【観劇】ヅカ★ガールさま『蛇姫花伝』
随分と期間が空いてしまいましたが……
劇団「ヅカ★ガール」さまによる
『蛇姫花伝』《剣》チームを観劇しました……!
大大大千秋楽、本当におめでとうございます。
浸ってたらえらい文字数になったので
目次から好きなところだけご覧ください!
感想 (長い前置き)
公演情報を見た時から、キービジュアルが既に好みでとても楽しみにしていました。
普段は観劇に対して、なるべくフラットな気持ちで行こう~と思っている人間ですが、
今回は事前の期待値もかなり高かったです。
しかし終演直後、まっすぐ物販に駆け込み
「Blu-rayお願いします!」と予約票を滑り込ませたほどには大満足な公演でした。笑
会場に入ってまず、舞台セットが醸し出す「鏡池の集落」の空気に息を呑み。
公演始まってから、出はけ口があらゆる所にあるのに気づき驚き。(演出での活かし方が半端なかった……!)
途中に出てきた大蛇の大道具が、個人的にすごい可愛い顔でときめいたりしつつ(?)。
なんといっても触れたいのがお衣装!
どのキャラクターも大変凝ってらっしゃる~!
和物、仮面、クラウン、布のひらみ等々大好物なので、常に視界の満足感がえぐかったです。
お化粧やヘアメイクもハマってて本当に目の保養。
必然的にブックレットの価値が爆上がりしてまして、細部もシルエットも色彩も良すぎて何度も眺めてしまうほどでした……。
また個人的には今回、
「どの役どころも好き」なだけでなく、
「どの役者さまも好き」という現象が起きて大変驚きました。
誰のどのシーンを切り抜いても所作が美しく、
細部や周りの空間に「気」や表現が行き届いている。
ここまで舞台としての完成度が高い作品って、なかなか巡り会うのが難しいです。
これは演劇知識皆無なド素人の浅はかなボヤきですが。
いろんな舞台を観ていて正直に感じるのが、舞台上の現実が綻ぶ瞬間って、本当に些細なものでも観客は気づいてしまうんですよね。
(それが不快かどうかはさておき)
しかもこれ、ひとりひとりが努力すれば防げる!
とは一概に言えないようにも思います。
役者さまの個性、身体の一瞬の力の入り抜き、
演出のタイプ、台詞のチョイスや言葉尻、
舞台上の立ち位置、音響照明のタイミング
などなど……
なんなら劇場の特性なんかでも引き起こされてしまったり。
これこそまさに劇作品の醍醐味でもあるのですが、ド素人のいち観客からしたら奇跡みたいなもので。
それを現実に再現できるプロの方々には本当に憧憬と尊敬の念を抱かざるを得ません。
貴族席で観たので他の席より没入感があったでしょうし、千秋楽で全ての方がより実力を発揮されていたかもしれません。
しかしそれを差し置いても、全ての要素たちが完璧にかみ合った、
「奇跡」が満ち溢れた120分間でした。
普段観劇の感想は、関係者さまへの届きやすさと少しでも宣伝になれば……とX(旧Twitter)へ流しているのですが、
ここまでで既にアホみたいな文字数なのと、役者さまひとりひとりへの感想が溢れて止まらなかったので初めてnoteを書くまでに至りました。
というわけでここからは、
全部あたりだったブロマイドとチェキを添えつつ
《剣》チーム各役者さまの激長感想タイムです↓
各役者さま感想
《 旅人・蛇巫女の血を引く姉妹 》
【ナユタ】木内海美さま「男性主人公」そのものな好青年っぷり。(あまりにもイケメンに映ってしまったのですが、女性役とのこと。大変失礼しました……)
1000年の旅となると様々な出来事に晒されたと思います。そもそも集落で起きたこと自体、壮絶な経験だったはず。
にもかかわらず夜叉姫や集落を案じ続けた一途さ・覚悟は常軌を逸していると思いますが、彼女の性格や役者さまのお芝居を観て非常に納得感がありました。
あと烏丸座の見せ物に巻き込まれて、お捻りを集めに来られた際に入れるジェスチャーをしたら
「やさしい……!ありがとうございます!」としっかり反応してくださいました。
やさしいのはあなた様です……こちらこそありがとうございました……
【むらさき】妃咲歩美さま
登場からダブルカーテンコールを去る最後の瞬間まで、とにかく隙のない美しさ。
役者さま自身も由緒正しい経歴の方なのでは……
と思うほど、気品と神秘的な魅力が泉の如く湧き出ておりました(?)
