2021年3-5月にMUBIで見た映画
APIYEMIYEKÎ? / Directed by Ana Vaz / Brazil, France, 2020
アマゾンに暮らす先住民族の子どもたちの絵を、現在の開発された土地に重ね合わせることで「歴史」という言葉の中に埋もれる(悲惨な)重層性を浮かび上がらせるショートドキュメンタリー。
THE RECORDER EXAM / Directed by Kim Bora / South Korea, 2011
『はちどり』の習作版と呼べるようなキム・ボラ監督によるショートフィルム。この短編をみると『はちどり』でのヨンジ先生の存在の大きさが一層よく分かる。
FAREWELL AMOR / Directed by Ekwa Msangi / United States, 2020
アメリカへ移民として移住するタンザニアの家族の物語。だけどアフリカ移民の話でも家族の話でもない。父親、母親、娘、それぞれの孤独と、それぞれの闘いが描かれていて全く違う境遇にいる自分でも強く感情移入できた。音楽も最高。
BREAKWATER / Directed by Cris Lyra / Brazil, 2019
美しい短編小説のような美しいショートフィルム。友人たちと話す。心を開く。受け入れ合う。許しあう。夜がきて朝になる。ただそれだけなんだけど、ひたすらに美しい。
THE TERRORIZERS / Directed by Edward Yang / Taiwan, 1986
エドワード・ヤンの『恐怖分子』です。かっこ良すぎて鳥肌が何度も立った。サムネイルだけでも最高じゃない?まだ『牯嶺街少年殺人事件』を見ていないので、早く見たい。
WATCHTOWER / Directed by Pelin Esmer / Turkey, Germany, 2012
この人の作品ならどんなものでも必ず観たいと思うアーティストが数人いる。ペリン・エスメール監督は確実にその1人。『SOMETHING USEFUL』がやっぱりマスターピースだけど、この『WATCHTOWER』の設定も見事。
THE PLAY / Directed by Pelin Esmer / Turkey, 2005
ペリン・エスメール監督のドキュメンタリー。トルコの田舎の女性達がプレイバック・シアターを通して「自分たちの声」を獲得していく過程を映し出す。アートが成し得ることの力をまざまざと見せてくれる作品。映画のラストでは画面の前で自然に拍手してしまった。
SONGS MY BROTHERS TAUGHT ME / Directed by Chloé Zhao / United States, 2015
『ノマドランド』でアカデミー賞を受賞したクロエ・ジャオ監督のデビュー作。『ノマドランド』『The Rider』『Songs of~~』3作品のどれも言葉が出ないほど素晴らしい作品だけど、3作の中で1番心に強く残っているのはこの『Songs of my brother taught me』。誇りや尊厳、さらに言えば魂を損なわずに生きることについての映画だと思う。
今回も良作揃いでした。2021年に一番良かったことはMUBIを見始めたことになると思う。ありがとうMUBI。
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