【好き】NUMBER GIRL①

このロックバンドを知ったのは高校1〜2年生(2004〜2005年)の頃だ。すでにこのロックバンドは解散しており、メンバーたちはそれぞれの音楽活動をスタートしていた。

(この時、私はまさか10年以上先の未来でオリジナルメンバーのライブを生で体感できるとは思ってもみなかった。)

高校1年生の夏、私はミスチル、Dragon Ash、バンプなどいわゆる日本の人気メジャーバンドの音楽を好んで聴いていた。特にバンプの「FLAME VEIN」「THE LIVING DEAD」「jupiter」「ユグドラシル」の4枚については、16歳の私にとっての青春のアルバムだった。

同時期、具体的な理由はさっぱり覚えていないが、なぜか私はいろいろな日本のロックバンドについてもっと知りたいという欲求が高まっていた。その頃、新しい音楽を探そうと思った時に頼りにする情報源といえば、テレビ番組、雑誌、CDショップ、ケーブルテレビの音楽専門チャンネル、音楽好きの友達、そしてインターネット(個人的にはまだメインツールではなかった)だった。これらのメディアを通じて自ら能動的に情報を追っかけることによって、私は新旧さまざまなジャパニーズロックバンドの存在を知った。

特に気になるバンドが見つかった時は(その頃はまだ現在のようにインターネット上で気軽に試聴などできなかったので)、まず実家の最寄駅近くのレンタルショップ『DOKI DOKI 冒険島』でCDを借りてきてはiTunesにぶち込んで、次にそれをiPodに流し込んでは通学時間中チャリキを漕ぎながら聴き漁るというサイクルで自らの音楽情報・知識を増殖させていった。

eastern youth、bloodthirsty butchers、くるり、スーパーカーなど、日本のオルタナロックシーンで活躍するバンドや、Nirvana、Oasis、Red Hot Chili Peppers、My Bloody Valentine、Pixies、Sonic Youth、Radiohead、Weezer、Beck、The Flaming Lips・・・(挙げたらキリがない)など、USやUKの90年代オルタナロックを学んだのもちょうどこの頃だった。


このロックバンドの音楽を初めて聴いたのは、たしか高校1年生の終わり頃だったと思う。

先に挙げたさまざまなメディアを通じて、まずこのロックバンドの名前と存在を知った。(その頃はまだ現在のようにインターネット上で気軽に視聴などできなかったので)このロックバンドをビジュアルで確認したわけではなかったが、もうすでに解散していること、かなり短い活動期間だったこと、活動期間中のその存在感やサウンドはとにかく凄まじいものだったということが、いくつかのテキスト情報から認識できた。

ある時、いつものように『DOKI DOKI 冒険島』へ寄って、ふと「な」行の棚に目をやってみると、このロックバンドのベストアルバムが並んでいることに気がついた。この店はあまり規模が大きいわけではなかったため、少しマニアックなバンドのCDとなるとほとんど置かれていない印象を持っていたが、そのベストアルバムはそこに存在していた。

「よし、とりあえず聴いてみっか」といつものテンションでCDをカゴに入れ、いつものように7泊8日で借りた。

のっぺらぼうの人間の、のっぺりしたイラストに、赤いギザギザ文字のジャケット(なんで「思い出」という言葉だけローマ字表記なんだろう...?)。その情報だけでは、はたしてどんなバンドなのか、どんな音楽なのかが全く想像できなかったが、妙な不安と期待を感じながらCDを入れた袋をぶら下げて家路についた。


つづく

次回→【好き】NUMBER GIRL②

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