Shhh inc. のデザインの土壌となった本100冊
Shhh inc.の美意識や考え方の形成に大きく寄与した本100冊を、簡単なコメントと共に紹介していきます。
1.物事を眼差す視点を養うための本
写真家で探検家の星野道夫は「僕が暮らしているここだけが世界ではない」と言い、アラスカを追い続けた。旅が人を育ててくれるように、本は自分の知らない様々な立場の、様々な視点を養ってくれる。
新しい分かり方/佐藤 雅彦
分かるって実はすごく気持ちがいい。ページをめくるたびに脳内から快感がほとばしる。
まばたきとはばたき/鈴木 康広
ありふれた日々のその辺の道端にもたくさんの気づきが隠れている。アイデアとはこう描き記したいと思わせてくれるスケッチも魅力的な「見立て」の天才による一冊。
One Day Esquisse:考える「視点」がみつかるデザインの教室/原田 祐馬
タイトルに「〜〜デザインの教室」とあるけど、デザインだけでなくもっと手前というか本質にある「創造性」を養うための創意工夫に溢れたレッスンが記録されている貴重な本。
正体不明/赤瀬川 原平
日常の風景の中に潜んでいる「微かに異質なもの」に焦点を当てた写真集。写真に添えられた文章もユーモア満載で、視点を変えたものの見方を教えてくれる教科書のような一冊。
On the Beach /ヨーガン・レール
何かをつくる、生み出すということの功罪について原点に立ち返って考えさせられる。何かのインタビューで「デザインの色や形や触感というのは副次的なもの。本当に考えなくてはいけないのは、それが大切か、大切じゃないかということです。」という主旨のことを言っていたことを思い出す。
神話の力/ジョーゼフ・キャンベル
神話とは何か。なぜ世界に共通の神話があるのか。神話は人間の精神世界にどのような影響を及ぼすのか。幅広く「神話の力」について語る力強い一冊。
やっつけメーキング/田中 偉一郎
色々な世の中の当たり前を、何かを作ることで片っ端からやっつけていく。とにかく面白くて爽快。
生物に学ぶイノベーション 進化38億年の超技術/赤池 学
生物の途方もない進化の過程を知ることで、人間が生み出す技術や道具もこれからまだまだ進化できることがよく分かる。
FACTFULNESS/ハンス・ロスリング, オーラ・ロスリング, アンナ・ロスリング・ロンランド
バイアスという色眼鏡を外して、世界をありのままに眺めるために必要なのは事実(ファクト)を見ることだと、これでもかという事例と共に見せてくれる。
陰影礼賛/谷崎 潤一郎
電灯がない時代の日本的な生活の中にあった光の美。陰影の美は現代においてどう機能すべきだろう。
忘れられた日本人/宮本常一
一見ステレオタイプな「昔の農民の暮らし」とはこうも多様だった。自己の偏った想像力を民俗学を通じ、矯正するうえでの最良書。
現代アートとは何か/小崎 哲哉
デュシャンの「泉」が象徴だったように、現代アートは作品を「作る」わけではない。また本質は外見にはない。命名し新たな見方を与える問いの活動が現代アート。その前提に立った上で何をアートから得るか、得たいのか。
たのしい写真/ホンマタカシ
ブレッソンの「決定的瞬間」から、世界を等価なものと見なすニューカラーの登場、そしてポストモダンまでの流れを通じ、スタイルの変化とは「どう世界を見ているのか?」の表明法の変化であることを教えてくれる。
驚くべき学びの世界/佐藤 学
今、目の前の子どもたちが持つ感受性と可能性をどう育むべきなのか。アートがもつ創造的な経験に目を向け実践するレッジョ・エミリアの教育法には、新たな発想のための環境づくりから実践法まで多くのヒントが眠っている。
断片的なものの社会学/岸 政彦
何かを見出そうとしたり、掘り下げようとしない、ただ寄り添うことが出来ることに大きな安堵の感覚をもらえる本。
2.認知科学・心理学を知るための本
