電車が空いてる時、真ん中に座る奴


公共交通機関を使ったことはあるだろうか。
常々思っているが、本当はタクシーが使いたいのだ。
しかし通学に毎日タクシーを使っていたら、いくら内臓を売っても足りることはない。
タクシーで登校してくる同級生を見るたびに、「本当の金持ちってのは金の使い方がうまい人のことを言うんだよなぁ…」と心の中で静かに攻撃することしかできない。
そんなお金の使い方が上手い我々電車通学勢は、毎朝静かな戦いに身を投じている。
そう、座席争奪戦である。
目的地に着くまでにずっと立ち続けるか、座り続けるかの違いは、文字が違うことからも明らかだ。
実際僕もどうしても座りたくて毎朝8両編成の列車を渡り歩き、座れる場所を探している。その姿はさながら八艘飛び。あだ名は源義経。
ここまで朝の通勤ラッシュについての話を展開してきたが、今回フォーカスするのは空いている時間帯に電車内で繰り広げられる座席争奪戦についてだ。
空いている時間帯でも利用人口の多い路線では、両端は埋まっているがそれ以外の席は空いていることがある。
一般的な電車の座席は、7席で一列というものが多い。

〇〇〇〇〇〇〇

この状態で両端が埋まると

●〇〇〇〇〇●
 
2番目の席と6番目の席が感覚的に座りにくくなる。
となると狙い目は3番目と5番目の席ということになる。
しかし世の中にはいろいろな人間がいる。

●〇〇●〇〇●

おまっっっ!お前ぇぇぇぇ!そこに座るな!!!!!


ふぅ…

何故だろうか。世の中には両端が埋まっている状態で真ん中に座る人間がいるのだ。
これによってどの席に座っても隣に人がいるという、口癖がソーシャルディスタンスの我々陰キャは実質的にすべての席が封じられたことになる。
ここでF〇ck you!とド真ん中に座っている恣意的自己中独善暴走機関車センターオブジアースマンに中指を突き立てるのもありだが、まずは冷静になって考えてみよう。なぜ真ん中に座るに至ったのか、真ん中マンの気持ちになって考えてみれば、合理的な答えが得られるかもしれない。電車内で同じような状況に陥ったあなたも、真ん中マンがどのようにして真ん中に座るに至ったのかを完全に理解すれば、真ん中マンの一挙手一投足を先読みすることができるようになり、ストリートファイトを仕掛けて謝罪させることも可能だろう。

CASE1:疲れている

ただただ単純に疲れているだけ。許されるわけがない。
そんな疲れている真ん中マンの攻略法は、「へぇ~疲れてるのに席とる動きだけは早いんすね」と皮肉ることだ。

CASE2 : 爆弾

特定の行動を起こすと爆発する爆弾が心臓に仕掛けられている真ん中マン。
爆発した場合の範囲は、席で表すと半径2席分ほどである。真ん中マンを爆心地にドカンである。
彼は同じ電車に乗っている仲間である我々に被害が及ばないように、敵意のこもった視線を受け止めながら真ん中に座っているのだ。
なんと自己犠牲にあふれた真ん中マンだろうか。
公共交通機関を使うなと言いたいところだが、すべての人が平等に利用できるのが電車のいいところだ。
ここは精一杯の対策を施している真ん中マンに拍手を送るべきではないだろうか。
そんな真ん中マンの攻略法は、青か赤の配線を勘で切ってしまうことだ。

CASE3:オセロ

真ん中マンにとって空いている電車とはオセロ盤そのものなのだ。
逆に真ん中マンから見た我々は、我先にとルールを無視して角を取りにかかる無法者なのかもしれない。
真ん中マンがいじっているスマホの中では、オセロの攻略情報が展開されていて、参加してくる我々をワクワクしながら待っているのかもしれない。
そんな彼の口癖は、「白黒はっきりつけようぜ」だ。
真ん中マン改めオセロマンの攻略法は、裏返すことだ。覚えておこう。

まとめ

ここまで真ん中マンの行動原理、攻略法について自分なりの考えを書いてきたわけだが、いかがだろうか。
真ん中マンへの鬱憤がたまっていた諸兄も、真ん中マンについて体系的に理解を深め、相手の情報を握っているという優越感と余裕を得ることで、電車通学及び帰宅の質が少し上がったのではないだろうか。
もしもここに書いていないタイプの真ん中マンが出現したときは、私たち人間に与えられた自分が一番最強になれる治外法権の場所、「脳内」で真ん中マンをボコボコにしてしまおう。



長文(当社比)につき、誤字脱字、乱文でも許してね。













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