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【観劇】鳥と舟さま 『シェイミィ、貴方と野のすべて』(全)

11/3、文化の日。
だいすきな劇団「鳥と舟」さまの新作公演、
『シェイミィ、貴方と野のすべて』を観劇しました。

千秋楽、本当におめでとうございました!
発表から約100日間、待ちわびた甲斐がある作品でした……!

今回の感想は特に、

※大量のネタバレ
※野暮な作品考察
※どうでもいい個人の演劇観

上記の内容が散乱していますので、閲覧の際はご注意ください。

また誰かに読んでもらうためというよりは、未来の私が読んで激しく共感することが主目的なので、

※順序・表記・誤字脱字など文章の支離滅裂さ
※見当違いな内容、生意気な感想、濾過されてない表現
※演劇ド素人の分際であること、批評などできる立場でないことは総じて棚上げ

上記、なりふり構わない文章になっているのでご容赦ください。





【フライヤーの話】


前置き通り、自己満足のために書きたいことから書きます。


どうかこの、フライヤーについて語らせてほしい!!!!!

とにかく美しいこのキービジュアルが公開されたとき、鳥と舟さま初のファンタジー作品と知り、飛び上がって喜びました。
イラストの全体版が公開されたときも、「ん?珍しい比率だな?」と頭によぎりつつも、魅力的な風景の広がりを堪能するにはぴったりで納得。

そして後日、裏フライヤー情報が目に飛び込んできた瞬間。
もう本当に感情が爆発しちゃって、当時めちゃくちゃX(旧Twitter)を荒らしてしまいました。お目汚し失礼しました……。

何がいいって、一つは、この素晴らしいイラストを存分に使った、三つ折り仕様であること。
宣伝効果を少しでも高めるために、紙の種類やサイズを選ぶ必要があるとはいえ、それでも三つ折り仕様って珍しい。
きっと作品的なこだわりが含まれたこの仕様……こういうところです、私の劇団さま好きポイントは……(?)


で、中身ですよ、中身!
まず、私が心酔してやまない主宰さまからのお言葉。
これについては書き記されているものが全てであり、もう本当にこれだけで好きが募りました。
あなた様の文章が私には必要です……ありがとうございます、ありがとうごさいます……🙏🙏🙏

またなんといっても、この錚々たるキャストビジュアル。
本当に、本当に素晴らしすぎる……まさに壮観。
今回SNSにも力を入れてらして、それを見てても思ったんですが、とにかく一人一人が魅力的に切り取られている。
やわらかい色合いや表情がめちゃくちゃ好きなんですよね……!
そんな魅力的な役者さま方が、銘々の景色を見据えているフライヤー。この視線や構図も個人的にツボです。

極めつけは、ひとりひとりの役者さまによる「見どころ」、そして「子どもの頃の夢」、「今の夢」。

子どもの頃の夢の話なんて、もう忘れてしまったり語れなかったりする。
そして何故か、大人になってから夢を語るのは、勇気が必要だったりする。
そんな役者さまのパーソナルな部分や、今、演劇や作品に向き合う姿勢が垣間見える企画で、文字通り心を震わせながら、ひとつひとつ読みました。
みなさんの夢、全部、叶え…………ッ!


総合的に見て、これもう、パンフレットとしてグッズ販売していいクオリティだと思うんですよね。
「全然お金出して買うよ!」とファン精神が暴れる一方、いや、フライヤーこそが最もふさわしいのかもしれない、とも思いました。
観客皆がこのフライヤーを眺めて、心の灯りを感じて臨むべき作品だし、誰しもが紙として持ち帰れて、観劇後も思い返せるから。

……フライヤーでこんなに興奮することある?
と我に返りつつ、とにもかくにも、宝物が増えました。
ありがとうごさいました。




【公演そのものの話】


今回の作品、上演時間がなんと140分。
一般的な映画で90分と考えると、すごくないですか?
一秒だって浸っていたいファンは小躍りして喜びました🥳

が、そんな観客ばかりではないでしょうし、演者さま方に求められる事も倍増するのではと思います。
だって単純に、観るにも演(や)るにも体力がいる!!
実際マチネ観劇後、めちゃくちゃ疲れました。でもそれは号泣しまくったのと、没頭していた世界から現実に帰還したが故の、反動のようなものでした。

いや休憩あるとはいえ、約2時間半ですよ。
素人目からしても、かなり挑戦的だと感じます。
上演時間が長引くほど、ぶっちゃけ中弛みしたり、結果的に蛇足なシーンが出来てしまって台無し……みたいなリスクが生じるのは想像に難くないです。

しかし今振り返ってみても、役どころ・物語の展開に一切の無駄がなかった。
しっかりと観客が「見たい」シーンのために必要な時間をかけていたし、展開のメリハリが最適だったおかげで飽きなかったですね。
構成の素晴らしさに唸るばかり……。

