ているらしい)と英語を話す。そのせいか、けっこう訛りはあるようだ。

Sは、今夜、Pと一緒に友人宅へ行くから一緒に行こう、と言い出した。車で行くとか言っている。
そして、俺に「運転できるか?」と聞いてくる。
素直に俺は、「国際免許もってるよ」と答える。

かくして、俺のパーティー参加と運転が決まってしまった。
そんな得体の知れない提案にのる日本人もどうかと思うが、3回しか会っていない俺に運転を頼むエクアドル人もどうかと思う。

とりあえず、行きはSが運転することになった。
帰り道を覚えておけよ、Sが念をおす。
運転が決まったことで、俺は酒を飲まないことになった。
これで酒をシコタマ飲まされて寝入ったところを身包みを剥がされる危険性はなくなった。と一人で納得。

出発して、すぐに彼が俺に運転を頼んだ理由が分かった。
彼は初心者なのだ。
初心者以前に・・・?! これ以上は想像にお任せします。
スローな運転。ハラハラする車線変更。信号前の急停車。
思わずハンドブレーキを引いてしまう俺。

彼自慢の愛車は日本製。だから右ハンドル。
でもヨーロッパ仕様のためかウィンカーとワイパーが左右反対。ハンドブレーキも同様で助手席に近い側についている。

途中でスーパーマーケットに寄る。

国内最大手のTesco、クリスマスイブのため17時に閉店。
よって撃沈。
小売業界2位のASDAへ行く。
18時で閉店のため、なんとか滑り込めた。

自然災害でも起きる前なのかというほど、みんなが何かを買い込んでいた。
箱買いで、カートに商品が満載の客がわらわらと出てくる。

買い物を終えて、一路目的の友人宅を目指す。
途中で同乗していたOを降ろす。それと同時にドライバーの交代。

はい、やってしまいました。
イギリスで初の運転。しかもロンドンのど真ん中から。
Sがナビは任せろ、と言うので安心していた。

S自慢の日本車

が、マジで危ない目に遭った。

俺「どっち行くの?」
S「まっすぐ行け!」
俺「えっ!? バス Onlyだぁっ!!」

はい、マジ怖かったです。
そのレーンはバス専用車線で、すぐに右折するためだけのもの。
そこを直進してしまったっ。。
正面から迫りくるタクシー。絶叫する同乗者。
ウィンカーを出したつもりが虚しく動くワイパー。

交通ルールは左側通行という日本と同じ条件なのに逆走しました。
中央に高い塀みたいなのがあって本来走るべき反対車線には戻れないし。
無我夢中で脱出。なんとか事なきを得た。
ロンドンは一方通行も多く、左車線があると思いきや、全部反対車線のレーンだとか、そういうところがあるようで、慣れないと危険です。

その後も動揺を隠し切れず、ウィンカーを出したつもりが、いつもの癖で右を操作してしまい、ワイパーが動くという恥ずかしい状況。
Sのナビも決して充分とは言えず、進行方向が直前まで分からない。

S「レフト!レフト!」
俺「指定方向外進行禁止だよ! 次どっち?」
S「ライト!ライト!」
ウィンカーを出そうとするたびワイパーが作動する。


そんなこんなで、やっとこさ、友人宅に到着。
運転に気をとられていたが、俺はこれから未知の領域に踏み込むのだ。

俺らを迎えてくれたのは30歳前後のエクアドル人男性。Sと同年代だろう、イギリスに来てからの10年来の友人同士という。
部屋のドアを開けると、Sの友人の妻と思われる女性とやや年配の女性。さらに2人のこどもの姿も。
小学校に上がるか上がらないかという年頃。
こどもがいるということで少し安心した。

だが油断ならない、と内心誓う。俺ってやなやつだなぁ、と思いつつも用心に越したことはないからな、と思いなおした。

料理は美味しかった。
エクアドルの料理だそうだ。
エクアドルでも日本と同じくお米を主食としているという。
前菜のスープに加え、メインのターキーに、様々なタパスなどをご馳走になった。
睡眠薬とか入ってたらどうしよう、そんな妄想もしてみる。

Sはコイントスでどっちが帰り道を運転するか決めよう、と持ちかけてきた。
俺は、俺がするから飲んでよ、と返す。

Sは嬉しそうに親指を立てた。
かくして宴は始まった。彼らは殆ど英語は話さないので、Sが時たま通訳してくれる。
途中で、ケーキまで出てきた。今年はケーキは食べられん、と思っていたが、思わぬところでご馳走になれた。

俺らはSの友人宅にお土産として300mlの瓶ビールを1ケース(24本)買って行った。だが、宴も酣になることにはSとSの友人の家主、Pの3人で飲みきってしまっていた。
エクアドルのビールはこの3倍あるんだ。そういって500の缶を片手にPは上機嫌。

そんなこんなで2時近くなっていただろうか。
クリスマスイブの宴は幕を閉じた。
帰りは車の仕様にも慣れ、交通量も少なかったため順調にSの自宅まで帰りつけた。
それから更に缶ビールを3人で開ける。今度は俺も飲める。
3時だって言うのに、つか今までにシコタマ飲んでるのに、まだ飲むのか、この人たちは?

Sの自宅に泊めてもらった俺は、それでも財布だけは懐にしまって就寝。
彼らは、その後も飲み続けたらしい。


25th December (Sunday)

Sの家でクリスマスの朝を迎える。
サンタクロースは物のプレゼントではなく、忘れがたい思い出をくれたようだった。

SやPと、Canary Wharfという高層ビルの立ち並ぶ、新興のビジネス街を見物しに行った。
ロンドンの金融街と言えば、証券取引所とイングランド銀行があるシティが有名だが、再開発地区であるCanary Wharfにも世界的に有名な銀行や外資系のビルが立ち並んでいた。

中心街ではあまり見かけない高層ビル群
いつかここに戻ってきて働きたいと思った


Canary Wharfから俺の家まで送ってもらった。
俺の家からも程遠くないところにあるタワーブリッジを通過する帰り道。

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Christmasには車がないとどこにも行けない


ともあれ、記憶に残るクリスマスになったとさ。
温かく迎えてくれたみなさまに感謝。
Happy Christmas!!

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スギヤマが学生時代にイギリスで語学学校やインターン、ストリートで多文化と戯れた記録です。 22歳の青臭い感覚を読み物としてお楽しみいただけ…

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