2024年10月の「今月読んだ本」
こんにちは。フォトグラファーの大知です。
今回で3回目なんですけど、どんどん書くのが遅くなっている気がします。気づいたら毎月半分過ぎている。時の流れの体感速度ってどんどん加速している気がするんですけど気のせい?
10月はしっかり体調を崩して1週間寝込んでいたりしたので2冊しか読めませんでした。本をたくさん読むぞ!みたいな気概はないけれど、楽しく読書できるような心と体の余裕はいつだって持っていたいと思います。
ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち
先日読んだ『静かに退職する若者たち』『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で参照されており、直近に読んだ本でたびたび登場するなら、これは絶対に読まねば!と思って手に取った一冊。
「目上の人に気に入られるために古典文学を読む」
「名著の内容はYouTubeでチェック」
「お金を稼げない勉強はムダ」
これらは本書の表紙に記されているファスト教養の特徴的な事例だ。
どれもこれも目にしたことがある。自分自身のなかにも多少なりとも思い当たる節すらある。一瞬で引き込まれた。
この時代において、「教養=仕事の役に立つもの=お金稼ぎに役立つもの」になってしまっているのではないか?という疑問から本書は始まる。
あるときは「自己責任」、またあるときは「成長」などをキーワードにして教養の歩んできた道のりが示されていく。
ファスト教養は現代の空気感を象徴する言葉であると思う。読んでいるなかでも「あるある」とか「わかる〜」と何回思ったことか。読み応え抜群です。
第一芸人文芸部 創刊準備二号
文学フリマで出会った本。なんとなく気になって手に取りました。
「第一芸人文芸部」とはピース又吉さん率いる、文学好き芸人が集う文芸部だそう。文芸誌らしく、又吉さんを含めて7名の芸人さんがそれぞれ文芸作品を持ち寄ってできている一冊です。
どれも面白かったですが、特にいいな!!と思った作品が3つ。
ひとつめ、『書評(ピストジャムさん著)』。こんなに読みて〜!と思う書評に出会ったのは初めてだった。紹介されている本がどれも抜群に面白いのだろうけれど(私はどれも読んだことがなかった)、書評を読んでいるだけでワクワクしてくるのだ。
先日ドラクエ3リメイクの紹介映像を見てすごくワクワクした。これと似たような気持ちをどこかで味わったなと思い記憶を辿ると、この書評に辿り着いた。いい紹介には、対象のコンテンツへと興味を惹かせるパワーがあることを実感した。
ふたつめ、『ショートショートレストラン(ファビアンさん著)』。声出して笑った。家で一人で読んでいてよかった。「ガハハ」とか言っちゃった。
みっつめ、『分岐文(赤嶺総理さん著)』。
書き出しが決まっており(例えば「桜のはなびらが一枚落ちている」「風鈴を指先に吊るして」みたいな)、そこから文章がタイトル通りに分岐していく。
意味がある程度限定されてしまいそうなお題も多いのに、思いもしない広さに文章が分岐していく様子は未知の体験。そして、出来上がったどの文章も情景がすっと浮かんでくるのだ。これも楽しかった。
今月は以上。すっかり気温は冬ですが読書の秋だと言い張って読書を続けます
写真もよろしくお願いします。