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ロッド(棒状の形)の対称類を導く

ロッドとは,ロッド(丸棒)の軸に特定の規則で「張りつけた」同じ図形の無限集合とみなせます.
ロッドに沿って分布する図形は,異なる対称要素を持つ場合がありますが,ロッド方向に対し傾斜した軸や対称面を持つことはできません.もしそうならば,これらが複数のロッド軸を生成することになり,ロッドは1つの特異軸しか持てないという仮定に反するからです.したがって,ロッドのすべての対称類を導出するには,特異点を持つ図形に適用可能な7種類の対称性のみが使用できます(下図で1~7番目の列).

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傾斜軸のある8番目の列のタイプ(正多面体)は,候補から除外できます.ロッドの軸に沿って図形を分布させる規則は,無限図形の対称要素(並進軸,らせん軸,映進面)に基づいています;
それらに加えて,生じた対称要素(対称心,図形の中間の点を通り,ロッド軸に垂直な対称面や2回軸,縦の対称面,ロッド軸と一致する回映軸)などが発見されるでしょう.

1つの対称軸を持つ図形によって生成されたロッド

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対称性nの等しい図形が多数あると仮定します.上の例では,適切に色付けされた正3角形が多数あります.これらの正3角形は,4つの対称面(縦方向に3つ,横方向に1つ)と,3つの2回対称軸がありますが,これらのすべてが消えるように[非対称化する]色付け(斜線影が付いている)します.図の前面は背面とは異なります.すべての図を平行に配置すると,3回対称軸3に加えて,並進軸aのあるロッドが得られます.この軸に沿った平行移動aは,図a(の右)に示すように,ロッド軸に「張られた」図形間の距離に等しくなります.
このようにして得られた対称類は,(a)・3あるいは,一般化して(a)・nで表すことができます.

連続する各3角形を角度α=60°づつ回転して,積み重ねるか紐で繋ぐと,位数6のらせん軸6_{3}が得られ,これは普通の3回軸3と同じものです.対称記号は,(a)・6_{3}あるいは,一般化して,(a)・2n_{n}になります(図b).

この対称類には,2t並進すると単位並進になる並進軸aがあります.ここでtは隣接する3角形間の距離です.時計回りまたは反時計回りの回転60°の場合は,どちら回りでもで同じ結果が得られることがわかります.

回転角αが任意(不整合)である場合は,状況が大きく異なります;
図cのように,時計回りに回転すると右手型,反時計回りに回転すると左手型の図になります.
右ネジらせん軸と左ネジらせん軸を区別するために,右向きの回転角度を正に,左向きの回転角度を負にします.

整合的な(有理数)回転角α= 360°/ nの場合,対応する対称類の記号には,当然,有限並進の軸も含まれます.

6回らせん軸の例を挙げて説明すると,6_{1},6_{2}が右回りの回転,6_{4},6_{5}が左回りの回転をするらせん軸です.

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