人に何かを伝え、働きかけることについて自覚的であろうと努めるほど、人間の認知のメカニズムについて知らなければならないことを気づく。人間の矛盾について知り、矛盾を受け入れる。
昔話の深層/河合 隼雄
例えば「深いデザイン」と言ったときの「深さ」とは一体何であろうか。河合隼雄の著作を読むと人間の持つ深さとは何か。その広大な地平の一端を見ることができる。
教養としての認知科学/鈴木 宏昭
人間がどのように世界を認識し情報を処理しているかを紐解いて教えてくれる。理路整然とした考察や丁寧な説明は分かりやすく、まだ知らない世界への扉を開いてくれる。
あなたの知らない脳/デイヴィッド・イーグルマン
脳が直感で何かを決定してから身体が行動するまで1秒以上の時間がかかるという。そんな脳の無意識のはたらきについて知れる一冊。
認知科学の方法/佐伯 胖
認知科学の成り立ちの経緯と基礎をよく知れる良書。
進化しすぎた脳/池谷裕二
目から入った情報は、色→形→動きの順で脳内で解析される。今見ているこの世界は、脳がつくりあげたもの。それを前提に考えたとき、デザイナーとして本来出来ることとはどのようなものだろうか。
創造性の科学/市川 亀久彌
1970年発売と古い本だが、メタファーを主題とした創造性の紐解きは色褪せない魅力がある。図解も文章も機智に富んでいて面白い。
ヤバい経済学/スティーヴン・D・レヴィット,スティーヴン・J・ダブナー
なぜネット投票で投票率は上がらないのか?安い罰金はなぜ違反のブレーキにならないのか。行動経済学はインセンティブのメカニズムの学問ともいえる。
「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス/好井 裕明
著者の実体験からリサーチにおける一期一会と質的調査の意義を描き出していて、読んでいて楽しく、学びが多い。
3. 日本のデザイン・日本の美意識を養うための本
自分のルーツに立ち返り、世界の文脈と相対化する事。それによりこれまで自分が見えてなかった美質を発見する事。スタイルとはそのようなプロセスによってはじめて生まれ出るものでないだろうか。
インテリアと日本人/内田 繁
インテリア論に止まらず、日本の気候風土から生まれた独自の感性について示唆に富む内容に溢れている。
かさねの作法/藤原 成一
かさね、ずらし、やつし、たわけ、、和歌や伝統芸能を紐解き、正当には曲解が重ね合わせられてきたという日本の美意識のあわいを知れる。
茶と美 /柳 宗悦
圧倒的な言語感覚と強烈なメッセージに震える。
火の誓い/河井 寛次郎
物は作られるのではなく、生まれ出る。その生まれる背景にはどのような美があるのかを問い続ける書。
江戸商売図絵 /三谷 一馬
現在より遥かな多様性が、かつて江戸にあったことの証明書でもある。
奇想の系譜/辻 惟雄
伊藤若冲、歌川国芳、長沢蘆雪ら、当時は異端とされていた日本画家達の今日の再評価を促したという渾身の一冊。
日本デザイン論/伊藤ていじ
日本刀の反り、城の石垣、鳥居、櫛、、、日本美にある直線は、純粋直線でなく勢いとして描かれる。力学としての曲線の美学を理解し養う。
日本の家 /中川 武
風習や生活様式が機能する装置としての家。四季を豊富に取り入れるための家。日本の家に込められた計算された構造を理解することができる。
日本人の身体/安田 登
かつて「からだ」とは「死体」の意味で、生きている身体は「み(身)」と呼び、身体と魂が一体のものだった。境界として区切るのでなく、行き来する関係性としての「あわい」に注目するとき、情報の伝え方も変わってこないだろうか。
茶の本/岡倉 天心
茶道には、物事には完全はないという不完全性の美学が背景にある。不完全を受け入れ、日常の暮らしでどう美を見出し尊ぶか。小さいものの偉大さを見出す細やかな視点こそ、デザインでは取り込んでいきたい。
4.エスノグラフィ・人類学を知るための本
