
ミラーの多面体
左の多面体は半正多面体[アルキメデスの立体とも呼ばれ13種類ある]のうちの1つ{3,4,4,4}です.[この表記法はシュレーフリの表記法といい,どの1つの頂点のまわりにも,正3角形,正4角形,正4角形,正4角形が集まっていることを表示しています].
右の多面体はミラーの多面体[左の多面体のキャップの部分だけを左に45°回転して載せるとこのような多面体になります]といいますが,半正多面体に分類されないのが慣例です.シュレーフリの標記法では,両者の立体は全く同じ記号になります.
対称性から見ると,両者は違います.左の立体の点群は,4/mmm(4/m4/m4/mと書くのは冗長だがわかりやすい),位数は16で,右の立体の点群は,4mm,位数は8です.
これらの立体の上下の正方形面の中心を貫く4回回転対称軸とその軸を含む対称面は,どちらの立体にもあるので,点群4mmの対称性はどちらの立体も持っています.これに加えて,左の立体は等価な3本の4回回転対称軸があり,点群は4/mmmになります.従って,4mmは4/mmmの部分群です.
図作成にpov-ray使用.