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【英国滞在備忘録】#77 ラテンな闇取引?

【本編無料】このシリーズは学生時代にイギリス滞在した当時の記録をそのままに、現在のスギヤマが振り返る備忘のためのコンテンツです。有料エリアでは今振り返ってのコメントや人物が鮮明な写真などが表示されます。

29th January (Sunday)

英国滞在最後の週末はエクアドル人の家に招待された。
クリスマスイブにも友人宅のパーティーに誘ってくれたSのところである。

日本のカレーを作ろうと思ってルウを用意していったのだが、食事はしっかり支度されていた。(俺が料理するって話だったのに!)

同居人のOが作った料理。
前回と同様、ジャガイモが入っている。
思うにエクアドル料理は、ご飯を必ず食べる割にジャガイモも欠かさず付いてくるので炭水化物ばっかではないか。
そんなことどうでもよいが、日本で言うところの"モツ煮"のモツの大きいのがゴロゴロ入った煮込みはうまかった。

そうこうして食事を振舞われていると、来客があった。それも一人や二人ではない。
そして、みんながみんなSに100ポンド(2万2千円ほど)払っていく。

なんだ、これは???

Sは"ブラックビジネス"とか言っている。
賭博の胴元でもやってるのかと思い、なんかの賭け事?宝くじ?ときいてみる。

集まったお金を数えるS

"ブラックビジネスだよ。ラテンアメリカのマフィアだ云々"

総勢11名がお金を払い、結構な金額と参加者が集まった。
Sはその場にいないメンバーに電話をかける。

疑惑は深まり、好奇心も高まる。

警察車両?

蓋を開けてみれば、なんのことはない、貯蓄のようなものだった。
11人が2週間に1度、毎回同じ金額の出資をし、毎回誰かがそれを受け取るというもの。
参加者は誰しも1ターム、1回だけお金を受け取る。

これが結構役立つらしい。
ある程度のまとまったお金が無利子で手に入る。
結局のところ自分の出資したお金をもらうだけなので受領金額に損得は一切無い。だが、銀行から同額を借りるより遥かによい。

くじ引きで向こう半年の受取人の順番が決まる。
今日受け取ることになったのは、クリスマスイブも一緒だったP。
決まった時は、ものすごい喜びようだった。
上機嫌で、ビールを箱買いしてみんなに振舞ってくれた。

でも、こんなことができるのは信頼のおける仲間たちの間だけなんだろうな、と思う。
エクアドルの人たちは、ほんと親しみやすいし陽気でいい人ばかり。

英国で20年仕事をして来年帰国するという紳士は今年50歳。
俺はあと10年しか生きない。その10年、お前が俺の国を訪ねるのを待っている。
そんなこと言われたら、行くしかないじゃん!
"やつが死んでたら、俺のとこに来い(笑"
というのはP。
彼の英語は始めてあったときから比べて随分上達した。
"おまえがエクアドルに来るまでにはもっと上達してる"と調子がいい。
思うに彼が一番陽気で、一番笑う。

だが、笑いのツボが日本人と違うと最近気づいた。
なんというか、違うんだよね。

勧められるままに、ビールを飲み、夕食まで頂き、泊まっていけと言われたが、時間が早かったので帰宅した。

いやー、ほんといい人たちばっか。
こりゃまた、行かなきゃ行けない国ができたな。


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スギヤマが学生時代にイギリスで語学学校やインターン、ストリートで多文化と戯れた記録です。 22歳の青臭い感覚を読み物としてお楽しみいただけ…

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