2022年6月文芸部活動記録【展覧会鑑賞】
6月も順調に展覧会へ。
それでこそ文芸部。
「建築模型展ー文化と思考の変遷ー」@WHAT MUSEUM
これは、想定していた以上に素晴らしかった。
様々な時代・場所の建築模型が展示されているのだが、中でも、生徒ともども大きく刺激を受けたものが二点。
一つは、「失われた街」模型復元プロジェクト。
「東日本大震災とそれに伴う大津波により(中略)失われた街や村を1/500の縮尺の模型で復元し、地域に育まれてきた街並みや環境、人々の暮らしの中で紡がれてきた記憶を保存・継承していくことを目指しています。」
というこのプロジェクトだが、その再現された街並みの中に、残された人が記憶を元に書き留めた記録が、旗の形で立てられているのだ。
「昔、火葬していた」「幽霊が出る」と書かれた旗のある浜辺や、「たばこを吸ったりお酒をのんだり」と書かれた旗のある街角、住んでいた人の名前が書かれた住宅地の一角に「空き家」と書かれた旗……。
その圧倒的なまでの実在感と喪失感は、特に高校生に強く響いたようだった。
もう一つは、「育つ模型」。
広場の模型に、来場者が人や物を配置して、文字通り広場を育てていくインタラクティブな展示。
人が訪れることによって風景が変わっていくのは現実の広場も同じで、それが模型としてそこに残されるのが面白かったし、前の人が置いて行った人や物を活かして、新しい風景が生まれるのは、現実以上に面白かった。
もちろん、おふざけをしていく人もたくさんいて、キャンプファイヤーで焼かれている人や、家族団欒に水を差す人々など、日常に切り込みを入れるような楽しさもあった。
こちらは、中学生に好評だった。
「Mariage −骨董から現代アート−」展@WHAT MUSEUM
同じ会場で開かれていた「Mariage −骨董から現代アート−」展は、とにかく、名和晃平《PixCell-Deer#48》を見たかったし、見せたかった。
東京都現代美術館での展示が2011年だから、あれからもう11年も経つのね。
あの時も、文芸部の生徒を引き連れていった。みんな、覚えてるかなあ。
それはさておき、今回の展示はちょっと奇妙。
他の部屋から仕切られて真っ暗にされた空間の真ん中、スポットライトの当たるお立ち台のような場所に作品が展示され、ゆっくりと回転している。
フォトジェニックではあるし、生徒はこの上なく感動していたのだが、個人的にはちょっとなあ、というのが正直なところ。
過去に《PixCell》シリーズを鑑賞した時には、そのクリスタルガラスのビーズに映り込む像が示唆的だと感じていたので。
『世界の終わりと環境世界』展@GYRE GALLERY
これは、中学生にとっては難解だった模様。
その分、高校生はいろいろ考えながら鑑賞して、作品との対話を楽しんでいた。
個人的には、アニッシュ・カプーア《1000の名前》が頭抜けて素晴らしかった。
相変わらず、実在と不在の重ね合わせのような作品。
見えているものと表現されているものの落差というか。
SCAI PIRAMIDEに行く前に、これを見られた/見せられたのは、とてもよかった。
「Anish Kapoor: Selected works 2015-2022」@SCAI PIRAMIDE
顧問は体調不良で当日欠席(なんてざまだ)。
「絶対に素晴らしいから、俺を置いて行ってくれ!」
という病床からの叫びに、高校生二人が応えてくれました。
以下、部長の感想。
顧問記す
Photo by Lance Anderson on Unsplash
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