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雷観測ネットワーク
10月3日22時40分ごろ我が家の戸口の至近距離で落雷がありました。いきなり轟音とともに外が明るくなり何事かと思ったが,火事にはならなかった。続いて激しい雨が降り始めた。我が家は特別に突起物があるわけでもないのに何故かと思ったが,気象庁の雷監視システムや落雷マップによると,落雷は非常にたくさん起きていてそう珍しい事象でもないことがわかった。今年は落雷が多く,火事や停電も起きているようだ。
私は子供の頃,雷雨の中で樋の出口を手で塞いで遊んでいて,稲光雷鳴とともにビリっと感電してびっくりしたことがある。私の体をほんの瞬間,電流が流れ去ったわけだが危ない所だった。昔の樋はトタン製,屋根もトタンだった。
雷観測ネットワークについて
JLDN全国雷観測ネットワークは,全国31ヶ所に設置したセンサーのネットワークで,落雷の位置をリアルタイムで検出しマップにしています。
落雷の位置を決定するには,各観測点で雷が放出した電磁波を検出し,その飛来方位を知り落雷位置(電磁波源)を特定すればよい。最低2つの観測点で電磁波源の方位を知れば,その交点として電磁波源のだいたいの位置がわかるが,これでは心もとないので,多くの観測点からの方位が示すデータから最小2乗法で求めれば信頼できる位置を決定することができる。
複数の観測点で電磁波を検出した時間の差異を用いて,落雷位置の決定をすることも行われる。これは,地震の震源の決定に類似しているが,それとは少し異なる方法である。地震ではp波とs波の速度の違いを用いて観測点から震源までの距離を推定できたのだが,落雷ではこの方法は使えない。一方,電磁波が伝わる空間は全方位が均一と近似(反射波は無視)できるだろう。
例えば,観測点A,Bで同時に電磁波が観測されたとすれば,落雷位置は点Aと点Bを結ぶ線分の垂直2等分線の上にあるはずだ。点Aと点Bでの電磁波の観測時間がs秒違うとすれば,落雷位置は点Aと点Bを焦点とする或る双曲線上にある。もちろん,ABの垂直2等分線もこのような双曲線の1つである。
一般に,各観測点のペアについて時間差に対応した双曲線を作れば,それらの全体の重ね合わせとして落雷位置がわかるはずである。実際はこれらのデータの最小2乗法として落雷位置が求まる。
(参考)JLDN全国雷観測ネットワークから要約:
雷が放出した電磁波をセンサーで検出し,その到達方位(MDF:Magnetic Direction Finder/磁界方位検知)と,電磁波の到達時間差(TOA:Time Of Arrival/到達時間差)から距離を求めて,落雷位置を算出します。 到達時間差を求める時刻同期源にはGPSを用いて,高精度の位置標定を実現できます。
MDF方式(磁界方位測定)
各地に設置されているセンサーの方位データ線が交わる点を求めますが,各々のデータ誤差が最小になる地点を標定点とします。
TOA方式(到達時間差)
各センサーに到達した信号の時間差を測定し,それらの時間差を距離の差に換算し,距離の差が一定となる軌跡を求めると双曲線が描かれます。同様に別のセンサー からも双曲線が描かれ,それらの交点から最適な地点を標定点とします。