自分の知らない「別の世界の当たり前」を知ると、それまでの自分の狭い主観が一度壊れる。壊れて、自分の主観の幅がほんの少し広がる気がする。そして、また別の世界の当たり前を知ることで再び壊れる。学びとは、自分の主観を壊し続けることなんだろう。人類学はその手がかりが最も詰まっているのでは、と思う。
働くことの人類学【活字版】 仕事と自由をめぐる8つの対話/松村 圭一郎, コクヨ野外学習センター
自分の常識や当たり前が覆るような視点をユーモアを交えて楽しく知ることができて、読み進めるにつれて世界への眼差しが変化していく実感を得ることができる一冊。
建築家なしの建築/バーナード・ルドルフスキー
この本に集められたヴァナキュラーでアノニマスな建築群から学べることが沢山ある。失われつつある自然との調和から生まれた、美しい建物と人間のくらし。
マンウォッチング/デズモンド・モリス
無意識の行動や表情に、どのような意味が隠されているかを読み取る観察眼を鍛える本。
地球家族/ピーター・メンツェル
世界には「色々なふつう」があることを雄弁に物語る写真集。
すごいね!みんなの通学路/ローズマリー・マカーニー
道が険しいことは、学びの妨げにはならない。と子どもたちの通学のすがたから襟を正したくなる写真集。
考えなしの行動?/ジェーン・フルトン・スーリ, IDEO
IDEOの観察眼を追体験できるような本。
サイレント・ニーズ/ヤン・チップチェイス
デザインリサーチから本当に意味のあるインサイトをどのように見出すかの教科書。
フィールドワークの技法/佐藤 郁哉
フィールドワークのための技法が網羅された、リサーチ前に必読の書。
ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観 /ニエル・L・エヴェレット
宣教師として現地に行き、信仰を捨てて帰ってくるという著者の強烈なフィールドワークの体験談は面白く、自分とは全く異なる価値観を持つ人々の世界観を知ることによる驚きも多い。
5.ビジュアライズ・プレゼンテーション養うための本
伝え方によって変わる印象や行動のちがい。様々な伝え方を知ることとは、様々な可能性の開き方を知ること、とも言えないだろうか。
DICK BRUNA SEE MORE / Dick Bruna
ミッフィーで有名なディック・ブルーナ。作品の見せ方、プレゼンテーションがとにかく上手い。グッとくる。
TSUYOSHI TANE Archaeology of the Future /田根 剛
まるで研究報告書のような提案書が面白く、歴史として学べるものも多い。
The Graphic Eye of Tamotsu Yagi /八木 保
センスが良いとは、つまりどういうことなのかが非常によく分かる一冊。
時間のデザイン―16のキーワードで読み解く時間と空間の可視化
時間の可視化事例。抽象観念を具現化しようと努めてきた人間の創造性の結晶が見れる。
Information is Beautiful / デイビット・マクキャンドレス
美しいインフォグラフィックスとデータビジュアライゼーション。
ビジネスモデル2.0図鑑/近藤 哲郎
シンプルな図解は、正しい理解から生まれていることがよく分かる。文章も良い。
ニューデザインパラダイス永久コレクションブック/フジテレビ出版
面白さや楽しさや驚きといったデザインの素敵な面が沢山見れる。
TED 脅威のプレゼン/カーマイン・ガロ
情報は3点に絞ること、プレゼンは18分以内とすること、個人的なストーリーを盛り込むこと、会話のように話すこと、、、プレゼンテーションにおける一つの型を学ぶことができる。
6.デザイン、インターフェースを知るための本
デザインという言葉から連想する幅の度合いは、そのまま自分たちがデザインを通じてできることの幅を規定している。今、自分はどこまでの射程で「デザイン」を捉えているだろうか。
デザインってなんだろ?/松田 行正