夜叉姫、弥剣ヶ峰家、大切な妹、ナユタへの想いなど、残酷な運命に葛藤し苦悩する姿は見ていてとても痛ましかったです。
それゆえに、周りのすべてを守るために「巫女」であることを貫いた彼女がラストで報われたのが、本当に嬉しくて涙が止まりませんでした。
【るり】三葉彩夏さま
「なんと妹みにあふれた……!」と悶えたのが率直な反応でした。笑
お姉さんからとっても大切に育てられたんだろうな~とわかる純真無垢さと、あまりに惨い出生の秘密に温度差で風邪引きそうでした……
どんな結末になってもこの子だけは闇堕ちせずに生きていてほしい、と祈りながら観ていましたが、
身構えていたよりもずっと明るい居場所で元気に過ごしていそうで安心しました。よかった……よかった……
《 弥剣ヶ峰家 》
【弥剣ヶ峰 漣】石黒乃莉子さま
個人的にもものけ姫のエボシさまを連想する女当主っぷりだったので、「この人がラスボスかな?」なんて思っていたのですが。
絶望的な現実や運命に抗うために辿り着いた彼女なりの答えが、家族すら犠牲にした壮大な計画だったと知り、全く予想外だったため言葉を失いました。
兄とのやりとりの中、庇護欲を掻き立てる妹の顔から悲しき女の姿への変わり様にゾッとしましたし、
子供たちとの最期の言葉が対照的で呆然としました……
【弥剣ヶ峰 周】来栖梨紗さま
あの親にしてこの娘あり!といった感じで、作品が展開していく役どころとして大活躍でした。
言葉づかいと立ち姿がいかなる時も美しく芯が通っており、刀をもった時の姿は凛々しすぎてうっかり惚れそうでした。(絶対惚れるところそこじゃない)
母との悲痛すぎる別れの後、すごく映える緑のワンピースから母の着ていた赤い和装に変わった時は、衣装チェンジする方がいらした中で一番印象的で、なんとも心に来ました……。
【弥剣ヶ峰 咲那】眞庭美和さま
登場から応援したくなる姿に「ハイ好き」と速攻で推してました。ああいういじられかわいいキャラに弱い……笑
作中である意味一番の癒し要員で、観客としては心の拠り所でした。
母から「思うように自由に生きなさい」と言われた上で、ラストは一族で唯一、集落に残って想い人を探しているのも本当に健気。
あらゆる部分で理不尽な目にあっていましたが、最後は願いが叶ったようで本当に良かったです。
【弥剣ヶ峰 涼】有栖川姫子さま
過去に何度か他作品で拝見しており、密かに楽しみにしていた役者さま。
あの天真爛漫さで登場された時は「お待ちしました!」と内心拍手🙌
無邪気ゆえに不穏、境界があやふやな存在、気高くも底知れない謎を纏う「翻弄する側」の役どころは、私が個人的に見たいお姿だったので大変嬉しかったです。
結果的にラスボスだったのも、なのにギャグ要員までこなしてたのも大喜び!笑
拝見する度どこまでも華のある役者さまだなと感じていましたが、日本人形なビジュアルも本当にお似合いでしたね……。
【シロガネ】結崎あゆ花さま
弥剣ヶ峰家の命運を、誰よりも近くで見つめてきた御狐さま。最初から最後まで献身的すぎて、途中まで彼女もこっそり黒幕候補にしてました(!?)笑
彼女もまた様々な要素に板挟みになり、失うものも多いなか、「見守る者」としての強さを目の当たりにしました。
あと個人的に今回の役者さまの中で、ひときわ仮面がお似合いだったなあと……!
つけていても外していても美人でらっしゃいました。
【コクヨウ】高木碧さま
女性ならではの声な役者さまが多い中で、深いところに響くハスキーボイスが舞台上でとても引き立っていました。
私の大好物なクールキャラかな😌と思っていたら、涼さまとの漫才(!?)とか夜叉姫に単身で立ち向かう熱血っぷりなどにハートを揺さぶられまくりでした!
ただ、退場するとは思ってなくて……去り際イケメンすぎて普通に泣きました……。
【伊佐八】末永全さま
最初から一筋縄ではいかない感MAX!こういう役どころは憎みきれない一面があるのがお約束ですよね!
