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蟹は正義

いわゆる陰謀界隈や世界の真実界隈について考えていた。

地球が丸かろうが平たかろうが、私の生活は変わらない。

地球が丸いと目で見たことはないけれど、そうだと教えられて信じている。

そこで「世界は平たいんだ!」と訴える者がいたら、心の平穏も守るために人々は彼を火あぶりにせねばならないのだろうか。

「正しいとは…真実とは…そもそも私が正しいと信じているものは本当に正しいのか…」

ということを考えすぎていて、足元がグラグラしてくる。

多分、季節が急に寒くなったのがよくない。

と、思っていたら実家から蟹をもらった。

蟹は美味しい。

私が信じていることが正しいかどうか分からないけれど、蟹が美味しいことは間違いない。

蟹の甲羅の裏を包丁で真っ二つにする。甲羅までは切らない。

脚をもぎとると中から蟹味噌があふれる。

脚をキッチンはさみで切り取る。

脚の付け根を開きやすいように包丁で横から切る。

それをお皿に盛る。

調味料を混ぜて蟹酢を作る。

私かキッチンはさみで蟹の殻をばりばり切る。

お嫁ちゃんが蟹フォークを使って身をかき出す。

山盛りになった蟹の身を蟹酢につけて、白飯にのせて食べる。

お嫁ちゃんはあまりのおいしさに踊っている。

幸せだな。

と、蟹に祈りをささげるのであった。

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石原滋之@システマ岡山
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