アクティブリスニングのための11のステップ ②同じ言葉を繰り返す
「アクティブリスニング」は、「積極的傾聴」と訳される場合があります。
会話(コミュニケーション)により、話し手が自ら問題解決するためのサポートを行う「訊き方・聴き方」と言えます。
積極的に訊き(質問し)積極的に聴く(コミュニケーションの目的を意識する)ことが必要になります。
「アクティブリスニング」(傾聴)で大切なことがあり、「相手が」質問に答えることにより「行動変容」が起こること、と言えます。
つまり「必要なリソース(答え)は既に持っているということです。
アクティブリスニングにもステップがあり、「11のステップ」と呼ばれています。
ゼロポジション
同じ言葉を繰り返す
接続詞を使う
承認(Ackowledgement)
フィードバック
提案する
要望する
質問をクリエイトする
沈黙する
メタコミュニケーション(Meta-Communication)
お互いの同意を確認する
今回は、「②同じ言葉を繰り返す」について、書いてみます。
同じ言葉を繰り返すには、2つの行い方があります。
オウム返し(相手が言ったことをそのまま繰り返す)
言返し(相手が言ったことを自分の言葉で表現して返す)
コミュニケーションとは、基本的にキャッチボールと同じです。
ボールを相手に投げる、そのボールが相手から返ってくる。
これで「ひとつのコミュニケーション」が完了します。
コミュニケーションにおいて、もっともベーシックなことであり、相手に「聴かれている」という実感を持たせるものとなります。
オウム返し(相手が言ったことをそのまま繰り返す)
A「氣分はどうですか?」
B「あまりよくないです」
A「そうですか、氣分があまりよくないのですね」
これでひとつ完了です。
実際のコミュニケーションでは、投げたボールが返ってこなかったり、違う色のボールになって返ってきたりすることがあります。
A「氣分はどうですか?」
B「あまりよくないです」
A「そんなことを言っていないで、早く仕事に行ったら?」
Aさんは、まずBさんの氣分があまりよくないことを受け取って、ひとつ完了させてから次のコミュニケーションを始める必要があります。
A「氣分はどうですか?」
B「あまりよくないです」
A「そうですか、氣分があまりよくないのですね」
と、ひとつコミュニケーションを完了させた後に
A「でも早く仕事に行った方が良いと思うよ」
と新しいコミュニケーションを始めることが必要です。
言返し(相手が言ったことを自分の言葉で表現して返す)
原理はオウム返しと同じですが、相手の言葉だけではなく「自分の言葉」を使って返します。
表層的にオウム返しをするのではなく、相手の感じている状態を互いに共有するために「自分の言葉で表現してみる」ことは大切です。
A「氣分はどうですか?」
B「あまりよくないです」
A「そうですか、胸がムカムカするような感じなのでしょうか?」
扱っているのはBさんの「氣分があまりよくない」ことです。
「あなたが言っている氣分がよくないというのは、私は胸がムカムカする感じなのですが、一緒ですか?」と「状態を共有する意図」を持っています。
簡単な例にしてありますが、ディベートなどをする際に、相手の意見を理解するために自分の言葉で表現して「相手の感覚と共有(共生)する」ために使います。
くれぐれも間違ってはならないのは、「聴かせようとすることではない」ことです。
「主体的に聴く」ことが意図ですので。