渡航制限下での子供の連れ去り
2021年度の外国間での子供の連れ去り件数
外務省領事局ハーグ条約室から外国間における子供の連れ去りについて2021年度件数が更新されました。これは返還援助申請数と面会交流援助申請数の累計ですので、記録されていないものもありますが、2021年度は28件、前年比42%と記録的に下回りました。
(参照)
2015年度 69
2016年度 55
2017年度 42
2018年度 56
2019年度 48
2020年度 59
2021年度 28
情報源 : 外務省領事局ハーグ条約室
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html
2021年度、実際に私達探偵への外国間における子供の連れ去りの相談と調査の実施は激減しており、とても良い傾向と感じております。
これはコロナ禍における渡航制限が歯止めをかけられたと推測しています。実際に、来日する配偶者の浮気調査や社員の素行といった追跡調査は減少している現状です。
今後、渡航制限が緩和されれば連れ去りの再発が懸念される一方、国内外メディアから連れ去り事件が指摘されており、こうした報道が誘拐に歯止めをかけてくれればと期待しています。
緊急事態宣言下での連れ去り
2020年度は59件、前年比120%と増加していましたが、これはコロナ初期における渡航制限のため増えたものと考えられます。
第1回緊急事態宣言の直前、駆け込むように日本へ子供と来た親は確かにいました。
そのうちの一件の外国在住の片親の依頼により、調査が実施されました。急遽やってきた連れ去りだったため、その親子は実家で暮らしており、私達は早い段階で発見することができました。実家から転居しないか、監護状態を把握するために調査をしましたが、緊急事態宣言下で子供達が遊び回る住宅街で張り込みするのは本当に厳しかったです。
個人的な見解ですが、海外でビジネスしていたような親ともなると、監護能力の欠点(子への体罰や深夜徘徊)は少ない傾向があり、厳しい調査となりました。
しかしながら子供への精神面での不調が顕著であることが判り、これが返還の決め手になりました。子供の方はコロナ禍における不安だけでなく、突然片親と会えなくなる喪失感、いきなり日本で生活することに明らかにストレスがあったのです。
このケースでは私達の調査により返還の決め手を獲得することができました。度々なるメディアの報道、遅いながらも準備されている行政の対応により「子供の連れ去り」は確実に厳罰化されます。
これを見ている連れ去りを検討している方は必ずやめてください。