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2020年振り返り。絵本編

子どもが寝るときに毎晩一緒に絵本を読むので、実は自分の本よりも多く読んでいる裏読書記録。いつか子どもが大きくなって絵本をもう読まないときがくるかと思うとそれだけで寂しい。今のうちにたくさん読んでおこう。

よるのおと/たむらしげる

長年マイオールタイムベスト絵本はユーリ・シュルヴィッツの「よあけ」だったんだけど、こちらの「よるのおと」に更新されました。静謐さとセンス・オブ・ワンダーに満ちた美しい一冊。あとがきも素晴らしいので下記に一部引用してみます。

「古池や 蛙飛び込む 水の音」
江戸時代の俳人、松尾芭蕉の世界的に有名なこの句を最初に知ったのは、9歳のときだった。(中略) その日、ぼくは自分がこのすばらしい宇宙に存在する不思議に気がついた。(中略) 9歳の自分の胸に広がった美しい波紋は、60年近くたったいまもまだ広がりつづけている。

しずかで にぎやかな ほん/作)マーガレット・ワイズ・ブラウン、絵)レナード・ワイスガード

こどもの耳元で秘密の冒険譚をささやくような、ちょっとしたいたずら心と明るいユーモアのある一冊。絵とデザインが本のもつ性質を何倍にも増幅させていて、絵本ならではの魅力が隙間なく詰まっている。

メロップスのわくわく大冒険/トミー・ウンゲラー

1986年発売の少し古い絵本というよりも児童書。海へ冒険に出かけ宝を見つけても壊れた船代の弁償と税金を納めるとほとんど手元に残らなかったり、洞窟探検に出かければ石筍についての説明に紙面の多くが割かれていたり、泥棒たちが隠している秘宝が海外へ密輸する香水だったりと、日本の子供向けの本とはひと味違う細部が面白い。作者は「すてきな三にんぐみ」でも有名な人。

ぼうし/せがわやすお

「いないいないばあ」の絵で有名な瀬川康男の魔術的な画がなんともステキな本。ちひろ美術館で行われていた展覧会では、絵本だけでなくタブローに描かれた作品の展示もあって画家としての魅力も存分に堪能できた。持っている絵本の中で最も美しい一冊。

あさになったので まどをあけますよ/荒井良二

読むとめちゃめちゃ元気になる。気がつくと「あさになったのでまどをあけますよー!」と叫ぶように読み上げている。寝る前に読むにはあまり適していないかもだけど。

わたしたちのたねまき/作)K・O・ガルブレイス、絵)W・A・ハルバリン

壮大なスケールと世界観。人間や動物の行い、雨や風といった自然現象もすべて「植物のたねまき」に寄与していることを正確な自然描写と美しいレイアウトで見せてくれる一冊。翻訳は梨木香歩さん。

タコやん/文)富安陽子、絵)南伸坊

タコやんが、ほそくドアを空けた隙間からヌルリンチョと入ってくるところで心掴まれますね。そしてペタコラ歩いてきて8本の手足でゲームをすればすごくうまくて「タコやん、すっげぇ!」となる。最高にゆるくていいなあ。

子どものお気に入りの絵本は100回くらいは読むので、絵本は安いというかコスパが良いと思う。数年後に絵本を読まなくなるときがくるのに備えて、今年はたくさん絵本を読みたい。

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