ネガティブ感情をコントロールする「ABC理論」と肉体アプローチ
ABC理論は、私たちが感情や行動で、苦しんだり不安に感じたりする原因をわかりやすく示したモデルのことで、次の3つの要素の頭文字を取ってABCと言っています。
A:Activating event「出来事」
B:Belief「思い込み」
C:Consequence「結果」
最終的な人生のゴールである「目的」(志や理念)を細分化して「目標」を設定していますが、目標達成を妨げるようなネガティブな出来事が【A:Activating event】です。
例えば、体験会に10人集まってもらう、という目標があったとします。
で・・・
「いろいろ誘ってみたけれど、誰も来ないということが起こった」とします。
目標達成を妨げるようなネガティブな出来事【A:Activating event】です。
【A:Activating event】が起こった時に、
生じる行動が【C:Consequence】です。
・自分ってダメだな~と落ち込んでやめる
という「C」になる人もいれば、
・別の方法試してみよう
という「C」になる人もいると思います。
同じ【A:Activating event「出来事」】なのに、
なぜ人によって【C:Consequence「結果」】が変わるのでしょうか?
鍵は【B:Belief「思い込み」】です。
【A:Activating event「出来事」】により
↓
【B:Belief「思い込み」】が発生し
↓
【C:Consequence「結果」】に繋がる行動を選択する
【B:Belief「思い込み」】とは、言葉を変えると「信念」になります。
「信念」とは、それが正しいと堅く信じ込んでいる心のことであり、自分の考えが「正しい」と信じ込んでしまうことで、自分と異なる考えを「間違いだ」と決めつけてしまったり否定してしまうことも起こりやすくなります。
じゃあ・・・
【B:Belief「思い込み」】
変えたらいいんじゃない?
となり、その通りではありますが
容易に変えられるのであれば、皆同じことすれば変えられるはずなのですが、そのようにはなってません。
【B:Belief「思い込み」】はどのようにして出来上がっているのか?に着目する必要があります。
ちなみに・・・
【B:Belief「思い込み」】は悪いものではなく、生命維持のために必要です。
つまり、生き残って種を保存するための生存本能(脅威を察知して取り除こうとする本能)ですが、現代では直接的な危険はないので機能が目に見えにくくなっています。
スゴーイ昔に、
A.夜に狩りに行ったら帰ってこなかったり猛獣に襲われて重傷で帰ってきた
↓
B.危険なんじゃない?
↓
C.陽が昇っているうちに狩りをする
とか、
A.色鮮やかなキノコ食べたらほぼ全員重篤化
↓
B.危険なんじゃない?
↓
C.色鮮やかなあのキノコは食べない
みたいな感じです。
では・・・
【B:Belief「思い込み」】はどのようにして出来上がっているのか?
ビジネス分野での用語を使うと、
■定量:数量で表すことができる要素
→繰り返しの数:何度も繰り返し起こるパターン
■定性:数値化できない要素
→回数にかかわりなくインパクトのあるパターン
です。
ちなみに・・・
「起こったこととその結果」を次の世代へと引き継ぐと、風の谷のナウシカに出てくる大ババのように「伝承」として語り継がれていくことになります。
「色鮮やかなキノコ食べたら」パターンだと、【B:Belief「思い込み」】は次のように出来上がります。
「定量」:集落のほぼ全員など
「定性」:食べているAさんがもんどりうって氣を失った
といった感じになろうかと。
繰り返しかインパクトの強さにより、【B:Belief「思い込み」】は出来ているので、変更するためには「出来上がるまで以上の定量的上書きの繰り返し」か「定性的インパクトの強さによる上書き」が必要です。
人格者や経営者として大成した人は、「倒産」「投獄」「大病」の3つのTを経験している、と言われるのは、その人にとって「定性」(インパクト)ある出来事だったからと言えますが、自ら3つのTを経験したいと思う人はほとんどいないし容易ではないと思います。
じゃあ・・・
【B:Belief「思い込み」】
変えるのは難しいんじゃない?
となりそうなのですが
【前提条件】
は、あるものの、変えられないことはありません。
正確に言えば、「変える」のではなく「クリアする」方が適切な表現かもしれません。
例えば・・・
「スキップしながら落ち込め」
とか
「満面の笑顔で怒れ」
って言われても、無理です。
無理ではないかもしれませんが、かなり難しいです。
心より身体の方がコントロールしやすい
のです。
具体的に何をするのか?と言えば、
「姿勢を正すこと」と「禮」
です。
ただし・・・
「姿勢を正すこと」は
いわゆる世の中一般的に言われている「直立不動」みたいな感じではなく、ひとりひとり正しい姿勢が違う
のと、
「正しい禮」も一般的な「礼」とは違う
のであり、
体得するには、
1日5分くらいの積み重ね
が必要です。
でも・・・
1日5分の積み重ねで
【B:Belief「思い込み」】がクリアになっていく
としたら、簡単なのだと思います。
【前提条件】は次のとおりです。
①人生の目標を明確化もしくは明文化している
②毎日繰り返しやってみる
誰にでもできることなのだと思います。