文化伝統は型で遺す歴史
躾や文化などを先人たちは、後世に引き継ぐために形として遺している可能性が高いです。
箸の持ち方やお茶の飲み方、履物を揃える、掃除を丁寧に行うなど、私たちは文字で伝えられているのではなく、型として伝えられているように感じます。
現代では文字や画像、動画が発達していますので、こうした手段で伝えられることが可能になりましたが、形で遺すことにより、後世に解釈が入りにくく伝わりやすいことを考えていたのかもしれません。
縄文土器
世界で一番早く、土器を作って使用したのは日本の先人たちで、縄文土器と呼ばれています。
約1万6千年前の、縄文時代前期までさかのぼります。
日本の各地で、縄文土器が見つかっています。
土器の作り方を伝えている人がいて、交流があったということになり、文字はありませんので、口承文化、話し言葉や技の伝承で、伝えていたと思われます。
仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)
エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵と並ぶ世界3大墳墓のひとつといわれる日本最大の古墳が、大阪の堺市にある「仁徳天皇陵古墳(大仙陵古墳)」で、5世紀中頃に作られたと言われています。
古墳を造るのに積み上げた土の量は、10トンのダンプカーで27万台分といわれており、誰かが統率して指示したり、実際に測量をしたりしなければなりませんが、どのようにして作られたのかは明らかになっていません。
形としての美しさも残っていますので、なにがしかの伝承があったと思われます。
法隆寺
奈良県生駒郡にある法隆寺の創建は、607年とされています。
法隆寺の五重の塔は火災により焼失したものの、地震による倒壊はしておらず、五重の塔の構造の特殊性が注目されています。
五重の塔の構造は、東京スカイツリーの建築にも生かされています。
風土や木の質というものをよく知っていたし、考えていた、と言われています。
また、現代に、当時のままの姿を残してくれているからこそ分析できたものです。
先人たちは私たちに、どのような想いを引き継ごうとしていたのでしょうか?