図版や事例が豊富で眼に楽しく、デザインの変遷を学べる。
フォークの歯はなぜ4本になったのか/ヘンリー・ペトロスキー
自分達の身の回りにあるものが、どのようなデザインの変遷を辿って今日に至るのかを学べる。
バウハウスとはなにか/阿部 祐太
バウハウスの功績はアートとデザインの区別をなくしたことにある。優れたデザインは優れたアートになり得る。前述書を経て、何をあなたはデザインに求めるだろうか。
欧文書体/小林 章
欧文書体の正しい使い方、書体の使い分けのヒント、欧文組版のコツ。誤った使い方をしないためのデザイン教養にあたる教科書。
発想法/川喜田 二郎
リサーチ結果からどのように洞察を得るか、リサーチを収束させる秘訣の全てが書いてある。
THIS IS SERVICE DESIGN THINKING /マーク・スティックドーン, ヤコブ・シュナイダー
サービスデザインとは何かを知る入門書として。
THIS IS SERVICE DESIGN DOING /マーク・スティックドーン, アダム・ローレンス, マーカス・ホーメス, ヤコブ・シュナイダー
サービスデザインのフレームワークや使いこなし方、さらには企業カルチャーへの根付かせ方も掲載された実践書。
クリエイティブ・マインドセット/デイビット・ケリー、トム・ケリー
デザイン思考で有名なIDEOの創設者によるデザイン思考の本。
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法/トム・ケリー
デザイン思考的なアプローチは数多くあるが、IDEOがその生みの親という立ち位置になれたのはこの本のおかげではないか。読み手をワクワクさせる文章。
ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書/アレックス・オスターワルダー, イヴ・ピニュール
ビジネスモデルキャンバスというフレームワークの使い方の徹底解説本。
スペキュラティヴ・デザイン 問題解決から、問題提起へ。/アンソニー・ダン
未来への問を投げかけるための1つの手法。未知のものに対する積極的な介入としてのデザイン。
UXリサーチの道具箱/樽本 徹也
デザインリサーチにおける各手法が豊富な参考を通じ、分かりやすくまとめられている。発想法の学びも得られる、あらゆるデザイナーへ一読を薦めたい教科書。
デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール/山口 義宏
ブランディングについて、恐らく最も平易かつ体系的で、本質的な事項まで含め学ぶことができる本。
機会発見/岩嵜 博論
これから新たな製品やサービス、事業を生み出すうえで大切となるのが「機会の発見」。機会を見つけるための方法論が体系的にまとめられている。
インクルーシブデザイン/ジュリア カセム, 平井 康之, 塩瀬 隆之, 森下 静香, 水野 大二郎
社会でマイノリティだと考えられてきたユーザーを積極的に巻き込み、より開かれた普遍的なデザインを目指す活動の在り方。
マイノリティデザイン/澤田 智洋
社会をゆるめていくことで、より生きやすい世の中へ向かおうという素敵な事例が豊富。
手話を生きる/斉藤 道雄
手話という少数言語にある確かな豊かさと、社会課題について。必読の一冊。
手の倫理/伊藤 亜紗
愛する人に「ふれる」と、異性の体に「さわる」ではニュアンスが大きく違う。触覚は親密さにも暴力にも通じる。コミュニケーションを取り扱う上で避けて通れない「倫理」への大きな問いがある。
誰のためのデザイン/D. A. ノーマン
認知科学とインターフェースデザインを結びつけるバイブル。
インターフェースデザインの心理学/スーザン・ワインチェン
認知心理学とインターフェースつなぐ100の指針。設計をする上でとても役立つ実践書。
融けるデザイン/渡邊 恵太
