見出し画像

AI電卓(徐良為氏の説明可能な機械学習)

数学月間企画講演(第14回,10月12日)で,徐良為氏[SLW代表,(株)NTTデータ数理システム非常勤顧問]が開発している「AI電卓」に関する講演がありました。この「AI電卓」に関しての松原望氏[東京大学名誉教授]の解説を要約します:

現在のディープラーニングは,ニューラルネットの隠れ層が数千~数万に上るので,結果がヒットしたとしても,何が起こっているのか分からず,その解釈ができない問題(ブラックボックス)がある。
徐良為氏の開発している「AI電卓」というのは機械学習(ディープラーニング)のホワイトボックス化につながるものである。「AI電卓」においては,
質的データを扱うダミー変数を機能的に自在に扱うことができるのが特徴である。回帰分析で質を扱うダミー変数[男/女,20歳以上/20歳未満,など]に関して,データに分断がありこの分断は必然性のない場合もある。
質の数量化が行われると,意思決定が飛躍的に簡便になる。

意思決定のデシジョンツリーを通じて,決定プロセスの説明が可能になり,人間中心のAIが発展できると考える。「AI電卓」と呼ぶ理由は,ルール(条件によるダミー変数の分岐)を恣意的ではなくボタンを押すだけ(pythonスクリプトなし)で実行出来るという簡明さを「電卓」と表現したものだ。さらに,「AI」であるので,データサイズは数百万件でも十分対応可能である。

徐良為氏の「AI電卓」はKaggleのコンテストで上位1~2%の成績を上げている。(以上文責:K.Tani)
(注)Kaggleとは:色々なテーマで,AIとモデリングを競い合うコンペで,1,900万人を超す機械学習ユーザーが参加しています。



いいなと思ったら応援しよう!