【オフレコ対談】 勝手にM&A
(前回に引き続き、今回もT氏とA氏に加え、ゲストのG氏も参加)
A:アリマンタション・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングス(3382)への買収提案以降、あらゆる企業の目の色が変わったと言われています。今日は我々3人で勝手にM&Aを行いたいと思います。
G:伝統的な大企業に対するアクティビスト活動、伝統的な日本企業による同意なき買収などもあり、2025年はいよいよ本格的な業界再編の時代になると思います。
A:政策保有株式の縮減と自社株買いばかりの相場は危ういです。また、一過性のものだと思います。
T:ではまず、資産のリサイクルを強力に推し進めている総合商社から始めてみたい。
A:伊藤忠商事(8001)が同じ源流を持つ丸紅(8002)を買収する、あるいは丸紅と住友商事(8053)が合併するのはどうでしょうか。5大商社のどこかには双日(2768)も買収してほしいです。双日は東証プライム市場に上場するものの時価総額は約7,000億円と格安です。
G:三菱商事が連結子会社の千代田化工建設(6366)を日揮(1963)に売却するのもありますね。東証プライム市場に上場する日揮の時価総額は約3,400億円。一方、東証スタンダード市場に上場する千代田化工建設の時価総額はわずか840億円です。
A:日揮が千代田化工建設を買収後、その日揮を三菱重工業(7011)やIHI(7013)あたりに買収してもらいたいです。IHI(7013)と川崎重工業(7012)も統合してもいいくらいだと思います。
G:両社が合併しない場合には、三菱重工業がIHIや川崎重工業を買収してほしいですね。両社ともにグローバル基準では大型株ではありませんし。
T:三菱食品(7451)による伊藤忠食品(2692)の買収はどうだろう。三菱食品は三菱商事の連結子会社で東証スタンダード市場に上場で時価総額は約2,200億円。一方、伊藤忠食品は伊藤忠商事の連結子会社で東証プライム市場に上場で時価総額は約900億円。
G:三菱食品の時価総額は伊藤忠食品の2倍以上なのに、大きいほうがスタンダード市場に上場で、小さいほうがプライム市場に上場しているのですね。
T:伊藤忠商事による連結子会社の伊藤忠エネクス(8133)の完全子会社化もいいと思う。同社の時価総額は約1,900億円。それなのに東証プライム市場に上場しているから今後厳しくなるだろうし。
G:どうせ買うなら、ついでに日本瓦斯(8174)や静岡ガス(9543)などもまとめ買いしてほしいですね。日本瓦斯は中小型の成長株でありながら、株主還元にも積極的で、優れたIRの取り組みを見せています。静岡ガスは東証プライム市場に上場も、時価総額はわずか800億円です。こちらもプライム市場存続は厳しい水準です。とにかく、電気・ガス業界にはプレイヤーが多すぎますね。
A:それならば、東京ガス(9531)と大阪ガス(9532)の統合はどうでしょうか。東京ガスは世界最怖と言われる米アクティビストのElliot Investment Managementからアクティビスト活動を受けています。狙われる一つの要因は時価総額が小さすぎることです。両社が統合すれば、少しはまともなサイズの大企業が誕生します。脱炭素と再エネの両立を進めていく上で、よい方策ではないかと思います。
G:東京ガスなどによる東邦ガス(9533)の買収もいいかもしれません。東証プライム市場に上場する東邦ガスの時価総額は4,400億円と格安です。大株主には野村絢氏がいますので、ホワイトナイトにもなれるかもしれません。
A:いったん今日はここまでにして、またこの企画をやりたいと思います。