とは思っていたのですが、予想の斜め上から殴られました……。
妹との事実を知った後では、周に稽古をつけるシーンの見え方がガラっと変わってしまう事に気付き、お芝居が深すぎて言葉を失いました🙊
中盤、たまたま席が目の前の所でゲロ吐かれそうになった時は「ウソでしょ??」とビビり散らかしてしまった。
危なかった……(ありがとうございました)笑
《 蛇姫と蛇神たち 》
【夜叉姫】三森みちさま
衣装や役どころの豪勢さすら呑み込む、役者さま自身の圧倒的な存在感。
凄まじい威厳がありながら、事前に想像していたよりずっと情緒豊かで意外にも思いましたが、これはこれで昔話に出てくる神様らしくて素敵だなぁと。
ただ終盤のシーンを経ていろいろ思い返してみると、あれは彼女自身や贄となった他の少女たちの記憶や願いの影響だったのでは……と思うとかなり腑に落ちました。
そんな彼女がラスト、人のカタチを取り戻し、在りたい場所へと旅立っていく後ろ姿は、安心と切なさで胸がいっぱいになりました。
【ニシキヒメ・チホヒメ】藤真廉さま・中原舜実さま
天女さまのような出で立ちは、夜叉姫の権威の高さを倍増させていました。
ニシキヒメの年頃を迎えた少女ならではの感性や、
まだあどけないチホヒメの愛嬌たっぷりな姿の対比が素敵で、二人のやりとりはどのシーンも微笑ましかったです。
どうしてもメインシナリオについ目をひかれがちですが、彼女たちもまた贄とされた少女だという事実は、じわじわと効き続ける毒のような鬱さでした……。
【アオ・ミドリ】月代彩佳さま・牧野栞奈さま
事前にダンサーの立ち位置のキャストさんがいると知り、いわゆるアンサンブルにあたる方々なのかなと思ってしまってました。
とんでもない。お二人ともそんな枠に収めてしまうにはあまりにも勿体ない、美しいお芝居でした。
役名があるとわかって激しく納得しました。
偶然でも演出でも最高なんですけど、
前髪ありのホワイトブロンドミディアムヘア
前髪なしのぱっつん黒ショートヘア
で対なビジュ、個人的にたまらなかったです……。
《 烏丸座 》
【烏丸】かまくらあやさま
まさに座長!陽気で茶目っ気たっぷりな振る舞いには、役者さまご自身の魅力的なお姿も見えた気がします。
彼女が純粋に好きなもの(物・者)が集まって出来るのであろう烏丸座ですが、その抜群のセンスとリーダーシップには金糸雀と影法師が慕うのも頷けました。
あと個人的に作中トップクラスで衣装デザインが好きです🫶
できれば同キャストさんで烏丸座がメインの作品観たいよー!たくさんおもしろい舞台が生まれそう!
【金糸雀】真辺彩加さま
ひときわ鮮やかな黄色の衣装、リボン、スマイルが烏丸座の華として眩しく輝いてました!
私はかわいい純真無垢な子が元々大好きですが、ひたむきな子が苦しい経験ののちに居場所を見つけ、今を一生懸命に生きている姿はもっと大好きなので困っちゃいました(?)
金糸雀役になる方のお芝居によっては、烏丸座の雰囲気やバランスは全然違ったものになるんじゃないかと思います。鏡チームも見てみたかったですが、個人的には「この金糸雀ちゃん」が見られてハッピーでした。
そして最後に
【影法師】お目当ての千歳まちさま!
今回、ビジュアル公開の時点で「ウワ~~好き~~」と頭を抱えていたのですが、
事前のツイートでベロ出ししてる写真があって「あっそういうキャラ?これはまずいぞ(?)」と期待値爆上がりでした。
実際、その期待値メーターがぶち壊れるほどの破壊力😇
烏丸座としては道化師の飄々とした振る舞いに「誰でもない影」という影法師自身の自己認識が現れていてめちゃくちゃ好きでしたし、るりちゃんとのやりとりは台詞も身ぶりもイケメンすぎて毎シーンしんでました……
でもシャボン玉のシーンはめっっちゃかわいかった……🥺🫧
あと冒頭、ナユタの回収したお捻り袋を確認して「少な!」みたいなリアクションをしていた時にたまたま目の前の貴族席にいたので、「私入れたよ~!」とジェスチャーしたら気づいてもらえたっぽかった……
すき……ありがとう推しさま……🫶🫶🫶
結び
劇団さまが十周年ということで、特別な思いで臨まれた作品だったのではと思います。
演劇界を語れる人間ではありませんが、劇団を10年存続させる、愛され続けることって、実現したいからってできることではないのは知っています。
ヅカ★ガールさまの作品を拝見したのは初めてですが、劇団さまが「究めたい」世界・表現が見事に顕されており、劇場に足を運ぶ人々に愛され続ける理由と魅力が、新参者にもありありと伝わるようでした。
あまりの興奮具合にここまで書ききって、
「あれ、貴族席特典ってもらったっけ……?」
と今更気付きました。笑
(郵送だったかもしれない……)
ひどまずは公演DVDが届くのを、これからの楽しみにして生きていけそうです。
とにかく濃密で、充実した体験をさせていただき、
本当に、本当にありがとうございました。
劇団さま、各役者さまの今後益々のご活躍を応援しております……!!!
ここまで読んでくださった方も、ありがとうございました🙇♀️