よりインターフェースが透明になるにつけ、重要なキーワードとなる「自己帰属感」。「もっさり」と「サクサク」は、どう情報に触れている印象に左右するものであるか。デジタルデバイス上のデザインにおいて必須となる概念。
7.働き方のデザイン・コミュニケーションを知るための本
働くこととは?仕事とは?仕事を通じた喜びとは?本質的な物事ほど、日常生活では遠ざかってしまう。だからこそ、のための本。
自分の仕事をつくる/西村 佳哲
こういう仕事をしたい。いや、しなければならないこと気づかせてくれる仕事への心構えをつくる最良の書。
天才たちの日課 クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々/メイソン・カリー
色々な働き方と、失敗と、成功と。読むとだいぶ気が楽になる一冊。
シゴトの渋滞学/西成 活裕
仕事が溢れることと、車が溢れることを「渋滞」という現象から読み解き、その解決策を提示してくれる。
時間術大全/ジェイク・ナップ,ジョン・ゼラツキー
デザインスプリントの取り組みなど、常に「仕事と時間」の関係性を最善のものにしようとしている元Google Venture、元IDEO研究員という著者のティップス集。
あなたの話はなぜ「通じない」のか/山田ズーニー
「ほぼ日」でも人気な山田ズーニーによる、コミュニケーションの本質が書かれた本。
8.プロジェクトマネジメント、ワークショップを知るための本
チームで働く、一緒に作る、ある目的のために物事を進める。プロジェクト・マネジメントとは関係性をデザインするポジティブな行為、と書き換えられないだろうか。
童話でわかるプロジェクトマネジメント/飯田 剛弘
PMの専門書は難しいものが多い、この本では身近な例からPMの大切さを知れる入門に最適な本。
Webプロジェクトマネジメント標準 PMBOK(R)でワンランク上のWebディレクションを目指す/林 千晶, 高橋 宏祐
本格的なPM手法の本ではないけど、必要なノウハウが網羅的に掲載されている最も使えるPM本。
ホエール・トーク/クリス・クラッチャー
チームビルディングの真髄がこの小説の中にある。
Webサイト設計のためのデザイン&プランニング/ Dan M. Brown
Webサイトをどのように考え、作り、クライアントへ提案するのかが漏れなく書いてある。何度読み返しても知見に溢れた一冊。
考具 ― 考えるための道具、持っていますか?/加藤 昌治
アイデアを生む、特にチームでアイデアを生むための様々な発想法が書かれた一冊。
ゲームストーミング ― 会議、チーム、プロジェクトを成功へと導く87のゲーム/ Dave Gray, Sunni Brown, James Macanufo
ワークショップの手法の必要なもの全てがここに載っている。ワークショップ辞書として手元に置いておきたい。
9.企画・アイデアを養うための本
頭の使い方の「型」を知ることは、あらゆる職種に関わらず助けになってくれるはず。
嶋浩一郎のアイデアの作り方/嶋 浩一郎
アイデアを作るためのアイデア脳の作り方とも言える。習慣の力。
超ノート術/佐藤 ねじ
質の高いアイデアを生み出すための習慣の力。筋トレのようなアイデア発想術。
アイデアの作り方/ジェームズ・W・ヤング
アイデアに関する全ての本で引用・参照される、古典であり現代にも通じる名著。
新しい文章力の教室/唐木 元
デザインは伝えることに「的を絞る」行為とも言える。そのうえで「言語化」とは最良のトレーニングであり、近道でもある。いかに文章を作り上げていくか?のプロセスと、いかにデザインを作り上げていくか?のプロセスの類似も見て取れるはず。
アナロジー思考/細谷 功
発想力とは「多様な知識」と「今の問題に結びつけられる力」の2つで構成されている。アナロジーによって発想力を高める方法は、デザイナーにおける基本スキルとも通じる。
10.デザイナーによるデザイン思想
