オレたちはフェアリュックト
※2020年4月26日に東京学芸大学蹴球部部員ブログに掲載されたものを一部再編集しております。
どうもお久しぶりです。
生涯スポーツコース4年の高橋謙太郎です。
noteは初登場になりますが、部員ブログの執筆は4回目になります。
ですが自己紹介は割愛しません。
いや、割愛しなくてもいい。
自己紹介は挨拶だ。何度だってしよう。そうだろ?ヒュ~♪
タカ陰寺が首を振り終えたところで自己紹介させていただくと、
富山県出身の高橋謙太郎、好きな食べ物はラーメン。好きな漫画家は大石浩二。好きな芸能人は川島省吾と千鳥。座右の銘は「成るように成る」です。
え?需要無いって?だから言ったじゃないですかぁ~(ドンデンドンデンッ)
まあ、そろそろ本題に入っていきますが、今回はブログ係長の岩田(じゃない方)より「今回のnoteは自分自身のポジションについて書いてください」と指令があったので、今回はFWとしてストライカーの矜持についてお届けしたいと思います。
…「ボケがくどすぎる豚骨ラーメンか!」と小菅に叱られたので、ここからはちゃんとGKについて書かせていただこうと思います。マジで。
「オレたちはフェアリュックト」
フェアリュックトという言葉はGKコーチの松岡裕三郎さんが寄稿した記事の中で使われていたものだ。
ドイツ語でクレイジーという意味らしく、ドイツでは「GKはフェアリュックトだからな」とGKコーチは笑う。それは決して侮蔑ではなく、「他人とは違ったものをものすごく好きでいる」と好意的な解釈で捉えられているらしく、クレイジーであることが認められる空気感があるそうだ。
でも記事の中では、日本ではGKは貧乏くじ。運動能力が低い子がやらされる。我が子がGKにされようもんなら保護者が過剰な反応を起こすなどと語られている。
確かに私達は肩身の狭い思いをしてきたのかもしれない。
みんなでやるウイニングイレブンでも、
「ホンマこれだからGKは分かってないな。」
「GKっぽいことするわ。」
「GKは」という言葉がまるで枕詞であるかのように皮肉られてきた。
ランメニューをFPと同じものを課せられるときは憂鬱な気分だ。
自分がタイムを切れないから終わらないなんてこともあったな。
あの時の周囲からの冷たい視線を経験したことある人は多いでしょう。
走れるGKは尊敬する。そうなりたいかと言われると別だけど。
フェンシングの代表選手の中には、生まれてこのかた5km以上の距離を走ったことがありませんと公言している選手がいたり、ケイリンの世界ランク1位の選手は100m走を走り切れなかったりするそうだ。
間違いなく運動特性は身体特性にあらわれることで、GKとFPを同列に並べるのは困難だろう。
昔に「なんで走らなきゃいけないんですか、もっと相応しいことがあると思います。」
とコーチに言ったこともあった。
その場では走ったことが自信になる。精神的にタフになると言われたが、
同点で迎えた後半ロスタイムに裏抜けしてきたFWとの1対1の場面で走ってきたことが自信になると思えなかった。
そう思うと、今の子は私たちの頃よりいい環境にある。
GKコーチやGKスクールなどの数も圧倒的に増え、技術的な指導を経験したことが無い子は少なくなってきた。
同じような問題意識を抱えた先人たちの尽力のおかげであり、21歳の私が今の子は…と言えてしまうぐらい取り巻く環境の変化は急速だ。
ハードの面は整えられてきたが、私達はもっと互いに理解し合う必要がある。
FPにとってもGKを知ることは、確実に思考からプレーにまで影響を与えることだと私は思う。
GKをよく理解していない、評価する眼を持っていない指導者も多い現状で、
上手く戦術に組み込めていない、組み込まれていないことは多い。
GKがハイボール対応に難があるとして、守備戦術攻撃戦術にどのくらいGKの特性を考慮するのかと。
そういうことが解る、考えられるようになってきたらもっと簡単に点が取れて、もっと簡単に守れるようになると思っている。
GKはサッカーの本質に一番近い場所にいて、点を取る、取られる場面にGKがいないことはない、だからGKは大切なポジションなのだ。
もし肩身の狭い思いをしている人がいて、あなたに思い当たる節があるのならば、読み終えたら少しでもそいつの理解者になってあげてほしい。
そして、私たちは人と違うことをものすごく好きでいることをもっと誇っていい。
オレたちはフェアリュックトだから。
2020/04/26
高橋 謙太郎
参考:https://real-sports.jp/page/articles/378012779233149974