なんなら前半だけでもかなり物語がまとまっており、そのまま終わっても違和感ないくらいで。
既に泣かされてたし満足感もありました。
それでもなお、休憩に入ってから「まだこの世界が続くんだ……」と静かに喜びをかみしめることができました。

劇団さま大好き芸人(私)は休憩なしでもたぶん平気だったけど、そんな気持ちになれたのは嬉しい誤算でしたね。




【舞台装置の話】


劇中でシーンごとに、役者さんが上手から下手へ移動する手振り。
途中で「本のページをめくってるのか!」とアハ体験してたら、ラストで舞台装置が動いて「本だった!!!」と驚愕。
最後にもう一度開いてメインビジュアルの景色が再現される……という、何とも美しすぎる演出。
本当にやられました。

この最後のページ、純粋に絵としてとってもステキ!
そして個人的には、「絵」であることに価値があると感じました。

今作のほとんどの景色は、言葉はもちろん、照明や音響・身体表現であらわされており(これらも本当に素晴らしかった!)、
小道具などの実物で説明される部分って少ないんですよね。
そんな中で一番最後、視覚へ訴えてくるのは非常に効果的だなと。

また前作『累々と花は詠たう』では、AI生成した映像をスクリーンに映すという演出があったので、「風景の動画を流す」とか、「キービジュアルを印刷したものを貼る」みたいな手段もやろうと思えばできたのでしょう。

でもそうはしなかった。
「作中世界(ファンタジー)にはそんな技術がないから」とか、「物語の挿絵」にしたかったとか、単純にコスパが……みたいな理由もあったかもしれません。

ただ初めてこの景色を観たとき、私の目に浮かんできたのは。
それまでの登場人物たちや、もっと言うと座組の皆さま方が、全員で筆を手にしてこの自然を描いている情景でした。

観客たちがキービジュアルを見た時抱いたであろう印象。
シェイミィが、作中の最後でその目に映した風景。
それは文字通り、このお話を紡いだ人々が全身全霊をかけて描き上げた集大成に他ならない。

この言葉にしきれない特別感は、人の手で生み出した「絵」という手法でないと堪能できなかっただろうな、と強く思いました。




【観たかったものの話】


ストーリーとは別軸で感動したのが、役者さまが誰一人として「淀みがなかった」というところ。
これが適切な表現かは、自信がないのですが。

鳥と舟さまならではの、詩的で穢れのない描写、赤裸々な台詞たち。
お芝居ってただでさえ、台詞を言う側やそれに受け答える側に、ほんのわずかでも迷いや嘘があると、途端に色あせてしまう。

その点において、どの役者さまも本当に、淀みがなかった。
特に魔女の家の4人、シェイミィとエイビーの恋、そしてリリィが加わった後の家族の間には、どこまでも純度の高い絆が見えて、ささいな一言やふれあいの度に心を掴まれました。

あと顕著だったのは、飛行機の組み立てシーンとか。
舞台上で電動ドライバーを持ち出した時は、純粋に驚いたなあ……
皆さんのアドリブ混じりのかけ合いも、非常に良くて。
わくわくしながら工程を見てたら、突然己の限界を迎えて嗚咽してしまいました。

愛や絆を見出すシーンに限らず、本当に全キャストさん同士が同じものを実現なさっていたんです。
少なくとも私の肌は、そう感じ取った。
座組の皆さまが、如何にしてこの作品を信じてきたか、数々のシーンから透けて見える気がしました。

これなんです。私が見たい演劇って。これなんです……。

まだまだ浅い観劇経験しかありませんが、その中ですら、期待しすぎちゃいけないなぁと思ってしまう時もあるのですが。
鳥と舟さまの公演はいつも、「演劇が好きだ」と、確かめさせてくれる。
今回もそう感じることができて、本当に本当に幸せでした。




「続く!」


筆が乗ってきたところで、続いて各シーンについて深堀りを……
と、ふと書き殴った文章を振り返り、浮かれすぎてて我ながら少々引いています。
しかしこの観劇体験を少しでも取りこぼさないように、他でもない私自身のために、思いつくことは全て書き尽くしたい所存……!

とはいえ流石に読みづらくなりそうなので、ここは本作品に倣い、別記事に分けたいと思います。
もしお付き合いいただける方がいるなら、一旦10分以上、休憩してください……笑

最後に、こんなにも思い馳せられる物語を生きてくれた登場人物たちや、それを生み出してくださった製作者の皆様へ、最大限の敬意と感謝を捧げつつ。

ここまで読んでいただき、ありがとうごさいました!


前作に引き続き、素敵なチョークアート!🎨


かわいいかわいいデザインの宝物たち。
トートバッグ、たくさん使います!


↓ つづく ↓


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