デザイナーによる言葉の中には、本人による視覚化または造形化された表現物に至る以前の、思想そのものが原石のように転がっている事が多く、その発見が楽しく心が踊る。
進化思考/太刀川 英輔
生物の進化と、道具の進化をクロスオーバーさせながら教えてくれる創造性の教科書。
白/原 研哉
白を「色」としてでなく「感受性」の在り方として認識する。新たな視点の色彩論としても。
デザインマネジメント/田子 學
ロジック、センス、ラブ。3つの構成要素にデザイン・マネジメントを還元。特にデザインで最も必要とされる能力を「総合的な視野で物事を捉える能力」とする考え方にある普遍性に注目を。
シンプリシティの法則/ジョン・マエダ
シンプルとは単純であることではなく、明瞭であることだということがよく分かる一冊。
塑する思考/佐藤 卓
モノやコトを人間の暮らしと繋ぐ「水のようなもの」こそデザインである。とデザインの本質的な在り方を語るエッセイ。
デザインの輪郭/深澤 直人
深澤直人が生み出すプロダクトのように、柔らかく、ぬくもりがあり、かつ端正に研ぎ澄まされた文章。
風姿花伝/世阿弥
観客との関係、人気との関係、組織との関係、自分自身との関係。「関係」に着目された『風姿花伝』は表現に関わる人生の知恵と指針が凝縮されている。
眼の冒険/松田 行正
あらゆる事物をデザインというフィルターを通じて読み替えることで、デザインが持つ本来の多様さや広がり、豊かさ、そして何より楽しさを再確認することができる。
ファンタジア/ブルーノ ムナーリ
創造性は誰もがもつもの。この絵空事のように聞こえる大題目も、ブルーノ・ムナーリのある種の楽観性と自由さを通じてみると、現実的な閉塞感から開放される時もあるかもしれない。創造性について囚われた時、一粒の薬のような作用になる事を願って。
11.創造的な絵本
絵本には、驚き、楽しみ、人や動物・家族によせる愛情や悲しみ、といった人間の根源的な心の揺れ動きのエッセンスがこれ以上無いほど削ぎ落とされ、記されている。そこには表現の法則性のような読み取りすら可能かもしれない。
ちいさなふしぎな森/新宮 晋
静かで美しい詩のような「飛び出す絵本」。ページをめくるごとに1つの景色が現れるその光景に、読むたびにはっと息が詰まる。
しずかでにぎやかなほん/マーガレット・ワイズブラウン
グラフィックが美しい、タイトル通りまさにしずかでにぎやかな本。
ちいさな1/アン・ランド、ポール・ランド
IBMなどのロゴでも有名なポール・ランドによる絵本、文章は谷川俊太郎。
りんごかもしれない/ヨシタケシンスケ
1つのリンゴから生まれる無限の可能性、そして作者の豊かな想像力に、ただただ圧倒される。アイデアが世界を豊かにすることを教えてくれる企画の教科書としても最適な一冊。
コんガらガっち/ユーフラテス
ピタゴラスイッチでも人気なユーフラテスの絵本。愛らしい色使いやキャラクター、読むたびに異なるストーリーがうまれる体験は、何度読んでも楽しく、IA、UI、UXが申し分なくデザインされている。
100かいだてのいえ/岩井 俊雄
本は横に開くという当たり前のバイアスを壊してくれる驚きと、作者の今も変わらないユーモラスで温かい世界観には、まるで子どもの頃のような原初的な楽しさが詰まっている。
どっしーん/岩田 明子
次々と合体していく動物がなんとも魅力的で、次にぶつかったらどんな風になっちゃうんだろうというハラハラ感が止まりません。何を語るか・何を描くかというよりも、どのように語るか・どのように描くかという点にフォーカスしたシンプルで気持ちの良い一冊。
●私たちが大切にしていること
Shhh inc.ではタイムラインやニュースに流れてくる「情報」よりも、映画、音楽、本、美術などの「作品」に触れる時間を、多くとることを大切にしています。
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